この国で精神障害者は、いかに生きているか?

注 私は精神障害者の当事者です(発達障害と、二次障害があります)。
 「しょうがい」の表記は、近年「障がい」「障碍」「しょうがい」等さまざまですが、私は従来より多かった「障害」という表記を用いています。
ここにおける「害」という字を、私は「症状それ自体とそれを緩和できない構造を持つ社会の相互作用が障壁となり、当事者の人生に「害」がもたらされている」という意味合いで用いています。

 少し前からTwitterアカウントで「精神障害者政策の現状の不備について、どう思うか」というアンケートを、フォローの有無問わずに広く募りました。広く募った結果、幾人かの方から回答を得ることができたので、今回試しにまとめたいと思います。

 おもに要望は、「雇用」に関することと「年金」に関することについて集まりました。

①雇用について
・障害者雇用
 他の障害種別と比べて精神障害者の雇用定着率が低い。これに対して、きめ細やかな合理的配慮を必要とする。
 地方における求人が少なく、あったとしても賃金がかなり低い。

・就労支援サービス
 作業所の区分について。B型作業所の賃金が最低賃金を大きく下回っている現状がある。生活保護で補うように指導されることがあるが、そもそもB型作業所の賃金を最賃レベルに上げることで、生活保護をもらう必要がないあるいは、よりすくなくもらうようにすることもできる。A・Bの区分自体が必要なく、撤廃する方がよい。
 就労支援サービスの拡充。さまざまな体調、障害のあり方に応じた働き方の提案ができるようにする。
 就労移行支援の期間を長くする。

・その他
 障害悪化による休職中の経済補償をしっかりしてほしい。

②年金について
・審査について
 精神障害による年金受給のハードルを下げてほしい。精神障害があると認定されれば確実に受給可能にしてほしい。
 認定基準を病名や症状の程度ではなく、「生きづらさ」ベースにしてほしい。
 審査期間が長すぎる。もっとスムーズに行ってほしい。
 一度審査に落ちると2度目以降通りにくくなるのを、何とかしてほしい。

・生活保護との併用における非合理
 生保と併用すると、せっかくこれまでかけてきた厚生年金に基づいた障害厚生年金額が減額されてしまう。かけた分だけは、もらえるようにしてほしい。

・厚生年金と基礎年金の不均衡
 厚生年金は三級から用意されているのに対して、基礎年金は二級からしかない。基礎年金は成年前に受診日がある人が多く、長じてから就労不可能になっている(つまり症状が重篤)場合も少なくないのに、二級相当まで悪化しなければ年金が支給されない。
 働いたことがある人を優遇し、働いたことがない人を冷遇しているように見える。優生思想的であり、考え直す余地が大いにある。

③その他の要望
・鉄道会社の定期等の割引を、精神障害者にも適用してほしい。
・認知行動療法など、薬物療法以外の治療にアクセスしやすくしてほしい。


9月18日現在における当事者の意見です。
他にもご要望がある方は、Twitter(@Reiwa_mntlpeer)までお願いいたします。

※私は国政政党「れいわ新選組」支持者ですが、この国に生きる全ての精神障害者の方々が少しでも生きやすい社会になることを目指しています。
したがって、政治信条の如何にかかわらず、精神障害者支援が不足していると感じている人全てが対象です。

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