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日本は世界のスタンダードではない

私は朝はパン派だ。

コーヒーを飲みたいからそれに合わせている事もあるし、パンが好きだからでもある。それにインドにいる今は、和食を用意しづらいと言うのも理由のひとつだ。(できなくはないが、中々食材がそろわない)

今は一人だし、時間的に余裕もあるので、パンを焼くことも多い。

まだ子供たちも一緒だった頃、スーパーで買える食パンはイマイチ美味しくなかったため、「買えないなら作ってみよう」と思ったのが始まりだ。健康には悪いが、子供たちはパンの中に板チョコをひとかけ入れたパンが好きだった。

今日も朝のうちにパンを仕込んでこうと思い、買っておいた新しい小麦粉を開けて、コンテナに移した。
(インドの小麦粉はメダ(Maida)と呼ばれ中力粉に近く、色々試した結果これが一番パンに向いている。)

・・・んん??なんだこれ?

なにやら、パッケージからクモの糸の様なものが飛び出ている。それも一本ではなく数本だ。

コンテナに入れた小麦粉を見たが、見た目は普通だ。

もう一度、残りの小麦をコンテナに移すと、やはり同じで、糸の様な、しかも弾力のあるものが何本もびょ~ん、と垂れ下がっている。

ええ~・・・なにこれ。気持ち悪い。

一旦、すべての小麦粉を移して、空になったパッケージをのぞき込んでみた。パッケージの内側にも、やぱりクモの糸の様なものが残っていて、小麦粉がからみついて白くなっていた。

ちなみにこの小麦粉はパッケージされているもので、ホコリが入りそうな状態で量り売りされていたわけではない。つまり、出荷前の検品が済んでいるはずだ。

パッケージの内側。クモの糸の様なものが見える。なんだろう一体・・。

これは何だろう?そして、食べれるのか?

どうしても食べ物を捨てたくない私は、しばし寒いキッチンで考えた。

食べ物を捨てること以上に心苦しいことはない。
しかしこれが一体何なのかが分からない。
小麦粉の成分によるものなのか?それとも何か異物が混入しているのか?

しばらく悩んだ結果、泣く泣くこの小麦粉は捨てることにした。
そして、朝ごはんのパンも泣く泣く諦めた。

腐っている程度だったらまだいいが、それこそ虫(クモとか)とかが入っていて、ましてや卵を産んだりしてたらたまったものではない。

自分で考えてぞっとしてしまった(笑)

ああ・・・今日はベーグルにしようと思ってたのに😿


海外に住んでみると、日本は本当に清潔が(ほぼ)無料で手に入る、素晴らしい国だと改めて思う。

大都市は違うかもしれないが、田舎で育った私は飲料水=水道水だった。
インドに来てから数年間は、飲料水はずっとボトルを買っていたが(美味しいからではなく、お腹をこわさない様にという理由)、ここ数年はキッチンに浄水器をつけている。

日本に留学したことがあるインド人の同僚も、ホームステイした時に、お水がどこにあるか分からなかった~、と笑っていた。

こちらでお野菜を買うと、土だらけ、虫だらけのお店もまだ多い。(リヤカーのお店もあるので)カリフラワーには虫さんが良くいて、洗っている時に見つけてのけぞったことは結構ある。
野菜だから土や虫がついているのは自然な事だけど、傷んでいる部分も結構あるので、洗って下処理するのにに時間がかかる。
最近は日本の様に下処理が済んでいるお店も増えたが、これらは異常に高い。

お米などは虫がつきやすいのか、それとも処理に問題があるのか、新しいパッケージを開けたばかりなのに虫がいたりしたことも何度かあった。お店で売っている透明なパッケージ越しに、虫さんがいるのを見つけたことも。。。(ちなみにそれはタイから輸入されたお米だったと思う。)

牛乳を買ったら、最初からヨーグルトになっていたこともあった。
その後、2回も取り替えてもらったのに、合計3回とも牛乳ではなく、ヨーグルトであった時は、このメーカーの商品を買うのはやめようと決心した。

野菜は悪くなっている部分を取り除けばいいので、まだいいが、米や小麦粉などに虫が一匹でもいた時は非常に悩む。
「この一匹を取り除けば大丈夫なのか?」
「我慢して残りのお米(小麦粉)を食べるか?」
という究極の選択になるが、大抵は申し訳ないけど捨てている。

夕方になって、もう一度小麦粉を買いに行った。
同じメーカーの小麦粉しかなかったので、ちょっとドキドキしながらパッケージを開けると、今度は朝に見たようなクモの糸は見当たらない。

ああ~、やっぱり朝は食べないでよかったんだ~。。。。

日本でも食品偽装のニュースを聞いたりしますが、やはり安全に対する基準値が高い様な気がします。
日本のスタンダードは、世界のスタンダードじゃないんだなあ、としみじみ思うのでした。


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