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告発

日本の年末年始の休暇にあわせ、私も本日から仕事初め。

お昼ごろになって、知らない番号から電話がかかって来た。もう知らないところからの電話に出たくないのだが、年末にビザの係員に脅迫されたことを日本大使館に報告してたんだった。(何が起こったかは以前のnoteに書いてあるのでそちらをどうぞ。)

そう思いながら電話に出て「Hello」と言うと、スマホの向こうからは流暢な日本語が聞こえてきた。

やはり日本大使館だ。

すごい久しぶりに「どうもお世話になっております」と言う、日本らしいやりとりが交わされる。

メールした件について大使館の係員の方が言うには、私からFRROに直接報告(相談)してよいそうだ。残念だが海外では脅迫や賄賂を求められることはありうるし、それをどのように対処するのかは私の判断にゆだねる、といった感じであった。
同時に、「(わざわざ事を荒立てず)今申請しているビザの発行に影響がある行動は避けた方がいいのでは?」と言った雰囲気もその口調から感じられた。

ちなみに、次の被害を防ぎたいので、この件を周知してくれるか?との依頼については、何やら濁されてしまった。どうやらそれを大使館としてはやりたくない(できない?)様子だ。

しょうがない。どこかのSNSでコイツの電話番号を拡散してやる。

さて、FRROに直接報告してもよい、と言われたものの、やはりそれは緊張する。明らかにこちらが被害者だが、残念ながら写真やボイスレコードの様な明確な証拠がないので、悔しいがこちらが批判されることだってありうる。

「早く電話しないと」という気持ちと、「怖い。電話したくない。」という気持ちがせめぎ合う。そのように揺らぎながら、仕事のメールやメッセージを受信したりするたびに「今はこっちを処理しなきゃ」とか、「ピークの14時を過ぎてから」とか、自分に言い訳をして、電話するのを先延ばしにしてしまう自分がいる。

それでも14時半過ぎには、すべての仕事は落ち着き、電話できる状態になってしまった。
だから、私は電話をかけるための準備を始めた。ゆっくりと入念に。
何かあった時の為にボイスレコーダーを用意し、電話で話す音声が録音できるかチェック。何を話すのかをメモに書いて、何度も何度も読み直す。もうそんな内容、覚えてしまっているのに。
そうやって時間稼ぎをしたが、心の奥底では、「電話しなきゃ」と思っていた。

そして、FRROの電話番号を入力して、発信ボタンを押す前にしばらくの間、スマホの画面をじっと見つめる。

怖い、電話するのやめようか?

今日じゃなくて、明日でもいいじゃん。(悪魔のささやき)

でも、電話しなかったら後悔するし、ずっと気になったままだ。

ええい、ままよ!

私は発信ボタンを押して、スピーカー通話に切り替えた。レコーダーの録音スイッチも入れる。

あまり待たされる事無く、「Hello」と誰かが電話に出る。

ボイスレコーダーで聞き直した時に、誰との会話かが分かる様に、「そちらはFRROのデリーのオフィス?」と聞く。
「OCIの申請をしている者ですが、助けて欲しいのです。」と伝えると、「まず申請番号を教えて」と言うので伝えた。
「今は申請の処理中ですね」と言うので、「はい。助けて欲しいのです」と言うと、あきれた様な声で、「あのね・・・今は処理中だから待たないといけないですよ」と諭すように言われてしまった。どうやら「help」を「処理を急いで欲しい」と解釈されたようだ。

そこで、「そうではなくて、別の件で」と伝え、係員が訪問した時に何があったかを伝えると、職員の声は急に引き締まった様に聞こえた。
「分かりました。では経緯をメールに記載して送ってください。」と言う。
私はそれを了承して、メールアドレスを確認して電話を切った。

私は大きく息を吐きだした。

はあ~。。。よかった。この事態を真面目に受け止めてくれそうだ。(少なくともそう聞こえた)

緊張から手が震えている。

ダメだ。落ち着こう。体が甘いものを欲している。
私はコーヒーを入れて、チョコクッキーも用意した。ちょっと落ち着こう。

ここからはまた、日本大使館にメールした時と同じ(笑)
多くの情報はないのだが、何度も何度も文章を読み直して、推敲する。
中々送信ボタンを送る決心がつかない。

やはり「騙される方が悪い」と、言われるのが怖い。
明らかに向こうが悪いのにも関わらず、後ろ指をさされそうで怖い。

「正直ものがバカを見る世界」というのは、悲しいけどあるのだ。

何度も書き直して、一旦はDraftフォルダーに入れて、晩の18時ぐらいになって、やっとメールを送信した。

どんな返信が返ってくるだろうか。

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