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大量の薬にとまどう:(退院後1)

前回のnoteでは、家に帰ったところまでを書いたが、実は保険の承認が下りてからも結構長かった。

夜の7時過ぎてから、保険の承認が下りたので、外ももう暗くなっており、早く帰りたい気持ちでいっぱいだった。
清算して、点滴の管を取ってもらい、帰宅の準備をする。

再びいくつかの書類にサインをして、帰宅後の生活の注意を受ける。

4~5日の間は柔らかい食べ物、食物繊維の多いものを接種する様にして、辛い食べ物は禁止。
水分を十分に接種すること。
処方に従って薬を飲むこと。
おしりをぬるま湯に付けること。(朝晩)
2週間後にフォローアップとして診察を受ける事。

薬は、山の様に処方された。(処方箋↓)

処方された薬。たくさんある。。。

もう夜の8時であったし、薬屋さんを探し回る気力もなかったので、病院内で出してもらえるかを聞くと、Ground floorの受付の所に薬屋が併設していると言う。

いくつかは既に持っている(使っている)薬だったので、それは買わなくてもいいことを確認して、荷物を持って、下の階にある薬屋に向かう。

薬屋のカウンターで処方箋を提示して、用意してもらう。
種類も量も多いので、遅いのは分かるが、8時間も保険で待たされた身にはこのたかが10~15分程度でもきつかった。そして、病み上がりなので、立って待っているのも。

ちなみに、この薬全部で約5,000ルピーもしたので、
「えっ、高っ!!そんなにするの???」と思わず目をむいてしまった。

内訳を聞くと、どうやら抗生剤と、60日分も処方されているビタミン剤が半額以上である様だった。

高いお金を払うのが嫌でも、抗生剤はさすがに外せない。

(薬の分とか保険で返金あるかな・・・)と考えながら支払いをして、
受けとった薬を処方箋と突き合わせながら確認する。
すると、一つ、「これはいらないからね」と言った薬が入っていた。

ああ~、もう・・・・。返品・返金の手続きが面倒。

薬屋の目の前にまだいたので、カウンターに行けばいいだけの事だが、それすらもめんどくさい。しかし、使わない薬があってももったいないだけなので、がんばって返品した。



その後、タクシーで家に戻り、友人の家に寄り、友人のお母さんから鍵と私の為に用意してくれたキチョリ(インド版のおかゆ)を受け取ってから帰宅。(お母さん感謝!!)

たかが車で20分の距離だが、少しの振動ですらおしりに響くのが分かった。

にゃんたちにごはんをあげて、
シャワーして、
ご飯を食べて、
また処方箋見ながら、薬飲んだら、
もう疲れてしまってベッドに寝っころがってしまった。

ちなみに抗生剤は粒が大きいので飲み込みにくい上に、
すぐに溶けてきて、ものすごい苦い。

さすがに薬に美味しさを求めてはいないが、
おじいちゃんおばあちゃんが「もう薬飲みたくない」って
駄々をこねる気持ちが少しわかった様な気がした。

ベッドに横になり、
(・・・う~ん、なんとなくむかむかする・・・?)と思いながら
その夜は寝落ちした。

処方された薬。(この他に、クリームやシロップなどもある。)
大量なので、処方箋とにらめっこしながら、飲みました。



次の日起きて、トイレに行った時に鏡を見ると、顔がぱんぱんに膨れ上がっていた。誰か分からないぐらいの浮腫み具合だ。

よく見ると、足も同様にぱんぱんだ。苦しい。

指も浮腫んで指輪が抜けなくなってしまっていた。

なんだろ。
水の飲み過ぎかな。
しょっぱいもの食べたっけ?
あ、もしかして薬?
でも、今までアレルギー出たことないしな。

と、考えながら、少しでも症状を軽くしようと
耳をもんだり、足を揉んだりしていたが、あまり効果はなかった。

私は普段は朝食を抜いているのだが、今日からは薬を飲むためにしばらくは朝食を食べることにしていた。

指示されたように、果物多め、ヨーグルトなどの柔らかい食事を取り、
薬を飲み、ベッドに横たわってうとうとしたり、スマホをいじったりして過ごす。

しかし、30分程すると、胃のあたりがむかむかしてきた。

横になって寝ようとしてみたり、水を飲んでみたりしたが、
結局すぐに戻してしまった。

戻すと、かなりすっきりしたが、
体力を使ったので、横になっているうちに寝入ってしまった。

処方された薬でお昼に飲むものはないので、お昼は安心してしっかりと食べられた。

夜ご飯も、食欲はあったため、しっかり食べたが、
やはり薬を飲むとすぐに(10分程度で)気持ち悪くなり戻してしまった。

明日、連絡して薬を変えてもらわないとな。


次の日は、夕食後に戻してはいるが、薬の成分が体に残っていたためか、
まだ少し浮腫んでいた。
クリニックに連絡すると、2つの薬は飲むのをやめる様に指示があった。

これらの薬を飲むのをやめたところ、びっくりするくらいぴったりと吐き気は収まった。(浮腫みは次の日ぐらいまで続いたが、その後は全然浮腫まなくなった。)

今まで認識していなかったが、この薬は私には合わないようなので、今後の為に記録を残しておこう。

ちなみに、飲むのをやめる様に言われた薬のうちの一つは、あの60日分もかったやつなのだが・・・。60日分のうち、たった2錠しか飲んでいない。
お金も気になるが、手を付けてない薬が多すぎてもったいない。

返品できるかな。


吐き気と浮腫みは解決したので、
次の問題はいつトイレに行けるか、であった。

手術前は絶食だったし、入院中は柔らかい食事だったので、
トイレに行っていなくてもあまり気にしていなかったが、

さすがに、帰宅して2日以上経つのに、何もないと心配になって来る。
食欲は戻って、結構しっかりめに食べているので、お腹はポッコリだ。

薬の中にはお通じを良くするシロップも含まれている。
水分も多く取るように言われているので、気を付けている。
食事内容は繊維質を多く含むものになるようにしている。

でも、体はうんともすんとも言わない。

このままだったらどうしよう。。。。

なんとなく行けそうな時はトイレに座ってみるが、
つい数日前までは普通にできていたことができない。

あれ?どこに力入れればいいんだっけ?
って言うか、力入れちゃダメって言われてなかった?
傷口ってどうなってるの?(縫ってるの?医療用のホチキスなの?)

などなど、用事も無いのに何度もトイレに行ってみたりした。

いつもより少し食事の量も増やし、
水もお腹がぱんぱんになるくらいまで、なるべくたくさん飲むようにした。

そうしたら、退院して3日ぐらいで、トイレに行けるようになった。

手術後初めては、本当に恐怖であった。
「大量出血で血の海」などと、他の人の体験記を読んだりしたものだから、恐怖で両手を握りしめていたが、思ったよりは痛みも、出血も少なくて、
心底ほっとした。

口から食べられて、トイレに行ける事が当たり前だと思っていたけど、
できなくなって初めてそれらのありがたさが分かる。

健康でいられることに本当に感謝したい。

手術後の最も高いハードルはこれだったと思うので、そこは超えられた。



金曜日に手術だったので、その後の療養のため、仕事は1週間お休みを取っていた。毎日、仕事の為に起きなくてもよく、療養のためにゴロゴロしてていい生活は、思いのほか楽しく、1週間はあっという間に過ぎ去ってしまった。

・・・悲しい。もうちょっと休みたかった。

仕事人間の自分がこんな風に思ったのは、人生で初めてだったかもしれない。実際、自分の為に1週間お休みを取ったのは初めてだった。
(連休や、出産の為の休暇を除く)

自宅での静養をこんなにも楽しく過ごせたという事は、
自分で自覚していたよりも、心身共に疲れていたのかもしれないなあ。。。と、改めて実感した。

そうして、翌週の金曜日にはしぶしぶ仕事に復帰したのだった。




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