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一時帰国:妹の背中を(そっと)押してみる

札幌から成田の妹の家に無事に戻り、数日はいつも通りの日常が過ぎた。

夏休みなので、甥っ子姪っ子は好きな時に起きて、朝ごはんを食べ、昼ご飯を食べ、夜ご飯→お風呂に入り、寝る。その間は各々がスマホを寝っ転がって見たり、おやつ食べたり、ケンカしたり(笑)

妹が仕事がある日は、朝の準備を手伝い、ヤクルトを受け取って支払いをしたり、ゴミ出ししながら近所の人にあいさつしたり、生協に洗った牛乳パックを渡したり。

そんな中、甥っ子の誕生日があったのだが、会議がある火曜日だったので、私はあまり戦力にはなれず、妹は子供たち二人を連れてどこかに行き、甥っ子の好きなゲームをさせてきた。すまん。

「子供たちを愛している」と言いながら出て行った妹の旦那は、今年の誕生日はメッセージすら送ってよこさなかった様だ。去年の誕生日はレゴのブロックを4箱ぐらいドアノブにかけて行ったらしいが。

子供たちが欲しいのはおもちゃじゃないよ。パパに近くにいて欲しいのに。



さて、帰国して妹の離婚の状況と今後の希望も聞いておきたかったので、甥っ子姪っ子の目を盗み、色々と妹から聞き出してみた。(パパが家にいない事は二人とも分かっているが、わざわざ離婚の事を聞かせる必要もないので、こっそりと)

離婚は合意できているが、お互いの条件が合わず、硬直状態の様だ。

今後の生活のイメージとして、私が近くにいた方がいいのであれば、退職を機に帰国して近くに住むのもアリかと(勝手に)思っていた。または、みんなでインドに来てみるのもいいかも、とすらも半ば本気で思っていた。

だが、色々探っているうちにどうやら親しくしている人がいるらしいと分かった。向こうも、「子供たちに会ってみたい。サポートできるならしたい。」と言っているようだが、離婚が決着していないので、躊躇している様だった。

まあ、それは常識的な観点から言えば、正しい判断だと思う。

だが、二人が真剣に将来を考えようとしているのであれば、ちょっとだけ背中を押してもいいかな、と思った。なんにせよ、初めてみないことには分からないし、友人として会うことは悪い事じゃないはずだ。



そこで、そのお相手と甥っ子姪っ子を会わせてみるために、私も一緒に「大人数で出かける」ことにした。誰か知っている人に見られても、「お姉ちゃんも一緒に、みんなで子供たちをゲームセンターに連れて行った」と言う体にしたのだ。

妹はあまり乗り気ではなかった。
やはりこの時期(離婚が最終決定しない時期)にヘタな事をするのは怖い。

それでも、勇気をふり絞って「相手に話してみる」と連絡してみたところ、相手は「行く」と即答した。(らしい。)

はたして、「お相手さんと子供たちのお見合い大作戦」が開始されたのであった。(大作戦でもないが、笑)

お相手さんは子供たちが楽しめそうなものをあれやこれやと提案してくれた様で、家からは車で1時間弱のアリオ(いや、ららぽーと、イオンだったかな?)にあるゲームセンターでポケモンをさせて、その後はスポッチャに連れて行き遊ばせる、と言う計画になった。

小さな子供が二人いるので、これ以上の細かい計画は意味が無い。(と言うか、絶対に計画通りにいかない)この規模のデパート(家族仕様完備)であれば、休憩するにも何かを見るにも困ることはないだろう。



かくして当日のご対面となった。

妹からは「3Kちゃんだけじゃなくって、ママのお友達も一緒だから仲良くしてね」と言われていたが、初対面はやはり照れてしまって、挨拶をするので精一杯であった。

車の中では、怖いもの知らずの姪っ子の方が色々話しかけて打ち解けつつあった。甥っ子はまだ恥ずかしいのか「・・・うん」とか一言ぐらいしか返事が無い。

まあ、そんなもんだ。

到着後、最初はゲームセンターに行ってポケモン。
子供たち二人には1000円づつ渡して、「これで好きなゲームしていいよ。でも無くなっても出さないからね。」と言い渡すと、二人とも同じところに一直線。妹によれば今はこれが人気なのだと言う。

レアポケモンがゲットしたらしい姪っ子が走ってやって来て「ほら、見て見て~!!私XX(名前が覚えられん、笑)取ったんだよ!!」と見せてくれる。

甥っ子はまだ戦闘中である。

調子を良くした姪っ子は次なるゲームを決めて、ガンガン使っていく。大体ゲームセンターのゲームはうまくいかない様にできているのだが、そんな事お構いなしである。

姪っ子は宵越しの金は持たない主義なので、あわや一瞬で使い切りそうなところを説得し、使う前に少し考えさせることに成功した。よしよし。

と、思ったが、「さっきのをお兄ちゃんに取ってあげたいから、やる!」とものの30分程でお小遣い1000円を使い切った。戦利品は最初のポケモンでゲットしたレアポケモンだけである。

お金の勉強は一日にしてならず。

妹(姪っ子)とは違い、甥っ子は慎重派の様で、本当に欲しいか熟考してからお金を使うタイプの様である。なので、ポケモンは前からやりたかったからお金を使ったが、その他はじっくり見て周り、検討していた。

ゲームセンターも一つだけではないので、場所を移動して見て周り、その間にも姪っ子は目についたものを端から「あ、これ欲しい~!!買って!!」「ああ、これかわいい~。これ買って~。誕生日プレゼントに。」「これも!これはクリスマスプレゼントでいい?」など。姪っ子は将来的に、お小遣いを前借りしそうなタイプである。(ただし、それもかわいさで乗り切れそうな気もしているが、笑)

ゲームセンターは一休みして、体を動かせるようにスポッチャに移動。

中に入ると、色々なスポーツができる様になってはいたが、子供たちの年齢層と興味を考慮し、ボールプールや滑り台などがあるキッズエリアで遊ばせることにした。

靴を脱いで中に入り、駆け出していく子供たち。ついて行く大人もいれば、端から見ている大人、用意されているマッサージチェアで休む大人もいる。

私も子供たちの様子を伺いながら、腰を下ろした。妹とお相手さんは二人で座って話したり、子供たちの写真を撮ったり、時々、一緒に上に登ったりしていた。

この辺から、静かだった甥っ子も嬉しそうな笑顔を見せて、お相手さんと(少し)話したりするようになった。姪っ子はずいぶん前から(ゲームで負ける時以外は)ご機嫌である。

コロナになって中々外にも出られず、体を動かす機会もなかっただろうと思うと、この様な広い施設が身近で安価にあるといいなあ、と思う。

この後は、お昼を食べて、また、ゲームセンターをはしごして、必要なものを買ったり、おやつにアイスを食べたり、その途中でまたおもちゃにくぎ付けになったりして、可能な限り子供たちの好きにさせてやった。

大人が3人いるとトイレも交代で行けるし、やはり助かる。この元気な二人を連れて一人で外出する妹の大変さを、妹の旦那はちゃんと理解して協力してくれてたのだろうか、と思ってしまう。(私が知っているのは妹から聞いている情報だけなので、その点では公平さに欠けると思うが。)

17時過ぎになると、大人たちの方が(少なくとも私は)くたくたになり、移動も1時間程かかるので、そろそろ帰ることにした。

お相手さんとは家の近くでお別れしたのだが、姪っ子は次の日も「また遊びに来ないかな~」などと言い、楽しめた様子だ。甥っ子はそこまではっきり言う事はなかったが、キッズエリアでの笑顔を見るときっと楽しめたのではないかと思っている。

とりあえず、最初にみんなが会う機会を作ったら、私の役目は終わりだ。

全員が希望すれば、次があるし、

何か違うなと思えば、次は無いかもしれないけど、

全員が幸せになる方向に進んでくれればいいな、と思っている。

私も(退職後の)日本帰国の目的が一つ片付いた様な気分になっている。妹はきっと大丈夫だろうから、自分の希望にフォーカスして、これからを決めようと思う。




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