何年経っても慣れない、インド人の仕事のスタイル
気が付いたらあっという間に12月になってしまった。
11月は出張が2回あり、それに加えて外出も多かったため、そこそこ忙しく過ごしていた。12月に入った今は、息子の学費を払った後、どうやって生きていくかを頭を抱えつつ考えている。(貯金がゼロになる計算。)
いくつか自分で抱えている仕事の案件がこじれて困っていたのだが、ようやく最近になって解決の目途が立ってきた。インドに来て何度も似たような目に合っているしnoteにも書いてきたはずだが、記録の為に残しておこうと思う。
今の会社では日本人は私一人だけなので、全国のインド人達とペアを組んで対応をしている。
日本企業を対象として活動しているが、インド人が権限を持っている企業も増えてきているので、その場合はインド人の営業が好きな様に提案したり案件を進めていたりする。なので、私が一切かかわらないor知らない案件も多数ある。
今回の場合もそれに近く、基本的には(お客様側の)インド人担当者がこちらの提案内容を検討して決定し、必要に応じ上司にあたる日本人に報告したり承認をもらっていた。
今回はある書類をこちらで発行する事になった。
この依頼を受けたのが夏頃だったらしいのだが、双方のインド人担当者で連携を取りながら進めていた様で、私は何も聞いていなかった。
しかし11月になって突然「3Kさんも連れて会社まで来て欲しい。」と連絡があった。
どう考えてもトラブルのニオイしかしない。
びくびくしながら出かけて行くと、初めてその時に書類発行の話が出ている事を知った。(訪問する道中で説明はあったが)
ちょっと・・・依頼がある事ぐらい情報連携してくれてもさ・・・。
別に一挙手一投足を監視するつもりは無いが、ちょっとぐらいは情報連携してくれてもいいのじゃないかい?と思う。
なぜかと言うと、私に声がかかる時には既にこじれてしまい、頭を下げるのが一番最初の仕事だったりするからだ。
ビビりながら出かけて行った先で聞いたお客様(日本人)の言い分は、
依頼してから数か月経過しているのにまだ発行されていない。
一体いつになったら発行されるのか?
追加の書類が必要なら提示するが、全てを一括して収集して欲しい、
(小出しに何度も追加で出すのがイヤ)
更新情報は適切に連絡して欲しい、
その際は理由も説明もして欲しい、であった。
誠にごもっともで、こちらもぐうの音も出ない。
その時点で、追加書類の最後の一枚をお願いしていたが、その場でその書類は不要で問題ないと承認を取った。その後、システム上での承認→書類発行を遅くても次の日までに進めるスケジュール感を説明し、その場は何とか納めた。
しかし、「訪問した日に完了する」と担当部署から聞いていたのに、その後更新情報は全く連携されない。何度も催促をした結果、一週間以上も経過してやっと「今対応を進めているから」と回答をもらった。
今対応中だとすると週明けに更新があるはずなので、その時点でお客様に連絡しよう(金曜日だった)。
・・・・と思っていたのだが。
週末になって、「訪問時には不要と言っていた書類が『やっぱり必要です』と言われて要求されたんですけど。それにまだ届いてませんよ。」と、お客様からクレームが入った。
どうやら、訪問した日に「その書類は不要で進める」と承認をもらったはずなのに、「やっぱり必要」と言い出したらしく、お客様に十分な説明もせずに書類だけ要求してしまったらしい。
既に焦げ付いている案件なんだから、動きがあったら教えてよ・・・。
同じことの繰り返しに怒るお客様に謝り、担当者達を心の中で呪いながらも、不明瞭な事を答える訳にはいかないので、担当者に最新情報の共有と追加書類が再度必要になった理由を説明する様にメールで依頼した。
週末だったのでこれ以上進捗が無い事は分かっていたが、お休みの間この件が気になってしまいあまり休めなかった。恨むよ、君たち。
週明け、担当者から回答してもらい、私からも説明した。お客様の本音は分からないが「分かりました」と言っていただけて、ホッとしていたところ、
「分かりました。追加の書類をコピーして提出します。」と言い出した。
「??」
私は混乱した。
こちらの担当者は「発行を進めているから、到着まで10営業日ぐらいかかる。」と言っているので、必要書類はもらっているはずだ。
一方のお客様は「これからコピーする」と言っているので、まだ提出していない認識の様だ。
どこで認識がズレた??
慌てて状況を確認していたところ、お客様から「うちの担当者が既に提出していたみたいです。」と連絡が来てほっとした。(気を利かせた経理担当者が、お客様に伝えず提出してしまっていた笑)
認識が一致し、書類発行の手続きも進んでいるので、後は発行と発送を待つだけだ。
・・・・と思っていたのだが。(2回目)
約束の「10営業日ぐらい」を過ぎても書類が到着せず、担当部署から連絡もなかった。
もう・・・何度目だよ。
またも慌てて担当者達に連絡を取る。
しかし、営業担当は休暇で連絡がつかない。
ちょっと・・・なんでこんな大事な確認もせずに休みに入る???
営業担当は休みだが、書類発行の部署には人がいる。
その担当者とその上司にストーカーのごとく何度も連絡した。
やっと上司に繋がったが「対応中」としか言わないので、詳しい状況が分からない。
対応中って具体的には何???
承認待ち?
印刷中?
発送済み?
一体どれなんだい???
鬼の形相で食ってかかり、さらに営業担当の上司にもヘルプを頼んだが、刻一刻と時間ばかりが過ぎていく。
これを私は個人的にインドマジックと呼んでいるが、インドにいると特に重要な事をしていないのにあっという間に時間が過ぎていく事がある。
このマジックは大抵は担当者を追いかけている時に起こる笑
その間、お客様を待たせて冷や汗をかいているのは私一人である。
他の奴らはクレームが来ようがどこ吹く風だ。何たる理不尽。
「まだ届いていない」と連絡があったのは午前中なのに、最近状況が分からないまま時間が過ぎ、もうこれ以上は待たせられないと16時頃にお客様に謝罪の電話を入れた。
書類の発送がまだである事、
担当者につながらず詳細が分からない事、
分かり次第連携するので、月曜日まで待って欲しい事を正直にお願いした。
メールではそっけないお客様も、電話でお話しをすると笑って待ってくれると言ってくれたが、申し訳なくて謝る以上の事が言えなかった。
その直後、営業担当の上司がやっと担当部署を捕まえたらしく、状況を説明してくれた。
曰く、承認がまだだったので、
再度、承認を取得する(予定:今日)
承認後、印刷をする(予定:次の日)
印刷後、発送手続きをする(予定:次の日)
上記が問題なく進めば、2営業日で到着予定
随時情報は連携する。
との事であった。
おい・・・もう到着していないといけない書類の承認がまだってどういう事よ。
結果、上記で説明された通りのスケジュールで進んだため、無事に最短で発送まで対応できたので、ひと段落となった。
が、インド側の担当部署が「発送まで2営業日で済ませてしまうなんて、自分らエライ。どや!」って言う気持ちでいる様な気がしてなんとも言えない気持ちになる。
こんな早くに処理できるなら、最初からやって欲しいし、
期限が過ぎるなら、こっちが連絡する前に言って欲しい。
インド人の仕事のスタイルは以下の傾向がある。(注:全員ではない)
完了するまで報告しない/中間報告をしない
仕事を抱えギリギリまでヘルプを依頼しない/できない
遅れそうな時の事前連絡が苦手
忘れているのか、確認すると突然対応が完了する
限定した関係者のみでコミュニケーションを取りたがる
今回は残念な事に上記が全て当てはまってしまった。
重ねて言うが全員ではないし、全ての項目に当てはまるケースばかりでもない。
だが、大多数がこのスタイルで仕事していると、当然トラブルの発生確率も上がって来る。
特にこの習慣を受け入れられない外国人の顧客の場合は、受け入れられない場合が多いのじゃないかと思っている。
その期待とのギャップが最も大きな組み合わせの一つが、もしかしたらインドと日本なのかもしれない。
なので、このギャップを可能な限り小さくできる人材に対する需要は、この時代どんどん高くなっていると感じている。
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