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一時帰国:札幌の街をぶらぶらしてみる

2022年8月にインドから日本に一時帰国して、元夫と娘を連れて北海道にやってきた。私の友人に会いに行くのがメインの目的だが、友人家族に会うのは、次の日なので、ホテルにチェックインした後は、札幌の街をぶらぶらしてみることにした。

私の強い希望で予約を取った「ドーミーイン 狸小路」に無事チェックインした。

予約に不備があったのか、3人いるのに2人での宿泊になってしまっていて、差額を払う事で解決したのだが、3人が宿泊するには手狭なダブルだった。

まあしょうがない、と気持ちを切り替えて(この時はフロントに交渉してみる、という事をすっかり忘れていた、笑)、部屋の準備ができるまで近くでお昼を食べに行くことにした。


この狸小路と言う場所は、屋根付きのアーケードになっていて、歩行者がたくさんいた。車の心配をしなくてよいので、安心して歩く。

お腹が空いていたので早く食べたいが、同行者(元夫と娘)がいると、好き勝手に何を食べるか・どこに入るか決められない。元夫は極端な食事制限中なので、それも気を遣う原因だ。未だに、病気で食べられない人の前で食事を楽しめばいいのか、それとも遠慮して黙っていればいいのか迷う。

幸い炭火焼のお店があったので、そこに入る。
ここなら元夫の為のごはんもお魚も枝豆もあるし、私たち(私と娘)も食べたいものがありそうだ。

元夫のお望みのごはんに焼き魚、枝豆も豆腐もあったので、まずはそれを注文する。北海道産のホッケがあって、絶対に美味しいに違いない。私も食べたかったが、それを注文してしまうとお腹いっぱいになってしまいそうだったので、その時は我慢することにした。

私たちも、豚の串焼きや自分で目の前の炭火で焼くホタテなどを注文した。
元夫が左利きなので、私と娘が隣同士で座る。娘に何を食べたいか、食べきれなさそうであれば分けて食べるか?などを聞きながら一緒に過ごす時間がまた楽しかった。



しかし、食べている間に、歯に何かが挟まってしまったのか、娘は口に指を入れ始めた。

2、3歳ぐらいの子供がそれをするのは許されるが、娘も13歳だ。
トイレに行って詰まったものを取ってくるか、できないならホテルに戻って歯磨きするまで我慢する様に言った。

すると、「うう。。。」と下を向いてしまったが、指は口から出さなかった。

もう一度同じ事を伝えると(私は決して怒ってはいなかった、と思う)、ぽろぽろと涙をこぼして泣き始めてしまった。

ああ~。。。と思ったが、昔の自分もそうだったよなあ、と思ってしまう。


私も昔は(今も)、言いたいことがあるのに感情が先走ってしまう事がよくあって、結果、悲しいわけでもないのに泣いてしまう事はよくあった。

自分でも言いたいことがあるのに言葉になって出てこない悔しさはあった。

ちゃんと言葉で伝えて、相手に納得してもらいたいのに、出てくるのは涙で言葉じゃなかった。

同じ様にふるまう娘を見ながら、

「もうちょっとしっかりしてくれるといいなあ。」と期待する気持ちと、

「自分もこうだったし、もう少ししたら成長するかなあ」と受け入れる気持ちが混ざる。

私は近くにドラッグストアがあった事を思い出し、そこに行ってデンタルフロスを買ってくることにした。娘には戻って来るまで待つように言った。

お店の人に声をかけて(連れは店にいる事、すぐに戻って来る事)、急いで、筋向いのドラッグストアに走る。ただ、店に入ってしまうと、「そう言えばあれも必要だった、これも」といくつも買ってしまい、15分ぐらいかかってしまった。(実は慌てて妹の所にスキンケア一式を忘れてきてしまったのだ、笑)

そんなにがんばって行ってきたのに、戻って来ると、既に歯に詰まったものは取れてしまっていたのか、涙も引っ込み、娘はすっきりした顔をしていた。

まあ、そんなもんだよね(笑)



お昼を終えて、一度ホテルに戻り、(部屋のサイズにおののきながらも)一休みした後、夕方になって元夫が「果物とごま油が無いから買いに行かないといけない」と言い出したので、散歩も兼ねて出かけることにした。(注:元夫は高血圧の食事療法の為、食べられるものに制限がある。)

今度は、先ほどとは反対方向の大通りの方に向かって歩く。

大通りではビアガーデンをやっていて、みんな楽しそうであった。
サッポロ、エビス、サントリーがそれぞれ出店しており、見た感じサントリーが比較的すいていた様に思える。

私たちはお腹がいっぱいだったのと、元夫と娘がお酒の場を嫌がるので、見るだけにどどめ、テレビタワーの方向に向かう。テレビタワーで何枚も写真を(元夫に)撮られ、娘と二人で「まだかな」「もう終わった?」などと言いながら待つ。

ビアガーデンも公園内にあるお店も、お腹が空いていたら食べたかったのに、胃がもう一つと太らない体が欲しい。



さて、元夫は「果物が無い。果物を買って行かないと!」とうるさい。(次の朝に食べるため)ざっと見た感じ、大通りの両側はデパートなどの商業施設がメインで、スーパーなどは見当たらなかった。

適当なお店が見つからないなら、コンビニのカットフルーツも最近は充実しているのでその提案をしようと思ったところ、ちょうど三越が目に入った。デパ地下ならば果物も売っているに違いない。(食事療法の為、コンビニでも手に入る様な缶などの加工している果物はNGらしい。)

ただし高額の(笑)

三越の地下に行ってみると、果たして、野菜も果物も一通りそろっていた。贈り物として売られているのか、どれもこれもピカピカと美しく光っている。元夫じゃなくても買いたくなる。

どれをどのくらい買わないといけないのか、そもそもここで買うのかは元夫に任せたが、必要なものを買って戻ってきた。

「いや~、必要な果物は全部買えたよ。よかった。他の所で買えばこの半額で済んだけどね。」

ねえ・・・その最後の一言は言う必要あった??(イラッ)

「果物が無いと明日の朝食べるものが無い」と大騒ぎするので、買えそうなところを提案したのであって、買う事を決定したのは自分である。普段「お金ならある」と言うわりには小さい。

今でこそ、元夫にあまり悪気はなく、ただ感想を述べているらしいことは分かってきたが、こちらが色々気を使って提案した結果の感想がこれだと本当にイラつく。

小さい事かもしれないが、これが離婚の原因の一つでもある。(一番の原因ではないが、一つではある。)

それぞれの出来事は小さなことだが、これが続くと、また、こちらに余裕が無い状態だと本気で腹が立つのだ。



若干イラっとした気持ちを抑えつつ、他の所も少し見て周り、トラムにポケモンが描かれてるのに興奮したりしつつ、お腹もあまり空いていなかったので、コンビニでごはんを買ってホテルに帰った。

ホテルに戻り、軽く食事を済ませると、私はいそいそと大浴場に移動した。娘も誘ったが、大浴場などは気が引ける様で、お断りされてしまったので、残念ながら一人で行くことに。

フロントでもらった暗唱番号を入力して浴場に入る。

キレイな脱衣所、大きな鏡にアメニティ、3種類のお湯があって、インドでシャワーのみの生活をしていた私にとっては最高であった。

私が入った時はゆず湯だったようで、かんきつ類のさわやかな香りが心地よく。お湯に身を沈めて、ついほうっと息を吐いてしまう。

ああ~、湯舟最高。シアワセ・・・・。

海外生活は楽しく刺激的だが、湯舟に入る心地よさは、やっぱり日本が一番だ。バスタブがあるところや浴場がある国もあるらしいが、こんな気持ち良さは他の国ではないよなあ、と日本の良さを実感する。

お風呂に入ってさっぱりして、無料のアイスをほうばりながら共通スペースでマンガを読みつつ体を冷ます。

その後、ドーミーイン名物の「夜鳴きそば」を食べに行こうと娘を誘うも、ここでもお断りされてしまった。

無理して私に合わせる必要はないが、好きな事や興味の方向が大きく違ってしまっているのだなあ、とちょっと寂しくも思う。

子供たちが大きくなったら、大きくなったからこそ楽しめる事があるとおもっていたのだが。離れている期間が長く、お互いの「好きな事」の方向性に大きく隔たりができてしまっている様だ。

またしても、ちょっとだけ寂しく、一人で夜鳴きそばをすすったのだった。(夜鳴きそばは美味しかった!)

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