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手術の時の恥は忘れよう:手術当日(手術~部屋に戻るまで)

前回のnoteでは、入院当日の入院手続きから手術前の検査について書いた。

朝の8時に病院に到着し、入院手続きを終え、手術前の検査を終えたところで大体午前の10時半頃であったと思う。

その後は、手術室に行く時に呼ばれるまで、部屋でおとなしく(食べたり飲んだりしないで)待っているように言われた。

はっきり言ってすることもなく、スマホをいじりながら、ごろごろしていると、いつしか寝てしまっていた。


「じゃあ、手術室に移動しますよ~」と、声をかけられ、寝ていた事に気づく。もう13時過ぎなので、あのまま2時間半もぐっすり寝てしまっていた。

付き添いで来てくれたH君には私の私物を見ている様にお願いして、
再び車いすにのせられ、部屋を出る。

ナースステーションを通り過ぎる時に、
「あっ!!ペディキュア残っている!!どうしよう!」
「ほら、早くコットン持って来て」と、思われるやり取りがなされ、
若い看護婦さんがパタパタと走って行き、またすぐにネイルリムーバーをしみこませたコットンを持ってきた。

手術する時は、アクセサリーだけじゃなくて、マニキュアやペディキュアもダメなんだな、と改めて知った。

エレベーターの前で待ちながら、ペディキュアをササッと落としてもらう。

すぐに対応してくれたのはありがたいが、
入院手続きの必要書類も、ペディキュアも、言ってくれれば準備してきたのに・・・。

このひと手間が無いところがインドなんだろうな~と思う。


エレベーターで3階に移動し、手術室のエリアに入るドアの前で、
「え~と、3Kさん?今日の手術は?はいOK。」と本人である事と、どのような治療なのかを再確認する。

その後、(歩けるので)車いすを降りて、歩いて手術室の中に入ってすぐのベンチで待つ。その間に、午前中に点滴や他の検査を担当してくれた元気な看護師さんが「じゃあね。がんばって!」と言って、手をぎゅっと握ってく
れた。

これは何も知らない少年だったら吊り橋効果で思わず勘違いしそうだ(笑)

メガネもダメだったので部屋の様子がよく見えない。
看護師さんが支えながら手術室まで案内してくれ、自力で歩いて移動する。

元気で歩けるのに、部屋から手術室のあるフロアまで、車いすで来る必要あったのかな???(手術後はともかく)


手術室に入ると、執刀をしてくれる先生が待っていた。
緊張している私に「大丈夫?」と声をかけてくれる。

「大丈夫」と答えながら、多分本人だ、と思うものの、
手術着+マスク+こちらはメガネ無しで、全然誰なのか分からない。(笑)

その後、結構高い手術台に自力で上がり、屈伸する様な感じで足を延ばして座る。

メガネが無いからすべてがはっきりは見えないが、周りを見渡すと、ピカピカした手術器具が並べられており、上にあるまぶしいライトや、忙しく動き周るスタッフを見ているといよいよ手術なのだと緊張してきた。

点滴の管をつなぎ、後ろ前にしておいたパジャマをはだけ、背中を出す。
(パジャマは甚平タイプのセパレートで、あらかじめ後ろ前にされていた)

「これから麻酔打つから、その前に消毒するね。冷たいからね~」と言われた瞬間、腰の後ろ辺りのかなりの部分がヒヤリとして、私は思わずびくっとした。

ひっ!!すっごい冷たい・・・!!

それに気づいた麻酔担当の医師が「あ~ごめんね、冷たかった?」と言いつつ、さらにもう一度消毒する。

その後、腰骨の位置を指で触りながら確認しているのが分かった。

ああ~コワイ、コワイ・・・。

「じゃあ打ちますよ~」

私は仕方なく頷くしかなかったが、

・・・あれ?思っていた程の痛みじゃない。

最初はチクリとするが、すぐに麻酔が効き始めているためか痛みは思った程ではなかった。注射針そのものもかなり細いものだと、打たれながら分かった。

麻酔を打ち終えた後は、仰向けになるように指示された。

えええ?仰向けなの?おしりの手術だからうつぶせじゃないの??

手術台に仰向けに寝ると、胸の下あたりの所に布を張って直接手術の状況が見えない様にされた。麻酔は効き始めているが、まだ感覚はあり、パジャマの下を脱がされて、足を開いてそれぞれ固定されたのが分かった。

出産の時の分娩台に近いイメージだ。

えええ~仰向けだと思っていたから何もお手入れしてこなかった。
手術なのだからそんなの気にしてないと思うが、体の手入れをしてこなかった上に、今回は半身麻酔で意識がある。

ああ、恥ずかしい。。くうっ、全身麻酔が良かった。。。


なぜ体の手入れを気にしているのかと言うと、

数年前に受けた卵巣嚢腫の手術では、患部に近い部分はすべて剃っておかねばならなかった。それを知らずにそのまま入院した私は、前日の夜に看護師さんにぺらっとめくられ、ちょっとびっくりされた後、剃ってもらった黒歴史がある。


そんな事を考えて、一人で恥ずかしいと思っているうちに、麻酔担当の医師から、「後もう一つ麻酔するけど、リラックスするために目をつぶってゆったりしてね」と言われ、目をつぶるとうとうとし始めてしまった。

・・・もういいや、手術だから体の状態とか見ていないと信じて、忘れよう。

手術の間、ずっと熟睡していた訳ではないが、記憶はぼんやりとしている。痛みは全然なかったが、何かが自分の下の方から突き上げてゆさゆさしている事だけは分かった。


しばらくすると声をかけられて起こされた。

「はい、これ。切除したものね。」と見せられる。

うとうとしていた上に、メガネもないので、よく見えない。
赤く、数センチ程度の長さのものがくるんと丸まっていた。

なんと答えればいいのか・・・(笑)

数年前の手術でも同様に切除したものを見せられたので、きちんと合意した手術を終えましたよ、と言う意味で見せているのだと思う。


その後、また少し意識がぼんやりして、気づいたら、手術後の患者が安静にする部屋に移されていた。他にも数名が部屋におり、自分の手術は終わった事、しばらくはこの部屋で経過観察をしてからでないと、自分の部屋には戻れない事だけは説明を聞いて理解した。

麻酔がまだ効いているため、下半身が思う様に動かせず、ふたたび睡魔に襲われる。ただ、前回の全身麻酔の手術直後とは違い、震える様な寒さは感じなかった。

ふっと、むかむかした気分になり、目が覚めた。
目を凝らすと、ちょうど向かいの患者さんも戻してしまっているようだ。

しばらくこの吐き気が落ち着くかどうか、胸に手をあてて深呼吸をしながら様子を見る。どうも収まりそうにないので、床にまき散らしてしまう前に、看護師さんを読んだ。

何かあった時のボールだけを手元に置いておいてもらい、また睡魔の沼に戻る。幸いこの時は戻さずに済んだ。

またしばらくして、「もう病室に戻れるわよ。」と声をかけられ、この部屋を出る。エレベーターの前で、自分の個室用のベッドに移し替えられる。
(数人でシーツを持って、せーの!でもう一つのベッドに移すあれだ)

エレベーターにベッドごとのせられ、下の階に降りて、自分の部屋に戻った。どうやら手術中に隣の部屋に移動になったようだ。

部屋に入ると、付き添いのH君が心配そうに待っていた。

(写真は次の日に出たチャイです。)






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