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さようならお尻拭き職人の話

どうも。3児のパパです。
ウソじゃないです。3児のパパです。
長女さん(7歳半)と次女さん(5歳)、
3女さん(3歳)を絶賛子育て中です。

もうすぐ3女さんが
完全におむつ卒業しそうなんで、
お尻拭き職人最終話を書いてみましたー。


かっこつけて書くパターン


タイムリミットが近づいている。

滑走路が目の前に広がっているとして、
僕は長い間、離陸する瞬間を待ちわびていた。

初めて飛行機に乗った時は、
離陸前のあまりの揺れとGに戸惑った。

2度目の時は
こういうものだと知ったせいか、
気持ちは楽になった。

3度目は
走り始めた瞬間に離陸のことを考えた。


決して止まることはなく、
ゴールに向かって全速力で走る機内で、
浮き上がりの瞬間を待つ。


ふわっとした感覚に包まれ、
本当に飛び立ったのかどうか
分からなくなり周りを確かめる。


どうやら今回も無事に離陸したんだと
安堵した。

同時に寂しさに包まれた。


もう飛行機に乗ることはないだろう。
3回も乗れてよかった。
3回もわくわくすることができた。
これ以上の幸せなんてないと思う。


どこに向かう便なのかはわからないけど、
多分遠くまで飛ぶんだろう。
途中、揺れることもあるだろうし、
思わぬトラブルに巻き込まれることもあるだろう。

そこらへんは安心だ。


離陸するまでに携わった全ての人が、
ちゃんと仕事をしてくれた。


多少トラブルが起きても大丈夫。
何とかなるし、何とかする。


この飛行機は大丈夫だ。
願わくば遠くまで。
最高のフライトになることを祈ろう。


普通に書くパターン


3女さん、保育所ではおむつ履かないらしいよ。

え?マジで????
じゃあそろそろ本気でおむつ卒業する??


なんか、突然話が進んだ気がする。
心の中ではおむつ卒業をずっと願ってきた。


長女さんの時は、
全てがわけわかんなくて、
毎日バタバタしながらお尻を拭いてた。


次女さんの時は、
育児の勝手は分かってきたが、
対象が2人に増えたから忙しかった。


3女さんの時は、
生まれた瞬間から、
この子で最後の育児かぁと思いながら、
毎日お尻を拭き続けた。


お尻を拭く日々もあと少し。


毎日全力で大暴れする3人を眺めながら、
お尻拭きが終わることに寂しさを覚える。

あと何回、
この子のためにお尻を拭いてあげられるんだろう。

もう少ししたら、
かっこいいお姉ちゃんパンツになれるな。


うちの子たちに感謝。
毎日笑顔でいてくれてありがとう。
僕と妻さんを笑顔にしてくれてありがとう。


お尻拭き職人で書くパターン


お尻拭き職人になって、早7年。
その時は唐突に訪れた。

卒業。
おむつからの離脱。


バカな!3女さんはまだこんなに小さいんだぞ!
お姉ちゃんパンツになんてなれるはずがない。
いくら何でも早すぎる!!!

思わず、お尻拭きシートを持つ手が震える。
世界が暗転するかのような衝撃。
思わずしりもちを突きそうになった。



いや・・・違う。

3女さんはもう準備を終えている。


卒業の準備ができていないのは俺の方だ・・・。



初めて長女さんのお尻を拭いたとき、
大海原で揺れる小舟のように、
自らの力のなさを痛感した。
それでも徐々にキャリアを積み上げ、
目の前のお尻に向き合った。


次女さんの時は、
自らの力に溺れそうになった。
万能感。
形あるお尻ならばその全てを
拭けるような気になっていた。
すぐに1対2の拭きという壁が現れ、
お尻拭きの頂の高さ、その険しさを知った。


3女さんの時は、
よくも悪くも落ち着いて拭くことができた。
丸くなったんだと思う。
自分の気持ちも。お尻も。
達したのかもしれない。
理想のお尻拭きに。


思い出を重ねるように、
拭いたおむつを積み重ね、
その山がいつか何かになることを願った。


そして、山は完成した。


お尻拭き職人には終わりがある。

最初から分かっていたことだ。


これまでずっと、
ひと拭きひと拭きに想いを込めてきた。

痒いところはないか。
今日も元気か。
楽しかったか。
幸せだったか。
大きくなって欲しい。
あわよくばずっと幸せであって欲しい。


お尻を拭かれずに大人になったものはいない。

そう。
お尻が後ろについているのは、
誰かに後ろから支えてもらうためだ。


そして、3女さんは支えが無くても、
自分の尻を拭くことができるようになった。


俺と妻さんが積み重ねたおむつの山は、
実を結んだ。


ありがたい。
こんなありがたいことがあるだろうか。
この7年間ずっと幸せだった。


お尻を拭くことが、
お尻拭き職人であることが、
こんなにも素晴らしいことなんだと痛感した。

喜びしかない。
だからこそ、覚悟を決めよう。


今日、これが最後のお尻拭きだ。


いつもより丁寧に拭き進める。
思い出が蘇る。

風呂場でやられた時は地獄絵図だったな。
イオンモールでの惨劇は伝説だと思う。
なんであの時、トイレ大丈夫って言ったんだよ。

笑みが溢れる。

どれもお尻を拭かなければ出会えなかった
大切な思い出だ。

お尻拭きシートを取り出す。
青い線が出てきた。

あと5枚でこのシートも無くなる。
そして新しいお尻拭きシートを出すこともない。

3女さんのお尻はもう
赤ちゃんの頃のようには汚れていない。
そんなに拭かなくても大丈夫。
でも最後だから、、、全部使い切ろう。

残り4枚。
ありがとう。いいお尻だ。

残り3枚。
このお尻、年賀状か何かに使えないかな。

残り2枚。
だめだめ、集中しよう。

残り1まい。


ありがとう。
凄く楽しかった。
この一拭きで最後だ。


ぱぁぁぁ。


なっ!これまでにない輝き!
これは、この光はまさか!!


鏡面仕上げ、、、。


お尻拭き職人の想いと技術が
紡ぎ出した最高のお尻。
お尻の喜び。

最後の最後に辿り着けた。
俺が理想としていたお尻拭き職人のゴール。
満足だ。これ以上ない最後だ。

お尻に写り込んだ自分の表情を見て気付いた。
お尻拭き職人がお尻を拭いていたんじゃない。
拭かれていたのは俺。俺の心だったんだ。

こんなにも優しい気持ちになれるだなんて。
ありがとう、長女さん、次女さん、3女さん。
そしてお尻。


いつか、いつの日か。

君たちも誰かのお尻を拭いてあげてほしい。

笑顔と共に。


全てのお尻拭き職人とお尻たちが、
幸せでありますように。

さようなら俺のお尻拭き職人。

結論


ということでもうすぐ卒業っぽいので
書いてみました。

まだまだ拭き足りませんが、
僕のお尻拭きはあと数ヶ月で終了となります!

これから拭く人達は、
悔いのないよう、拭き残しのないよう
楽しんでくださいねー。

初代

2話(未完成)

今日も頑張りましょう。


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