見出し画像

整理回収機構と三宮一貫楼⑫

木曜は仕事(三宮一貫楼)ネタ

↑からのつづきです。

本線の直結としては↑からのつづきです。

整理回収機構(以下RCC)とのお付き合いが始まり、2年が経ったこの頃(平成15年)に一つの区切りがやってきます。

これぞRCCという荒療治を力技で遂行し始めます。

大幅な債務圧縮の手段として、三宮一貫楼本店の土地建物を任意の第三者への売却を打診してきます。

任意と言えども極大回収を使命とするRCCなので、どこの馬の骨とも分からない輩に売却することは避けたい。

善意に基づいたスポンサードを期待できる企業として、これまで何度も助けられた(株)一貫楼本店製麺所が適任ではないかとの提案をしてきました。

※本店製麺所さんには、なみはや銀行から14億円の融資を受ける際にも不足する3億円分の担保提供もして下さっていました。(この時はすでに担保は抜けています。)

本店製麺所さんとしても取引最大手のわれわれを見殺しすることはせず、売買契約はスムーズに進みました。

売買金額は1.4億円。(すべてRCCへ返済)

なみはや融資の1割の金額というなんとも寂しい限りの値段ですが、これにより計り知れない大きな希望が湧いてくるのでした。

すなわち新たな大家さんである本店製麺所さんが、三宮一貫楼本店の建物を本建築に移行してくださるということと同義だからです。

阪神淡路大震災で全壊して以降、苦節8年ようやくこの時がやって来ました。

平成15年6月13日に念願の地上3階建て、現在の三宮一貫楼本店をリニューアルオープンさせるこというミッションをクリアしました。

しかし、これを実現させるためには並々ならぬ苦労もありました。

以前に書いたよう、止まったら即死というデンジャーゾーンに位置していた三宮一貫楼です。

その状態で旗艦店である本店を工事期間5カ月もの間、休業しなければならないことはまさに生きるか死ぬかの瀬戸際、高さ100mにある幅10㎝の平均台を目隠しでダッシュするくらいの危険な試みです。

企てたRCCへの返済はその間は当然ストップ(まぁ銀行じゃないんでね)

本店勤務のメインの従事者を会社都合で一旦解雇して、(すぐに失業手当もらえるよう)6月には戻ってきてもらう根回しをして別れ。

月額取引100万円を超える取引先様には約半年の支払い猶予をいただくためにお詫び行脚。(頭を畳にこすり付けること幾度も)

中でも交渉として一番厳しかったのはやはり取引先様との交渉でした。

支払いをしないのは100%こちらの都合ですから(苦笑)

実際に景気は失われた30年のど真ん中で、今思っても皆さんよく承諾してくれたなと思います。

それだけ本店が建て替わることへの期待と経営陣の必死の思いが届いた結果だとも同時に思います。

ようやくこれで莫大な借金と対等に戦える段取りが整いました。

ここから反撃!?いや実はもう二山ほど越えなければなりません(笑)

つづきはまた次回にでも。

(つづき)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?