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97歳のハローワーク

97歳のじいちゃん。
最近もの忘れが激しくなってきてはいるが
今日も親子丼をモリモリ食べたし、まだまだ元気いっぱいの自慢の祖父だ。

そんなじいちゃんの最近の口癖は

「どこか良い就職先ないか?」

‥これって実はとてもすごいことだと思う。

少なくとも僕の就活時よりも5,000倍は「はたらきたい」という純粋な意欲がガツンと伝わったからだ。

じいちゃんは戦争も体験して、その後故郷に帰り
それこそ死に物狂いではたらいた。
「人から指図されるのは性に合わない」という理由で
自分で起業し、ある程度の成果も残したらしい。

僕が、
「これまでたくさん働いたから、もうはたらかなくて良いんだよ」
とじいちゃんに言うと「なんで?」と返され、全く共感してもらえない。

曰く、
・働かなければ身体そのものが衰えてしまう
・働くとそれに見合った頭や身体ができる
・若いから健康なのではなく、騒げるから健康

・大切なのは「質素」の精神。
・「○○大学卒でございます」と言って、その時点で採用する企業はどこにもない。
つまるところ社会は人間味の勝負。

等々、社会で生きて行くための本質をズバズバと突いてきている気がした。

「85歳以上になるととっくに定年だよなあ‥」と言って凹んでいたじちゃん。
「じゃあ、何か書いてみれば?」
と聞くと「もう書いた」とのこと。すごい!

「何を書こうか色々迷ったが、結局自分の経験を認めることが
一番書きやすいし、説得力がある」
とのことで、自叙伝を書いたらしい。

それを見せてほしいとお願いしたが、
じいちゃんの急に耳が遠くなってしまい教えてもらえなかった。まさかのタイミング‥

ちなみに、今後のじいちゃんの作戦はというと‥
とりあえずどこでも良いから雇ってくれるところがあれば、まずはそこで一所懸命はたらく。
「あれはただのじじではない」と周りに思わることができれば、あとはもうしめたもので
それに見合った環境が自分に追いついてくると。

「はたらきたくて、しょうがない」

「はたらきたくて、しょうがない」

「はたらきたくて、しょうがない」

呪文のように声に出しながら3回書いてみたけれど
特に今のぼくはその境地には至っていないことがわかった。
そんなお盆休み最終日の夜。

それにしても
97歳が自力で稼ぐにはどんなやり方があるだろう。

#じいちゃん #97歳 #ハローワーク #日記 #エッセイ

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