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自由とは誰に与えられるのか? ショーシャンクの空に


独りぼっちの金曜日に

独りぼっちの金曜日の夜、映画を観ませんか?
今夜はあまりに有名な本作を今日はご紹介いたします。
 ※この記事にはネタバレを含みます。未視聴の方は鑑賞してからお読みいただくとより作品を楽しめます。

あらすじ

 1947年、優秀な銀行員のアンディ(ティム・ロビンス)は妻とその愛人を射殺した罪に問われる。無罪ながら終身刑の判決を受けたアンディは劣悪なショーシャンク刑務所に服役が決定する。
 時を同じくして、ショーシャンク刑務所で服役する調達屋のレッド(モーガン・フリーマン)は仮釈放の審査を受けるが却下される。「またか」と落胆し日にアンディ達、新任受刑者が移送される。
 アンディはその日、移送されたに新任受刑者が看守によって殺されたことを知る。

 ある日、アンディはレッドに声をかけ、ロックハンマーを注文する。調達を通して交流を深める。
 囚人同士の性行為の強要による理不尽や、看守の遺産問題を銀行員時代の知識を使い解決するなど徐々に刑務所の生活に慣れていく。

 刑務所の抜き打ち検査や、図書館へ異動で徐々にその生活状況が増していくアンディだが、やがて所長からある依頼を受ける。

心で感じる自由、希望、怯え

「ショーシャンクの空に」の作品は刑務所内で物語が展開されていく。塀、石の壁に汚いトイレ、鉄の柵ばかりに囲まれている。だからこそ、アンディの抵抗という名の自由がより濃く演出される。青空の元で飲むビールや一部看守たちとの信頼関係、州議会から送られてきた古書とレコードなど「音楽と希望は誰にも奪えない」を体現している。
 だが、刑務所内はそうではなかった。新任受刑者を嘲笑していた囚人ですら、看守が登場した瞬間押し黙ってしまうなどヒエラルキーが明確になっている。

対比するふたりの主人公

 希望を口にするアンディに対して、レッドは「塀の中じゃ、その考えは危険だ」と伝える。図書館を作り、若者に高卒認定の勉強を教えるなど塀の中での考えは大きく違っていた。日々の生活に変わりのないレッドと、刑務所の内部から変えていくアンディ。

決定打

 そんなある時、ショーシャンクに新任受刑者たちが護送される。コソ泥を働いた若者はすぐにレッドたちと打ち解ける。更生を望んだ彼にアンディは勉強を教え、やがて高校卒業資格を申請するできるほどだった。アンディの過去を知った彼は、真犯人に心当たりがあると打ち明ける。別の刑務所で知り合った男が話したことがアンディの事件の自慢話だった。アンディはこの話を刑務所長に話し、再審を請求するが不正のことを知っているアンディを逃がすわけにはいかなかった。刑務所長はアンディを懲罰房送りにし、深夜にコソ泥をライフルを構えた刑務官が待つ塀の外に呼び出すのだった。

ジワタネホ

 コソ泥が殺され、懲罰房から出てきたアンディ。対比したアンディとレッドだが、アンディはどこか不吉な希望を伝える。メキシコで余生を過ごしたいというアンディに、レッドは伝える「俺は施設慣れしてしまっている。シャバではうまくやっていけない」。
 そんなレッドにアンディはどこか怒ったように伝える「必死に死ぬか、必死に生きるか」

20年

 レッドはアンディが自殺を考えていると疑ってしまう。嵐の晩、生涯で一番長い夜を過ごすレッド。だが、その心配は杞憂に終わる。
 なんとアンディは約20年かけ、たった1本のロックハンマーで脱獄用のトンネルを掘り切った。雷の音に合わせて下水管を破壊し、刑務所から脱獄したのだ。

希望

希望
 所長の不正を告発し、自由を手に入れたアンディ。だが、レッドは寂しさを感じていた。そんな時、レッドは仮釈放を得る。怯えながらシャバで生活化してくレッド。かつて自分で命を絶った仲間のことを思い出し、自分も塀の中に帰りたいと考えるレッド。だが、アンディとの約束がそれをためらわせていた。アンディの伝言を思い出したレッドは、彼を信じてメキシコへと旅立つ。
 青く、美しい海で浅黒く焼けたアンディとレッドは再会する。作中始めて希望を持てたレッドはアンディと抱擁を交わしたのだ。

自由は誰に与えられるのか? どこから来るのか?

作中常にアンディは常に塀の中でもがき続けていた。対するレッドは自由や希望という考えに対して否定的だ。
 作中でアンディに対してレッドがこう伝える場面がある「憎み、慣れる。やがて頼ってしまう」
 アンディが自由になれた一番の要因は、「慣れず、頼らなかった」からかもしれない。


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