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コロナ禍の出産(夫の視点から)

我が家初めての子どもは2020年コロナ禍真っ只中で産まれた。
一般的な出産がどんな感じかわからなかったが、感染予防のため、あれもできない、これもできないと言われ、周りから「大変だね」と言われたことは記憶に残っている。
私よりも実際に妊娠してる妻の方が大変だったのは当然であるが、聞くことでしか妊娠の状況がわからない夫の視点から右往左往した様子を少し記録に残そうと思う。

妊娠初期

まだクルーズ船での感染、隔離状況がニュースになる前。
妻から生理が来ないと聞き、妊娠検査薬を買って陽性、その週末には産婦人科に向かった。陽性の結果通り、お腹の中で「丸い何か」が育っていることがエコーで確認できた。
正直な感想を言うと、生理が来ないと言われた時から頭がずっとふわふわしていた。
結婚もしていたし、子供も作る気だったので、結果は望まれたものだったが、目の前に重い何かが現実としてのしかかってきた。
ではでは、どこでその重いものが嬉しさに変わったかというと、親族への報告が完了した時です。
妊娠がわかったタイミングで、両家の親にはとりあえずLINEで一報入れました。一報と同時に今度いつ遊びに行っていいか予定を入れて、すぐ直接報告。
親にはいつ子供が欲しいとか話したことはなかったので、かなり急な話だったと思いますが、両家ともに第一声は「おめでとう」でした。(合わせてしっかりしなきゃいけない等、様々なお小言も言われましたが…)
気持ちが前向きになった結果、今後の妊娠生活に思い巡らすようになりました。 
妊婦健診毎回ついてかなきゃとか、つわりの時期どうしよう、家事全部回せるか、仕事の比率はどうしよう等々、これからの私の在り方を考え始めた妊娠初期になります。

妊娠中期

クルーズ船の報道、緊急事態宣言、在宅勤務の推進等、世間の流れが急激に変わり始めた時期になります。
何も情報がない、新規の感染症がこんなに怖い思ったのは初めてだった。自分がかかることよりも、流産はもちろん、胎児に何か後遺症が残ってしまったらという恐怖の方が大きかった。
幸いにも私は会社の理解があり、同居している家族が妊娠している場合には上司の許可があれば無制限で在宅勤務ができた。
妻も公務員に近い仕事なので、本来はできないはずだったが、上司に理解があり、在宅勤務させてもらえることになった。
とりあえず職場由来の感染はなくなり、当初の不安の大部分がなくなった。
結果、スーパーへの買い物、妊婦健診以外、外出することがなくなった妊娠中期だ。

空いた時間、休日なにをしていたのか今となっては思い出せないのが、妻はお昼頃まで寝ていて、私はアマプラを見るか、playstationのサブスクのPS nowに加入して、ずっとゲームをしていた気がしている。
もちろん洗濯、料理等、家事は私がメインでやっていました!(つわり中は、ご飯食べないと言われることが多かったので結局自分の分だけになってましたが…)

妊娠後期

妊娠後期は、夫婦共に在宅勤務でき、生活から感染が遠ざかっていたので、平時の妊娠生活と変わらなかったのでないかと思う。
陣痛の間隔が短くなった気がするという報告を聞いたり、出産前のヨガを横で見守ってたり、会話をしながら、いったいいつ産まれるんだろうかずっとドキドキしていた。
こんなドキドキが予定日まで続き、そして、一週間が過ぎ、出産のための入院をすることになった。
あっという間の妊娠後期。

産まれるとき

コロナの状況が改善することはなく、立ち会いは出来なかった。
病院に朝見送り、促進剤を打っててっきりその日中に産まれるだろうと思っていた。本人もそのつもりだった。
結果3日間寝ずの戦いになったらしい。LINEで苦しみの連絡が昼夜問わずあり、私も寝ずに対応した。立ち会えなかったのでそれくらいしか出来なかった。妻から「今日も産まれなくてごめん」とLINEが届くのが何より辛かった。
もちろん仕事してても手がつくわけがないので、一週間まるまる休んでいた。
この3日間は6時頃に起きて、深夜3時くらいに寝て、起きている間はずっとそわそわしていた。赤ちゃんを連れて帰れるように部屋の掃除をしたり、レイアウトを変えたり、赤ちゃん用のグッズを買い足したり…ということを延々と繰り返していた。
3日目の23:30妻から、分娩台に上がるとLINEがあった。よくそんな状況でLINEできるものだと感心というか、驚嘆しながら出かける準備を始めた。
準備が終わった24時過ぎ妻から産まれたとLINEがあった。ただただ安心した。子どもが無事産まれたという話よりも、妻が健康なまま出産を終えられてよかった。その日はすぐに「もう連絡しなくていいから休んで」と伝え、私は親族全員に個別に(深夜ではあったが)連絡を入れた。
面会は、感染予防で産まれた当日の1時間だけ許されていたので、お昼に1人で病院へ向かった。
変わらない妻とエコーで見たままの子どもを見て、日常に帰ってきた気がした。

おわりに

終わってからわかるが、妊娠・出産は非日常で、産まれてから徐々に日常に戻っていく。
妻は身体が変わるからそれを実感しやすいと思うが、夫は変わらないので実感しにくいのではと思う。
きっと、夫婦ともにずっと在宅勤務ができたことと、妻に体調の変化を毎日事細かく教えてもらえていたのが、私も非日常を実感できた要因だろう。
当然、それは今も続いていて、育児も家事も手が空いていれば自分がやらなきゃと思っている。
育休をとっていた1ヶ月半の期間、仕事との折り合いのつけ方などは、また別の機会に書き溜めようと思う。

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