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子どもの存在が気づかせてくれた私の人生の歩み方

「お子さん3人いるのに、すごいですね」

ここ最近、私がよく言われる言葉です。

「子ども3人分の世話をしながら、本業である会社員生活、さらに転職活動やさまざまなコミュニティ活動にも参加していてすごいですね」という私への労いや肯定的な意見として、ありがたく受け止めています。

確かに、6歳4歳1歳の男児3人と過ごす毎日はハチャメチャでエキサイティング。自分のやりたいことのために時間を工面するには、それなりにパワーが必要です。でも私は「子どもがいるのに」と言われることにちょっとした違和感を持っていました。

この違和感の正体はなんだろう……?

今回は自身の価値観の変遷をヒントに、「なぜ私はこの言葉に引っかかるのか」について考えてみました。

独身~DINKS期、目の前の仕事に精一杯な毎日

私は大学を卒業後、金融機関で働き始めました。
毎日忙しくて、夜遅くまで残業することも多く、目の前の仕事に取り組んでいたらあっという間に数年が経っていました。自分の持っているリソース(時間や体力)をフル投入して、しゃかりきに与えられた仕事にいそしむ日々。休日も、仕事で使う資格試験の勉強に励みました。すべての時間を仕事のために使い、「自分で人生を切り開いていく」生き方なんて、想像したこともありませんでした。

実際、仕事にそこそこ面白さややりがいは感じていましたが、心底やりたいと思える仕事ではありませんでした。なぜなら、ルール運用を自ら改善したり、仕事を通じて新しい発見や気づきがあったり。
そんな仕事を目指していた自分にとっては、現状の単調な決まりきったルールに沿って正確に処理をする事務仕事には物足りなさを感じてたからです。

それでも、「人間関係も円滑で、大きな不満はない。仕事すべてに満足してる人なんかいない、これが自分の仕事なのだ」と自分に言い聞かせながら、毎日をやり過ごしていました。
結婚してからも、生活や価値観が大きく変わることはありませんでした。私が仕事や資格試験に励むことを夫は応援してくれていましたし、私も夫の望むキャリア形成を応援し、互いに支え合ってきました。

料理や洗濯などの家事についても、適度に手を抜きながら、夫婦で分担して対応することができていました。

資格の勉強が一段落した休日は、朝9時くらいに起きて「やっぱり朝早く起きると1日が長くていいねー」なんて言っていました。タイムマシンに乗って、あのときの自分に時間の大切さを説いてやりたい。
自分の持っている時間が有限だということにあまりにも無頓着でした。

過去の私に2時間くらい正座させて説教しなきゃ

子どもが生まれて起きたパラダイムシフト

自由気ままで仕事中心な独身〜DINKS時代を経て、結婚当初から待ち望んでいた妊娠・出産。これが私の人生における転機となりました。価値観が大きく変わったのです。
具体的にどう変化したのか。大きくは2つあります。1つは時間に対する考え方。もう1つは、自分の人生に対する考え方です。

1. 時間に対する考え方

出産して大きく変わったこと。それは、すべての時間を自分のためだけに使えなくなったことです。
子どもが生まれる前は、自分の時間を思い通りに使えていました。仕事するも良し、資格の勉強をするも良し、カフェでゆっくりするのも良し、趣味の読書をするのも良し。

しかし子どもが生まれると、そうはいきません。自分のために自由に使えていた時間の大半が、子どものお世話の時間になります。
子どもが寝ているときも、「子どもの成長ペースはこれで大丈夫なのかな」と心配になって調べたり、「大きくなってきたから新しい肌着を買わなきゃ」「次の予防接種の予約しなきゃ」と、子どもに関するやるべきことに時間を取られたりします。
当たり前のことですが、自分に与えられた時間は有限で貴重なのだと改めて痛感しました。

2. 自分の人生に対する考え方

長男が1歳になったばかりの頃、保育園の入園が決まって仕事に復帰。夕方の早い時間に仕事を切り上げてバタバタとお迎えに向かう日々が始まりました。

保育園は菌やウイルスの社交場。入園前に聞いていた通り、長男も「保育園の洗礼」を受けました。何度も風邪をひき、発熱のたびにお迎えを要請する電話を受けました。

幸い、丸一日呼び出しの電話がなかったとしても、私の仕事は夕方の時間帯にトラブルが起きることが多い業務。自分が担当していたお客さまからの問い合わせ対応を、後輩に引き継いで帰ることもしょっちゅうでした。

長男は、保育園に預けるたびに泣いていました。もともと眠りが浅く、自宅でもかすかな物音で起きてしまう長男。園でのお昼寝では熟睡できず、お迎えのときには眠くてたまらないのか、機嫌は最悪でした。泣き続ける長男をベビーゲートに入れてなだめながら夕食を作って食べさせ、お風呂に入れて寝かしつけ。そのまま長男と一緒に眠ってしまうくらい、毎日疲れ果てていました。

そんなバタバタと慌ただしく過ぎていく毎日の中でふと思いました。

「私、本当にこんな生活がしたかったんだっけ?」
「かわいい子を預けてまで、やりたい仕事なのか?」
「子どもに胸を張って『これがママの人生だ』って言える?」

今までの人生ではじめて、「なぜ働くのか」「どんな毎日を過ごしたいのか」という問いを突きつけられることになったのです。

迷子になってしまった…

もっと好きなように生きていい

大きなパラダイムシフトに直面した私は、現状の生活やこれからの人生にモヤモヤとした気持ちを抱くようになりました。
 
何かヒントになることはないかと、本を読んだり、Voicyを聴いたり、SNSに登録したりと、まずは情報収集をすることにしました。本やインターネットから得る学びは大きかったのですが、インプットだけだといまいちピンとこない部分もありました。自分の体感が伴わず、モヤモヤが晴れなかったのです。
 
そこで、自分でも行動してみようと思い立ちました。SNSでの発信や、コミュニティへの参加など。自分の好奇心のおもむくまま、小さなアウトプットを積み重ねていきました。小さな行動の詳細は、こちらのマガジンに書いています。

実際に行動してみると、今まで苦手だと思い込んでいた新しい環境や、明確なルールがない自由度の高い場でも楽しめる自分がいることに気づきました。もともと好奇心が強く、新しいことを知りたいタイプだったことを思い出したのです。

SNSやVoicyなどの音声プラットフォームへの参加は、もう1つ、大事な気づきを与えてくれました。

SNS・Voicyで参加したコミュニティでは、主体的に自らの人生を開拓している人たちにたくさん出会いました。彼らは自分の好きなことや考えを発信したり、さまざまなコミュニティで自身のやってみたいことに挑戦したりしていました。

そして彼らの大半が、はじめから自分の希望通りの人生をまっすぐ突き進んできたわけではありませんでした。失敗や思うようにいかない苦難もありながら、それすらも楽しんで生きていたのです。

私は今まで失敗したり、良いとされる道から外れたりすることを恐れ、いわゆる「優等生」として人生を歩んできました。

でも、自分の「やりたい」「知りたい」に素直に従い、行動を積み重ねることによって、本来の「好奇心旺盛な自分」に何年かぶりに再会したのです。そして、主体的に人生を生きる人たちと出会うことで、「そっか、もっと人生を楽しんでもいいんだ!」と心の底から思えるようになりました。

そうだった!思い出したよ!

「子どもがいるのに」じゃなくて「子どもがいるから」

今までと違う生き方をしても大丈夫と思えたのは、どんなことがあっても味方でいてくれる夫や子どもたちがいるからだと感じています。

夫は、ときに厳しく鋭い指摘やツッコミを入れてくることもありますが、私の活動を温かく見守ってくれています。新たなチャレンジにも「やってみたら?」と背中を押してもらえることに感謝しています。

子どもたちは、母である私が失敗することがあっても、きっといつも通り変わることなく受け入れてくれるでしょう。
実際、普段から忘れっぽくてドジな私に「ママ忘れないようにまた後で言うね」とか持ち物やタスクのフォローをしてくれたり、すぐ転ぶ私に「だいじょうぶ?」とをいつも温かく声をかけてくれています(笑)

私は「子どもがいるから」やってみたいことにチャレンジできるのです。だから、チャレンジしている私を褒める言葉として、「子どもがいるのに」と言われることに違和感があるのだと気づきました。

自分の興味・関心に沿って素直に行動すること。失敗したって命を取られるわけじゃない。大きな方向性は決めつつも、その場での出会いやおもしろいと思ったことを楽しむ姿勢を大事にすること。やってみて自分に合わなかったり、うまくいかなかったら、またやり直せばいい。

そんな覚悟としなやかさをくれたきっかけは、子どもたちの存在でした。

子供たちが自分の将来を考えるようになった頃、「うちの母さん、なんか楽しそうにやってんな」と思ってもらえたら、私の人生としても、子育てとしても大成功です。母親である私が、毎日を主体的に楽しんで過ごす姿を子どもたちに見せ続けていきたいです。

お祭り騒ぎのような子どもたちとの毎日ですが、その存在に感謝しつつ、肩の力を抜いて、これからの人生を楽しんで歩んでいこうと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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