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スカイリムプレイ日記~狩人ちゃん~ #77

こちらの続きです


リフテン水産

 依頼されていた研究用のマッドクラブの幼生を捕獲し、ヴィリヤさんに渡しました。
「ありがとう。お前のおかげだ」
 ヴィリヤさんはリフテン水産の鍵をくれました。いつでも出入りしていいそうです。養殖が軌道に乗れば、そのうち美味しい蟹肉をご馳走してもらいましょう。

お役に立ててなにより。

「釣りの仕事が必要な人を知っていますか?」
 ヴィリヤさんはまた依頼書を渡してくれました。それはファルクリースにあるグレイブ調合薬店のザリアさんが発行したもので、「ガラスフィッシュ」を求める旨が書かれていました。ガラスフィッシュなら過去に何度か釣りあげたことがあります。釣り場を見つけ次第トライしてみましょう。

覚えておきましょう

イヴァルステッド

 次にやってきたのはイヴァルステッドという村です。ここに来るのは初めてですが、目的は宿屋。リフテンのブラック・ブライアの酒醸造所で出会ったロムリンさんから、横流ししているハチミツ酒を配達するよう頼まれているのです。

 初めての土地ということもあり、到着したころにはすっかり日が暮れていました。どんなロケーションなのかもよくわかりません。

宿屋発見!

 宿屋の扉を開けると、店主が元気よく声をかけてきました。
「ヴァイルマイヤーにようこそ。何か用があったら知らせてくれ」

普通の宿屋だ

「ロムリンさんからの届け物です」
 私がそう伝えると、店主のウィルヘルムさんの顔色が変わりました。周囲を見渡し、小声でたしなめました。
「わかった、声を落としてくれ。この神聖な場所全体に聞かれたいのか?」

神聖な場所?

 こそこそと取引を終え、ファルカスさんと遅い食事をとっていると、カウンターで店主と従業員が何やらもめ始めました。
「まったく、リンリー!あそこには近づくなと言っただろう!」
「ごめんなさい。好奇心でつい…話を信じていなかったの。もうあそこへは行かないわ」
「そうしろ。君の安全を守ると約束しただろう。俺は約束を破ることはしない」

なんだ?

 聞き耳を立てるでもなく聞こえてくる情報から察するに、どうやらこの村の墓に何かあるようです。
「さきほどお話しされていたようですが、墓がどうしたんですか?」
 私が訪ねると、ウィルヘルムさんは心底鬱陶しそうにため息をつきました。
「これ以上話すことはない… 亡霊に取りつかれているから近づかない方がいい」
「亡霊?」
「俺はこの目で確かに亡霊を見た事がある。それに睨みつけられた時、俺の魂まで一気に焼き尽くされたんだ」
 私も亡霊を見た事がありますが、魂まで焼き尽くされただなんて、そんな恐ろしい体験はしたことがありません。そんな亡霊がうろついていたら、住民の人々はおちおち生活できないでしょう。
「亡霊は町全体を苦しめているのですか?」
「幸いなことに、奴らは墓から離れないようだ。たぶん見張っているんだと思う。当然、俺の仕事にとっちゃなんの助けにもならないがね。誰が亡霊の出る墓の近くに部屋を借りたいと思う?」
 確かに、ただの亡霊ではなく危害を加えてくるものは、もはや脅威です。
「調査してみましょう。そういうのは得意なんです」
 ウィルヘルムさんはあまり期待していないような表情で「できることがあるなら、何でもやってくれ」と投げやりに言いました。

やってみます

「ところで、今まで他に墓を調査した人はいたのですか?」
「一、二年前に、ウィンデリスとかいう名前の男がやってきたよ。トレジャーハンターみたいなことをしてるって言ってた。たった今警告したように、彼にもそこには行くなと忠告したんだがね。次の日の晩、墓から悲鳴が聞こえて、それっきりさ。彼の姿を二度と見ることはなかった」

ふーむ。

 自称トレジャーハンターのウィンデリスさんに一体何があったのでしょう。そして亡霊の正体とは…気になります。

 とにかく調査は明るくなってから行った方がいいでしょう。この村も色々見て回りたいですし、今夜は宿に部屋を借りて休むことにします。
「おやすみなさい」
 ファルカスさんとあいさつして、布団に潜り込みました。



目が覚めて、しっかりと休息をとれたことを感じました。
しかし、なんだか妙です。宿の部屋では常に蝋燭の明かりと絶えない火の温かさを感じるはずなのに、ここは冷たく、深い闇が視界を覆っています。

 体を起こし周囲を見渡します。暗闇に慣れていない目が周囲の状況を映し出していき、どうやら私は板床の上に寝ていたらしいことがわかりました。そしてここは10Gで借りたあの宿の部屋ではない、ということも。

??

 やがて光源を見つけ、そこに人影を認めました。いまだ焦点の合わない目でそれをじっと見つめると、だんだんと輪郭がはっきりしてきました。

???

「何?ここはどこ!?あなたは誰?」
 私の問いかけに、女の声が答えました。
「それは重要かしら?こうして安全な場所で…生き延びることが出来ている。グレロッドについて言えることは以上よ、違う?」

グレロッド?

 女は確かにオナーホール孤児院のグレロッドの名を出しました。私がアベンタス少年に依頼され、殺害した老婆です。

 私が犯人であることは、子供たちとコンスタンス・ミシェルしか知らないはずです。もちろん口外されることはないなどと都合のいいことは考えていませんが、今のところリフテンの衛兵からなんの疑いもかけられていません。

「…知っているんですね」
「そんなこと、もうスカイリムの半数が知ってるわ。老女が孤児院で殺されたなんて話はすぐに広まるものよ。誤解しないで、批判している訳ではないの。あの老女の死は自業自得よ。あなたは子供を助けた。でも少しだけ…問題があるわ」

問題?

「小さなアレティノは闇の一党を探していたのよ。私と私の仲間のためにね。親切者のグレロッドは、闇の一党の仕事だったのよ。殺しのね…それをあなたが盗んだ」

闇の一党?

 なんと、この女は闇の一党の人間のようです。噂には聞いていましたが、実際に目の前にすると、異様な存在感に圧倒されます。
 女は自ら闇の一党の指導者、アストリッドであると明かしました。
「この借りは返してもらうわ」
「借り?他に誰か殺してほしいということですか?」
「あら、おかしな人ね。そんなことを聞くなんて」
 女は今にも笑いだしそうな声で言いました。
「振り向くと、私が招いた客が目に入るはずよ。”集めて”きたの… どこから来たのかは重要じゃないわ。今ここにいる事。それが重要。奴らのうちの一人を殺すのが任務よ。そいつは生きてこの部屋を出られない… 誰がいいかしら?さあ、あなたが選んで」
「私が選ぶ?」
「あなたが選んで、殺しなさい。私はただそれを見て… 楽しみたいの」

変態だ…

 個人的に殺す理由のない人間を選んで殺すなんて。しかもこの怪しい女を楽しませるために。
「こんなイカれたことに付き合ってはいられません。帰してください」
「そう、それは残念ね。でもあなたは気づいてない。グレロッドの命を奪ったとき、あなたはこの”イカれた事”に身を投じてしまったの。自ら選択したことなのよ。自分の行動がもたらした結果を直視するときが来たようね。誰かが死ぬまで、あなたはこの小屋から出られないわ」

なんでやねん

 振り向くと、暖炉の明かりに照らされ、壁際に並んで跪く三人の男女が見えました。全員頭に死刑囚の頭巾を被せられ、顔はわかりません。

なんなんだ…

 あの中から一人を選んで殺さないと、ここから出られない。そんなリストに上がった三人は、一体何者達なのでしょうか。とりあえず一人一人に声をかけていきます。

 まずは高級な服を着た男です。
「誰かは知らんが、とんだ出会いになってしまったな。だが心配するな。なんと、頭から頭巾をかぶせられて捕まったのは今夜が初めてじゃないんだ」
 男はあまり緊迫感のない声でぺらぺらとしゃべり始めました。危機感を感じると饒舌になるタイプなのかもしれません。
「あなたは誰?」
「おお…ヴァシャだ。物を取り、命を奪い、娘たちを汚す者」

クズやんけ

「ヴァシャを知らない?者どもの命じてお前の死体に名を刻ませる事にするか、忘れないように」
 まるでこれから自分が殺されるとは思ってもみないような口ぶりです。
「あなたがここにいるということは、あなたを殺すために、誰かが金を出したということでしょうか?」
「殺す?まさか!本気で訊いてるのか?ふっふっふ。肝心なのは、誰かが金を払って殺そうとしているのかって事だ… もう一度な。はらわたを路上にぶちまけるつもりで殺しに来る奴が、今日も現れなかったわけだ。がっかりだな」
 なんだかよくわかりませんが、恨みを買うことに慣れている様子です。遅かれ早かれ誰かに殺されているような人間なのでしょう。

 続いて、中央にいる女性です。
「誰だなんて、あんたの知ったことか!殺すんだったら、さっさと殺しなさいよ!こんな袋を被されていなかったら、アンタの顔のど真ん中に唾をかけてやるのに」

うひょ

 なんと強気な女性でしょう。おもわず後ずさりしてしまいそうです。
「あなたを殺すために誰かが金を出したようです、心当たりは?」
「え?何ですって?どういう質問なのよ。私は女よ。スカイリムに住んでいて、子供は6人。亭主はいない。愛想よくするだけのゆとりも辛抱もないわ。周りから見下されてる?敵を作ってしまった?その通りよ」
 どうやら元々敵を作りやすい性格のようです。自覚はあっても改善するほどの余裕はなかった、と。お金を出してまでこの女性を殺してほしいと願う人間に理由を尋ねたいところです。

 最後は体格のよい戦士です。
「名前はフルサイム、兵士だ。というか、実際のところ傭兵だな…剣で生計を立ててるのさ。生まれも育ちもスカイリムだ。そうだな…何年間も傭兵をやってきたからな。多くの人を殺した。復讐を狙う奴がいてもおかしくない」

うーむ

 フルサイムは私と同じように、仕事で様々な人の命を奪ってきたようです。私は私なりの正義に基づいて仕事をしているつもりですが、敵にも家族や仲間がいるわけですから、恨みを買う稼業であることは間違いありません。そう考えると彼がこの場に引きずり出され、怯えている様子を他人事のように批評することはどうしてもできないのです。

 さて、この中で誰を殺すか決めることは簡単でしたが、一つどうしても気にかかります。

…ちら。

 闇の一党が気に入らない。

 そもそも、闇の一党には以前喧嘩を売られていました。

  最近襲撃がなかったので忘れていましたが、『アストリッド』という名で思い出しました。暗殺者が持っていた指令所に書かれていた署名と同じ名です。誰かが黒き聖餐を行って私の暗殺を依頼し、アストリッドがそれを受領し、実行させていたのです。暗殺者を倒すことは簡単でしたが、襲撃は何度か続きました。そのたびにドルテの身を案じ、暗殺集団の殲滅を心に誓っていた、あのストレスを思い出すとはらわたが煮えくり返ります。
 その頃はそれが「闇の一党」の仕業だとはいまいち理解していませんでしたが、すべて繋がりました。そしてその指導者であるアストリッドが、ぬけぬけと目の前に現れたのです。さらにあろうことかかつての標的を使い、自分の仕事を”こなさせよう”としているのです。
 まるでこの世のすべてを操ることが出来るかのような顔をして。

 彼女はまるで私を同類かのように語りました。
――グレロッドの命を奪ったとき、あなたはこの”イカれた事”に身を投じてしまったの。自ら選択したことなのよ――
 私は確かに他者の願いを聞き入れ、殺しを行いました。しかしそれは金銭のためではありません。私は、私個人の信条の元に、虐待加害者であるグレロッドをこの世から排除し、被害者である子供たちにつかの間の平穏を与えたいと思い、その最短ルートを実行したに過ぎないのです。
 一方、闇の一党は少年の祈りを、救いを求める幼い手心を無視し続けていました。少なくとも私が彼の噂を聞いた日からかなり日が経っていたのに、全くコンタクトをとっていなかったということは、彼に顧客としての価値を見出さず、見殺しにしていたのです。それなのに「仕事を盗んだ」とは、笑止千万。

 闇の一党は私への襲撃を諦めた時から、私を群れに引き入れるチャンスを狙っていたに違いありません。そして孤児院の件を利用し、私をここで支配下に置こうとしているのでしょう。
 私は確かに”人殺し”です。だからといって似たようなカテゴリの群れに飲み込まれるほど生ぬるい”人殺し”ではないのです。

 私は殺気を消し、なんでもないような所作でアストリッドに向かって矢を放ちました。まったくの無警戒だった暗殺者は、私の矢を受けてずるりと棚の上から崩れ落ちました。

「な、何を!?」

こっちは気にするな

 動揺したアストリッドの叫び声に驚いたフルサイムが、怯えながら「何かまずいことをしたか?」と命乞いをしています。
 アストリッドは赤黒い光を放つ禍々しいナイフを振り回して反撃してきました。それを交わし、もう二発ほど矢を放ちます。

「う…っ」

 アストリッドはあっけなく倒れました。世の中を震撼させる暗殺者とはいえ、闇から出てくれば実力はこんなものでしょう。全能感に支配され、すっかり油断してしまったようです。
 殺生を舐めているからこんな最期を迎えるのです。殺しはお遊びではありません。我々は皆生まれてこの方、常に誰かの獲物なのですから。

ふむ。

 荷物をあさり、珍しい装備品を回収しました。握られていた短剣は血のように赤黒く、鈍く光っています。

いただきますう

 残された三人は何があったのかわからずに怯えていましたが、顔を見られては面倒なので頭巾は被せたままにしておきました。それとは別にヴァシャは確実に悪人のようなので、今後のためにも処分しておきました。

 小屋を出ると、ファルカスさんがナーブシャターを振りかぶり、今にも扉を破壊しようとしているところでした。彼も眠ったままここに連れてこられ、小屋の外に放り出されていたようです。
「お、おおお!大丈夫か!?」
「はい。とにかくここを離れて通報しましょう」
「通報?おいおい、一体何があったんだ?まったく、わけがわからないぞ」
 私はファルカスさんにもわかりやすいよう、事の顛末を丁寧に説明しながら、ソリチュードへ向かいました。

心配かけましたね

ソリチュード

 ソリチュードに着いて最初に出会った衛兵に、闇の一党の指導者を倒したことを報告しました。
「なんだって?」
 衛兵はあっけにとられ、やがて事態の深刻さを把握したのか神妙な顔つきになりました。
「なんてこった。冗談じゃないのか。すぐにマロ指揮官に報告してくれ。ドラゴン・ブリッジのペニトゥス・オクラトゥス基地にいる」

ほう

 なんだか大事になってしまったようです。あの小屋の死体をそのままにしておくわけにもいかないので、すぐにその『マロ指揮官』の所へ向かうことにしました。

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