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スカイリムプレイ日記~狩人ちゃん~ #98

こちらの続きです


『善意』②


 ノルド遺跡サールザルの深部から謎のエネルギー球体が発見され、それをウィンターホールド大学移送させた直後、100年近く行方不明となっていたはずだった謎の魔術師教団『サイジック会』の人間が現れ、なぜか私をご指名してきました。とんでもない思惑に巻き込まれている予感ビンビンの中、サルモールからの公然たるスパイ、アンカノに連れられ、客が待っているアークメイジの居住区へ向かいます。

「君には件の…”クアラニル”と名乗る僧兵と話してもらい、なぜここにきたのかを聞き出してもらう。その後、彼を大学構内から追い出す」
「クアラニル?」

エネリンじゃなく?

 サールザルの地下で現れた男は『エネリン』と名乗っていたはずです。彼とは別人ということでしょうか?

 予想外のことにどぎまぎしながら、アンカノのアークメイジ居住区へやってきました。白いローブを着た男と、アークメイジのサボス先生が対峙しています。

あの人か…

 部屋の中に入って、クアラニルさんと目があった瞬間、視界から色が失われ、クアラニルさんと私以外のすべての時が止まったように動きを止めました。サールザルの地下でエネリンさんが現れた時と同じ現象です。
「どうか警戒しないでほしい。危害を加える気は一切ない。とにかく話がしたい」
 クアラニルさんが話しかけてきます。

またこれか

 どうやらこの人も、私にだけ伝えたいことがあるようです。

「ようやく内密に話せる機会を得られたな。しかし、あまり長くは話せない。手短に済まそう」
 これは幻惑魔法でしょうか?戸惑いは抑えられませんが、相手の話を聞くことにします。
「大学は現在、非常に切迫した状態にある。お前に接触を試みようとしていたのだが、これまではそれが叶わずにいた。その原因は、我々が抱えている問題の根源でもある。いわゆる…”マグナスの目”と呼ばれている物だ」

マグナスの目?

「アレから放出されているエネルギーは、我々がお前に接触を図る障害となっていた。お前がすでに見たあの幻のせいだ」
 あの球体は”マグナスの目”という名で、あの幻というのはエネリンさんのことでしょうか?エネリンさんが現れて私に警告をしたことで、マグナスの目がサイジック会の人間と私の接触を邪魔した。だからサイジック会の人間がわざわざここまで姿を見せることになってしまった…そういうことなのでしょうか?

「アレがここに長く留まるほど、それだけ状況は危険になっていく。だからこそ、何か手を打たなければならないと自ら伝えに来たんだ」
「それなら、そちらで早く手を打ってくださいよ。なぜわざわざ私に?」
「話はそう簡単じゃない」
 クアラニルは暗い表情で続けます。
「サイジック会は通常…問題には直接介入しない。それは理解してほしい。自分がここにいる事を、会の一部の者は反逆行為とみなすだろう。そのため、成すべき事を終えたら、すぐに大学を離れるつもりだ」

そんなに怒られること?

 マグナスの目が危険だと外部に警告することすら、サイジック会にとってはご法度だなんて。一体どんな理屈に基づいているのでしょう。自分達さえよければそれでいいという、かなり自己中心的で世間とは隔絶した考え方が主流なのでしょうか。歴史上、力を政治利用されてきた組織が選んだ最終的な自己防衛、というところでしょうか。社会と完全に離れ、純粋に自分達の研究や学問を優先するため、拠点となる島ごと姿を隠し、世界情勢を傍観している――それでも放っておけない状況だと判断したこの人は、こうして行動したということですね。

「ここに来たことで疑念を生んでしまった事は十分承知している。特にお前のサルモールの仲間、アンカノにとっては」
 仲間ではありませんが、たしかにものすごく勘繰っている様子でした。それをわかっていながらもこの人は私に何か手を打たせるため、こっそりここまで来てくれたのですね。
「それでも、会が直接行動を取る事はない。つまり、お前が何とかしなければならないということだ」

なんで??????????

 この理屈がよくわからないのですが、とにかく私が何とかしなければならないようです。
「そもそも、何が一体危険なんですか?」
 マグナスの目が普通ではないことはわかりますが、今のところ特に害があるように見えません。
「すでに分かっているとは思うが、あの目は…強大な力を持っている。この世界はアレを使いこなす準備ができていない。ここに置いておけば、悪用されるだろう。事実、会の多くの者は既に…いや、まもなく何かが起きると考えている。避ける事のない何かが」
 なるほど。問題はマグナスの目が誘発する、人間の欲望ということですか。
「お前には事後の収拾に力を注いでもらわねばならないと考えている。だが、何が起こるかは想像もつかない」

 いや、ですからその採用にエントリーシート送った記憶がないんですよね。サールザルの封印解いたから?逆に今まであんなゆるい封印解いた人いなかったの?ノルドの墓地の石くるくる回す仕掛け扉の方が難しいのだが?
 しかし、ここまで来ると責任の一端を感じずにはいられません。

「事後の収拾ですか…具体的には何をどうしたら?」
「既に会の一員としての一線を踏み越えてしまっているかも知れない。だが、頼みがある。この大学内で”ダンレインの預言者”を探し出してほしい。彼の面識は、我々のものに近いだろう」

だれ??

 サイジック会と同等の思考を持つとされるダンレインの預言者。そんな人物がこの大学に?
「かつてはこの大学の学徒だったんだ。今は…どうも変わってしまった」
「その人はどこにいるんですか?」
「さあ…確かな事は分からない。大学内のどこかにいるはずだ。お前の仲間の誰かが居場所をしっているはずだ。すまないが、それ以上の事は教えられない。こうして話をしただけでも多大な労力を費やしたんだ」
 どうやら時間切れのようです。
「悪いがここでお別れだ。引き続き、導き役として最大限の力を尽くそう。うまくいくかはお前次第だ。そのことを忘れるな」

 次の瞬間、視界に色が戻り、サボス先生の声が聞こえました。
「すまない。何か言おうとしたか?」

はっ

 やはり、我々の会話の間は時が止まっていたようです。
「間違いだったようだ」
 クアラニルさんはそう言って退出しようとしましたが、アンカノが立ちはだかりました。
「これは何のつもりだ?隠し立てをするな。大学のとある在籍者に会いたいと言ったのはお前だろう。さあ、彼女はここだ。一体何をしに来たのだ?」

ごまかせないか

「誤解があったようだ。明らかにここに来るべきではなかった。立ち去るとしよう」
「なに?これは何の真似だ?お前が何を企んでいるのかわかるまで、どこにも行かせんぞ!」
 珍しく声を荒げるアンカノに対し、クアラニルさんは冷静に言い返します。
「何も”企んで”などいない。気分を害したというのなら謝る」
 アンカノは口惜しそうに歯噛みして「覚えていろよ…」とうなるように呟きました。
 『目的を聞き出したら大学を追い出す』と息巻いて、いざ煙に巻かれると隠し切れないほど逆上してみせる当たり、サイジック会にあまりよい印象を持っていないようです。

 クアラニルさんは混乱するエルフたちを残してその場を立ち去りました。
「わからない…どういうことなのか。サイジック会の僧兵がふらりと…一体何年ぶりだろう。結局何をするでもなくかえってしまった。何か失礼をしたのでなければいいんだが」
 大いに戸惑っているサボス先生に、すっとぼけながら「あの人はなんと言っていたんですか?」と尋ねると、肩をすくめました。
「ただお前に聞けという以外に何も言わなかった。まったくもって不可解だ」
 それは確かに。なぜサボス先生ではなく、私なのか。彼らはサボス先生のこともあまり信用していないのでしょうか?
 ついでにダンレインの預言者について聞いてみることにしました。
「トルフディルはまたその話を蒸し返したのか?世間話に持ち出すような事柄ではないとあれだけ釘を刺しておいたものを…今後はその件に触れようとしても相手にしないでくれ」

はあ…

 サボス先生はダンレインの預言者について話題にもしたくないようです。苦々しい顔であしらわれてしまいました。
 ダンレインの預言者。かつては生徒だったという話でしたが、一体何者で、この大学のどこに潜んでいるのでしょうか?

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