見出し画像

スカイリムプレイ日記~狩人ちゃん~ #47

こちらの続きです

『黒き星』①


アズラの祠

 新しい旅先としてウィンターホールドを探索してみようと思っていたところ、山の上にアズラの祠があるという噂を聞き、さっそく向かうことにしました。
 アイスウルフやホラアナグマを退治しながら険しい雪山を登っていくと、見上げた先に巨大な女神像が見えてきました。

でけ~

 わざわざこんな場所にこんな大きなものを建てるなんて、アズラ信者はずいぶん気合が入っていますね。

でけ~

 長い石の階段を上った先で、ダークエルフの司祭が一人で祈りを捧げていました。

こんにちは

 声をかけると、司祭は驚く様子もなく静かにこちらを振り返り、話し始めました。
「私はアラネア・イエニス。旅人よ、アズラはあなたが来ることを知っていたわ。好奇心じゃなくて運命が、あなたをここへと導いたのよ」
「知っていた?どういうことですか?」
「アズラは予知の才能を与えてくださったわ。あなたがこの祭壇へと続く階段を上ってくる場面を、あなたが生まれるよりずっと前にみたの。あなたはアズラの戦士に選ばれたのよ」

アズラの戦士!?

 そのパターン、メリディアの時にもありましたよ。デイドラの女王は勝手に戦士を選出しがちなのでしょうか。
「心配はいらないわ。すべてはアズラの預言どおりに進んでいくから。アズラは暁と黄昏の女神。未来の黄昏を見通して信者を導くの」
「はぁ、そうですか…それで、アズラは私に何をしてほしいと?」
「要塞に向かいなさい。かなり浸水しているけれど、まだ大丈夫よ。要塞に入ったら、最も明るい星を闇夜のような漆黒に変える事のできる、エルフの付呪師を捜して」
「浸水している要塞、ですか?」
「謎めいているのは確かだけど、アズラの預言が間違うことは決してないの。要塞というのは、ウィンターホールドの事だと思うわ。エルフの付呪師を知っているかどうか、彼らに尋ねるのよ」
 そういえば、ウィンターホールドはかつて『大崩壊』で大規模ながけ崩れに見舞われ、多くの土地を失ったという話を聞きました。星を漆黒に変える、という言葉については見当もつきませんが、街に下りて話を聞けば情報を得られるかもしれません。

「ところで、アラネアさんはお一人でずっとここへ?」
 こんなに立派な像にも関わらず、他に信者も僧も見当たりません。
「ええ。最初は他の者もいたけれど、アズラの予言が全員の信仰を試したの。彼らは一人ずつ去って行ったわ。未来を知ることを恐れてね」

 アラネアさんによれば、この祠は200年前にダークエルフによって建てられたものだそうです。
 アラネアさん達ダークエルフは、かつてモロウィンド地方のヴァーデンフェル島で暮らしていましたが、島の火山が噴火したことでスカイリムに避難してきました。アズラを信仰していた者たちは預言を得て、最悪の事態になる前に島を離れることが出来たため、この祠を建てることでアズラへの感謝を示したのです。そして彼女が見守っていることを誰もが忘れないように、と。
 
 アラネアさんは言います。
「私は祠を離れるわけにはいかなかった。アズラの瞳は授けられたもの。アズラは悲劇や争いや死を、それが起こる前に警告してくれるの。彼女の導きを手放したくはないわ」

根性あるなぁ

 これほどの像を建てた信者がほとんど去ってしまうということは、よほど耐え難い未来を見せられることもあったのでしょう。その預言の中に私の存在があった――ということは、なんだかまた面倒なことに巻き込まれてしまったような気がしてなりません。
 アズラの目的はまだ全く見えませんが、とりあえずウィンターホールドへ行ってみましょう。
 

ウィンターホールド

 噂話を聞くならまず宿屋です。店主に『星に詳しいエルフ』について尋ねてみました。
「魔術師なら大学にいる。彼らに聞くといい。中に入れたらな…いや…待てよ。ネラカーなら知っているかもしれない。大学の古株だが、ここに下宿してるんだ」 

ネラカー?

 部屋を訪ねると、以前初めてここに訪れた時に、実験に失敗したせいで部屋を汚したか何かで怒られていたハイエルフの魔術師が休んでいました。彼がネラカーさんのようです。

「何か用か?」
「あのー、星に詳しいエルフの付呪師を捜していまして」
 ネラカーさんは眉をひそめ、こちらを警戒するように睨みつけてきました。
「誰に頼まれた?大学か?首長か?これ以上、何も問題はないという事で意見は一致したはずだ」
「アズラの司祭です」
「アズラだと?クソ、ついにこの時が来たか。またつきまとうつもりだろう」

おやおや、何か知っているようですね

 ネラカーさんは苦虫嚙み潰したような顔をしながらも、やがて観念したように話し出しました。
「…魂石について何を知っている?」
「魂石?それこそ、付呪に使うものですよね」
「そうだ。ただ、使うと壊れてしまう。あれはもろい石なんだ。あるひとつを除いてだが――それが『アズラの星』だ。無数の魂を取り込めるデイドラの秘宝さ」
 ほう、無限に使える魂石とは、付呪師にとって非常に便利なアーティファクトですね。まるで『白き小瓶』のような話です。
「我々は、その方法を解明したかった。その頃、自分はメイリン・ヴァレンのもとで研究をしていた。あの時、彼の真の計画を知っていれば…」

真の計画?

「メイリンは星を変えたがっていた。病気で死にかけていたんだ。そこで、自分の魂を星に入れようと考えた。不死身になるために」
 自分の魂をアズラの星に取り込んで、不死身に?それは不死身という表現で合ってるのでしょうか?
「星を変える、とはどういうことですか?」
「星が魂石になるには守られるべきルールがある。ひとつは決して劣化しない状態にあること。そして、下等な生物に宿る白き魂しか入れないことだ。アズラの魔法のせいで黒き魂は入れない。定命の者であるメイリンの魂は黒い。彼の研究は、アズラのルールを打ち破り、星に黒き魂を取り込めるよう変えることだった」
 あくまで個人的な感想ですけれど、デイドラの秘宝のルールを破ろうとするなんて、長生きしようとする人間のすることではないと思うのですが。キレさせるとかなり面倒ですよ、あのひとたち。

「それで徐々におかしくなった。アズラはオブリビオン内の領界全体を操っている。つまり普通のデイドラではない。メイリンは星にかかりきりになるほど、その影響を受けやすくなった。実際に見えていないものが見えるようになり、学徒達が言っていない言葉に対して大声で叫び返すようになった。そしてある日、自分が研究室に入ると…メイリンが学徒を殺していた。恐ろしいことに、学徒の魂を研究に利用していたんだ。最終的には大学から追放されて、数人の忠実な弟子たちと共に『イリナルタの深淵』に姿を消したんだ」

 ひどい話です。そんなことをしておいて追放で済むとは、大学もずいぶん生ぬるい処分を下しましたね。もしかして、事件を公表していないのでしょうか。大学の人間がそんな事件を起こしたなんて知られれば、ただでさえ深い溝がある地域との関係に大きな打撃を与えることになりかねません。
 あるいは、精神を病んだことにより責任能力は無いと酌量されたのかもしれません。追放されたメイリンが今どうしているのか、気になります。
 

「ネラカーさんは今も大学に残っているのですか?」
「いや、違う。もう何年も前の話だ。しばらくウィンターホールドを離れていたが、今はここに下宿している。まだやるべき研究があるから戻ってきた。ここにいれば昔の仲間とも連絡をとることができるからな……それで、お前はアズラの星を取りに行くつもりなのか?」
「そうですね。とりあえずその『イリナルタの深淵』に行ってみるつもりです」
 私がそう答えると、ネラカーさんは鋭い目をこちらに向けました。
「いいか、誰に星をみつけるよう頼まれたか知らんが、アズラには持ち帰るな。デイドラは悪魔だ。奴らが、メイリンがおかしくなってしまった元凶なんだ。アズラの復讐のせいで、どれだけ罪なき人々の命が奪われたかわかるか?」

いやーそもそも私利私欲のためアズラに喧嘩を売ったせいでは

「デイドラの前に我々は無力だ。利用され、おだてられ、都合が悪ければ処分される。まるでチェスの駒だ――そうなりたくなければ、アズラの星を手に入れ次第ここに戻ってこい」

 うーん。信憑性の高い情報はいただけましたが、ネラカーさんもかつてアズラの星の改造に加担していたと考えると、彼自身を信用できるかどうかは怪しいところです。
 もちろんアズラはデイドラ王ですから、厄介であることは重々承知ですが、だからといってネラカーさんにその秘宝を預けられるかといえば、全くの別問題なわけで。
 そもそも「アズラの戦士」などと言われながら、最初から使いっ走りにされているのは承知の上。気にせずにアズラの依頼をこなしましょう。

本棚からデイドラ王についての本を拝借しました

次へ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?