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スカイリムプレイ日記~狩人ちゃん~ #58

こちらの続きです

ファルクリース

 まだ立ち寄っていなかった街、ファルクリースへやってきました。深い山に囲まれてはいますが、以前リョーンの太鼓を回収する仕事で近くまで来ていたので、道のりは順調でした。
 立派な城壁を目印に坂を下っていくと、門番の衛兵が近づいてきました。

おん?

「外でイヌを見たか?」
「イヌ?いや、オオカミは見ましたが、イヌはいませんでしたね」
「そうか。鍛治屋が道で見たイヌに賞金をかけたんだ。お前がみていればと思ったんだが…見張りを続ける。ここにいる間は面倒に巻き込まれないようにな、よそ者」

はーい

 イヌ?懸賞金をかけてまで欲しいだなんて、よっぽど可愛らしいイヌなのでしょうか。それか危険な野犬だから駆除したいのか…あとで鍛冶屋に寄ってみましょう。
 それにしてもファルクリースはこのあたりの首都という話ですが、リバーウッドを少し広くしたような村としか思えません。森に囲まれていることもあり、非常に静かで穏やかです。

 第一町人の女性に声をかけますが、なんだか機嫌が悪そうです。ただ挨拶をして鍛冶屋の場所を聞こうとしただけなのに、暗い声で「ファルクリースに厳しい目を向けないでください。みんな戦争で辛い目にあっているんです」と言われてしまいました。
 このあたりで激しい戦闘でもあったのでしょうか?そんな雰囲気はありませんが、来て早々、どうにも不穏な気配です。

はぁ…

 気を取り直して進んでいくと、鍛冶屋を見つけました。職人にイヌの件について尋ねようと近づくと、相手の方から話を振られました。
「野良の猟犬を見なかったか?毛並みが良くて立派な図体をした奴が、町の近くをうろついてるんだ」

あー

「ゲート前の衛兵から聞いてますよ。賞金をかけているんですって?」
「門番たちに探してくれるように頼んでおいたんだ。自分で捕まえる暇はないが、ああいう獰猛で忠実な獣をお供にするのも悪くないからな。捕まえてきてくれるなら新鮮な肉を渡すから、それで釣るといい。うまくいったらいくらか包むよ」

覚えておきましょう

 鍛冶屋のロッドさんは、さきほどの女性と違って明るい人です。少し安心しました。彼は『デンジェール』という人の身辺警護を何年も務めた経歴があるそうで、危険な場面も一度や二度ではなかったとか。
「生粋のノルドは忠誠と名誉を何よりも重んじる」
 今はもう引退して鍛冶屋として身を立てながら胸を張ってそう言えるなんて、よほど忠義を重んじる人のようですね。

そうかー

「それにしてもファルクリースは平和な場所のようですね」
 私がそう言うと、ロッドさんは肩をすくめました。
「城壁の内側はね。ファルクリース要塞の大部分は未開の原野だ。外では厄介事が絶えないのさ」 
 たしかにここへ来るまでの道中、熊やオオカミ、トロールにも襲われました。これだけ山深いと山賊も潜伏しやすいですし、危険は多そうです。

そうですか

 大きな製材所があったので立ち寄ると、ノルドの男性から露骨に嫌味を言われました。とても感じが悪い人です。せっかくロッドさんと普通に会話できて安心していたのに、またも気分を害してしまいました。

なんやねん

 無礼な製材屋のせいで嫌な気持ちにはなりましたが、宿を見つけたので休んでいくことにします。宿付き吟遊詩人のデラコートさんに一曲お願いしました。

がんばってくださいね

 宿の店主ヴァルガさんにこのあたりの噂話を聞くと、この辺りで行方不明事件が頻発しているという話を聞くことができました。狩人のグループまでいなくなってしまったそうです。同業としても心配です。
「旅をしているなら、連中を探してくれない?ヴァルドルと、その手下よ。熊を追って北へ向かったはず」

覚えておきます

 食事をとって部屋へ案内してもらうと、なぜかベッドにはデラコートさんが…ヴァルガさんは当然のようにこの部屋を使うよう言いますが、とても嫌なんですけど…

いやいや

 どんなにゆすっても殴っても起きてくれなかったのですが、どのみちウェアウルフの血のせいでよく眠れないですし、アエラさんもいるので、そのままにして就寝、特に何もなく朝になりました。

添い寝サービス?

 食事をとっていたタジェールという兵士と少し会話を交わしました。このファルクリースは墓場として有名なのだそうです。

墓場が有名とな…

「ちょうどなじみの戦友ベリットを立派な火葬で葬ってやったところだ。あの石頭は冷たい土の中にすてられるのを嫌がってたからな。遺灰をアーケイにいるルニルという司祭に渡してくれるか?あいつはベリットの魂にぴったりなお祈りをしてくれるだろう」

いいですよ

 タジェールさんから受け取った遺灰を手に町を散策します。目的はアーケイの司祭ですが、首長の長屋を見つけたので、挨拶がてら訪問しました。

おじゃましまーす

 長らく放置していましたが、ファルクリースの首長から手紙をもらっていたのです。なんでも条件を満たせばここの土地をもらえるとか――

 すでにソリチュードに腰を据えているので土地に興味はありませんが、人脈は大事にしておいた方がなにかと便利です。

 首長の長屋は、モーサルと同じくらいの規模でした。玉座に座る首長シドゲイルは、少々高飛車な態度が見える、首長にしては若い男です。
 始めは胡乱なものをみる表情で私を見下ろしていましたが、手紙を見せると「あぁ、君がそうか」と声を明るくしました。
「では噂どおりの人物かどうか、ちょっと確かめようじゃないか」

ほう

 シドゲイル首長からの依頼は、いままで秘密の取引をしていた山賊の討伐でした。
「当初は私の取り分も悪くなかったが、そろそろ清算したいのだよ。君が片づけてくれないか」

なんか悪いやっちゃな

 理由はどうあれ山賊の討伐は悪い事ではないので、引き受けることにします。マルカルスのように、賊と権力が絡み合っている例は珍しくありませんしね。
 
 それにしても若い首長です。興味本位でその座についた経緯を聞いてみると、快く教えてくれました。
「おじのデンジェールが最近まで首長だった。老いて身体の衰えを感じてきたから、身を引いたってわけさ」

デンジェール…

 デンジェールさんは鍛冶屋のロッドさんが護衛していたという方ですね。首長をやめられたので、ロッドさんも引退したのでしょう。
「おじは現在、従士を立派に務めている。そしてこの要塞の利益を最大限に考え、自分が首長になったんだ」
「そうなんですね。経験がないと大変じゃないですか?」
「大変だって?こっちは首長だ。肉汁したたる肉を食べ、最高級のビールを飲み、犬舎でトップクラスの猟犬を使って狩りをする。その間、とびきり優秀な執政が平民の要求を聞き、ここの運営がスムーズに運ぶようにしている。首長の暮らしはこの上なく簡単だ。いつか試してみるといい」

ほえー

 なかなか言いますねぇ。
 話を聞いていると首長自らストームクロークを批判したり、帝国軍の特使が常駐していたりと、ここは現在帝国派に属していることがわかりました。この余裕のある態度は帝国軍が優勢であるという自信から来ているのでしょうか?実際の戦況はよく知りませんが、そう思わせるほど食えない空気を持つ男です。

自由の代償か…

 首長との謁見を終えた後、とびきり優秀な執政と評価されているハイエルフのネンヤさんと話ができました。ネンヤさんは先代の首長デンジェールさんが任命して以来執政を務め、やがてデンジェールさんが病気になり、シドゲイル首長が後を継いだ現在も引き続き執政として腕を振るっているそうです。「その方が楽だからよ」と謙遜しますが、彼女の手腕が若い首長を支えているのでしょう。

へー

「シドゲイルはろくに話を聞かずに行動するときもあるけれど、ヘルヴァルドと私の話はちゃんと聞くわ」
 執政を歴任しているネンヤさんから見ても、そこまで悪い首長ではないようですね。
「彼は要塞の管理にまったく関心がなくて、私に任せていたの。私は人々が公平に扱われるよう全力を尽くしているわ」
 丸投げは大変そうですが、特にそれを強く不満に思っているようには見えません。この人にとっては逆にやりやすかったりするのでしょうか。

「この辺りは墓地が有名だそうですけど、どうしてそこまで大規模になってしまったんですか?」
「何世紀にもわたり、ここでは数々の戦闘が繰り広げられたわ。墓が掘られ、記念碑が作られ、やがて周辺に町ができていったのよ。やがてファルクリースは英雄たちの墓場として知られるようになった。高貴な首長や有名な戦士たちが、死んだらここに埋めてくれと言うほどにね。ファルクリースの名声はちょっと色あせたけれど、墓地は残っている。人はいずれ死ぬという事実を思い出させてくれるの」
 なるほど、墓地と言うとただただ暗いイメージでしたが、街を作った墓地として、スカイリムの中でも格が違うわけですね。穏やかでありながらほんのりと死のにおいが香る街、それがファルクリース。

ほう

 最後の言葉は我々ノルドより長い時間を生きるハイエルフとしての実感がこもっているように聞こえました。

 それほど栄えているわけではなく、墓地を中心に歴史を重ねてきたこの街からはなぜか不思議な魅力を感じます。

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