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スカイリムプレイ日記~狩人ちゃん~ #32

こちらの続きです


『過去の断片』①


 ウインドヘルムの商業地区で買い物を済ませ、ジョディスさんとソリチュードに戻ろうかと相談していると、配達人が話しかけてきました。

ドーンスターに新しい博物館が?

 ドーンスターに新設するという、博物館の招待状です。私宛というよりは、旅人に渡しているようです。
「サイラス・ヴェスイウスの贈り物…深遠の暁博物館…セプティム王朝を打倒した教団の歴史…?」

おもしろくはなさそう

 あまり惹かれるものはありませんが、無料といいますし、一度立ち寄ってみることにしました。

ドーンスター

 招待状を持って訪れた建物の前で、男女が言い争いをしていました。
 司祭のような恰好をした男はサイラス、ローブの女性はマデナという名前のようです。
「サイラス!あなたの祖先はこんなことを望んでいないわ!」
「なぜ目をそらさなければならない?これは我が一族の遺産だ!」
「これは過去よ。死者の誓いの言葉。手を触れないで」

なになに

 マデナさんは唖然としている私に向かって、博物館には立ち入らないよう懇願してきました。
「サイラスはドーンスターで最も古い一族の出身です。彼らには複雑な歴史があるんです。先祖の何人かは『深遠の暁』に所属していました…」
「なんですか、それ」
「深淵の暁は、かつてタムリエルを滅ぼしかけた教団です。彼らは一族の関与が明らかになってからは名声を失い、追放されました」
 そういえば招待状にも『王朝を打倒した教団』などと物騒なことが書いてありました。
「サイラスはこの博物館で一族の誇りを取り戻そうとしているのでしょうが…少なくとも、歴史研究家ではありません。深遠の暁は、忘れ去られるべき集団なのです」

はあ…

 そう言い残して立ち去るマデナさんの背中を見送っていた私に、サイラスと呼ばれていた男性が階段の上から声をかけてました。
「最初の来館者が来たか、友よ。深遠の暁博物館にようこそ!」

怪しすぎて逆に興味湧いてきた

 熱い歓迎を受け、中に入ります。通されたワンルームは仕切りもないまま二分されており、片側の壁際に深紅の旗と、四つの陳列棚が並んでいます。ここが博物館のスペースで、反対側は居住スペースになっており、サイラスさんの私物であろうベッドやタンスなどが置いてあります。
 見る限り、急ごしらえの施設という印象を覚えました。ジョディスさんと目を合わせ、静かに警戒します。

あやしすぎますて

 陳列棚を見ながらひとつひとつ丁寧に説明してくれますが、専門用語が多めで頭に入ってきません。

おーん?

「…その深淵の暁教団って、結局のところ何なんですか?」
「破壊と変化のデイドラの王、メエルーンズ・デイゴンの崇拝者達だ」

で、でたーデイドラ信者!!!

「我が一族が深淵の暁のメンバーだった事は公然の秘密だ。我々は教団として追放されて以来、長年の過去を隠してきたが、今や金と影響力を持つ商人となった」
 それはすごい。かつて厳しく弾圧されながらも、時間をかけて有力な商人となり世界の表舞台に戻ってきたのは、帝国を脅かすほどの才覚が一族の遺伝子として生かされたのかもしれませんね。
 しかし、今それほど成功しているのであれば、なぜここで先祖の汚名をわざわざ宣伝するようなことをするのでしょう?

「歴史における深淵の暁の重要性、つまり我が一族の重要性は無視できない。良くも悪くも、一時は世界の運命が深淵の暁の手中にあった。それをタムリエルの皆の記憶に刻み込みたい」
 承認欲求の塊か?

 しかし、おそらくこれは建前。タロス神を取り戻すため反乱を起こす人々や、悪夢を見せるデイドラ王を命をかけて信仰する人々が存在する世の中です。邪教というレッテルと弾圧だけでは、信者から信仰心を奪うことはできないこともよく知っています。
 サイラスさん自身も、先祖と同じくデイドラ王メエルーンズ・デイゴンの沼にどっぷり浸かっているに違いありません。彼は非常にストレートな手法で教団を宣伝し、信者を増やそうとしているのではないでしょうか。

「さて、記念すべき初めての客人である君に、頼みたい仕事があるのだが…」
「仕事」
 絶対怪しいやつだなぁ。
「まず歴史を少々。」
「歴史」
 長くなりそうなやつだなぁ。

 説明を簡単に略すと、
・昔々、メエルーンズ・デイゴンによる深遠の暁教団は、王様とその跡継ぎを暗殺した。
・その事件をきっかけにタムリエルに通じるオブリビオン(デイドラの住んでいる世界)の扉を開き、デイドラが侵攻してきた。これが『オブリビオンの動乱』と呼ばれている。
・オブリビオンの動乱以降、深淵の暁を一掃しようとするグループが急増した(それはそう)
・その中の一つのグループに『メエルーンズのカミソリ』と呼ばれるデイゴンの秘宝を奪われた。
・彼らはそれを3つの破片に分解し、永遠にバラバラのまま保管することにした。
・それが150年前の話で、現在もその子孫たちがバラバラのままスカイリムで保管している。

「つまりその破片を集めてきてほしい、と」
「少なくとも所有者のうち2人、グンズルとドラスキュアは危険な略奪者だ。3人目のヨルゲンについては、モーサルに住んでいることしか知らない」

ヨルゲンさん?

 ヨルゲンさんといえば、モーサルで材木工場を営んでいるごく普通のノルド男性でした。まさか彼がかつてこの邪教を潰したグループの末裔だったとは。

「カミソリはメエルーンズ・デイゴンの秘宝だ。常に血塗られた変化と大虐殺の到来を告げてきた。それをコレクションとして加えることは非常に重要な意味を持つ。どんな手を使ってもかまわない。破片を手に入れてくれたら、何も言わず喜んで礼をしよう」

なんだか気乗りのしない依頼だなぁ

 人助けなら喜んでするのですが…なんだかやっかいそうな案件です。隠しきれていない陰謀と策略の臭いがぷんぷんします。
 この話に乗るかどうかは、今後の運命に任せることにしましょう。

錬金術師のフリダさんに、洞窟で失くしたという指輪を届けました

 明日は忘れかけていた『山賊セイント』狩りに行きます!

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