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最強のふたり

最強のふたりという映画を見る前に、名前と写真を見ればどれだけこの二人が最強なのかがわかる。
最強という言葉は最高という言葉より遥かに、身内の言葉である。英語ではuntouchable。無敵らしい。
無敵なんて言葉はゲームか身内の比較する言葉の中で最上級の意味だろう。

冒頭は車の中から、写真で見た彼らとは雰囲気が違う、でも引き込まれていく。映画の画角が世界観に引き込むのが上手だなと思った。

シーンが変わり、生きる場所、環境、財力。きっとで会う前は全てが違った2人が、面接の一瞬で、潜在的に待っていた自分が欲していたものをお互いが持っていたのだろう。そして、少し羨ましくなって、欲しくなったんだと思う。
高級なたまごを盗んでしまうくらいに。
その彼はお金と仕事を。もう一人の彼は先入観と偏見のなさを。

二人は一緒に暮らしていくうちに、軽やかなおふざけとブラックジョークを交わしながら、何かを確かめ合っていたんだと思う。芸術を感じる価値観は違ったし、音楽の趣味だって違った。でもきっとジョークのツボは近くて、二人ならいつだって笑っていた。
発作が起きた時だって、顔に手を当てて目を合わせて「大丈夫。」と。彼にしかできなかった。外で息をする大切さを教えてくれたのもきっと彼だったと思う。
ここからその何かは生まれていたんだろうね。

それだけではなくて、二人とも目の前の見たくないものは見ないフリもしていたね。自分に置かれた状況、自分の子供のこと。不遇と思ってしまってることすらつらそうだった二人とも。
二人でいるときは忘れられていたんだと思った。
最強だね。

恋愛はこの物語の一つのテーマだったけど、恋愛は心と心のつながりって言ってたね。でも心と心のつながりは恋愛だけじゃ無くて友情も家族の愛もってことに映画の中盤では気づいてなかったと思う。最後のシーン観ればわかると思うけど。
まあ恋愛にはお手紙だけじゃ無くて、無理矢理電話するのも大事だったと思うけどね。正解。


彼らのずっと退屈だった日常が二人ならなぜか輝いていたんだだろうね。
それがきっと絆だった。
何かって絆だった。
最強のふたりだったんだね。


そんな二人を映画にしてくれて、身内ネタをさらけ出してくれ感じがして、人の人生にお邪魔させてもらえてる感覚で観ててすごく面白かった。
ジョークもお遊びも女も芸術も音楽もどんどん彼色に染まっていくところもすごく人間的で素敵な映画でした。


最後が海で終わるのは定番でよかったです。


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