食事を拒否する理由から対処法を考えよう

認知症の方は、食事をするという行為を忘れている場合も少なくありません。そのため、目の前に食事を出されても、自ら食べようとしないという状況もうまれます。いわゆる、食事拒否です。

食事拒否の理由として考えられることのひとつは、食べ物かどうかがわからないということ。この場合、どんなに献立の説明を丁寧にしても、なかなか頭で理解することがむずかしいでしょう。それよりは、食事を温め直して香りを立たせてあげたり、おにぎりやパンなどをご本人に手に持ってもらうなど、嗅覚や触覚で感じてもらうことで、認識が促される場合があります。
2つ目の理由としては、食べ方がわからない場合です。この場合は、ご本人の目に入る場所に座り、一緒に食事をするのも良いですね。食べ方として理解できなくても、見よう見まねで食べ物を口に運ぶ動作ができることもあります。
3つ目の理由としては、食事する場所の環境が良くないことも考えられます。認知症の症状には、集中力が続きにくいという特徴があります。高齢者ご本人が落ちつかない、居心地が悪い、安心できない、などと感じている場合、食事拒否が起きることがあります。この場合は、食事場所の明るさや周囲の音の大きさを調節したり、椅子の座り心地に気を配ったりしてあげましょう。
認知症の方の食事介助は、食事を急かさないことも大切です。食事の時間を苦痛なものにすることなく、楽しみな時間として認識してもらうことが、生きる活力にも繋がります。
なお「認知症患者の食事介助」というサイトでも、食事拒否の対処法を含む食事介助のコツが紹介されているので、ついでにチェックしてみてはいかがでしょうか。