燦月夜宵

さんがつ・やよい。応募作品、または一字創作のアカウントです。日常から延長したファンタジ…

燦月夜宵

さんがつ・やよい。応募作品、または一字創作のアカウントです。日常から延長したファンタジーやSFなど書きます。ほのぐらいこともある。誰かと誰か。誰かと何か。何かと何か。ふたつのものから生まれる関係性や状況を好んで書きます。

最近の記事

Mr.ミラーボール

 私はこんなところで一体何をしているのかしら。高い天井にはいくつものシャンデリア、フロアを行きかうのは綺麗なドレスやタキシードを纏った人達。しかも、殆どが恋人達だと分かる。  余っているのも見掛けるけれど、大体は既にパートナーを見つけていたり、話の合う者同士でグループになっている。  私?  私はこのパーティーに誘った相手にすっぽかされている。勿論こんな場所に知り合いもいなければ、話しかけに行く勇気もない。そもそもこういうパーティーで女性から話しかけるのは良かったことかも

    • 【創作大賞2023 イラストストーリー部門応募作】You don't deserve me.【後編】

      6.超能力 アリスが指定した教室は、昨日窓ガラスが割られた場所に一番近い教室の真上にある。空き教室は教職で管理しており、黛が棚から持って行っても不審に思われなかった。  ひとけが無くとも、呼び出されないように手は回した。万が一に備えて辻間に干渉妨害も頼んである。適当な椅子に座り、アリスは持っていた紙袋を机上に置いた。  滝本は来るか。その点はさほど心配していない。アリスが見せた異能に彼女は興味を持ってくれた。  超能力者との遭遇は寒心や畏縮が付き物だとしても、あの目には好奇

      • 【創作大賞2023 イラストストーリー部門応募作】You don't deserve me.【前編】

        あらすじ黛アリスは地方私立高校の臨時教師である。五月末という急な赴任は、先週死亡した教師の穴埋め役だからだ。しかし彼女の本職は教職ではなく、特殊組織『500』のエキスパートである。死亡者も同組織の人間であり、高校に通う『超能力者』を監視、能力を調査・鑑別して判断を下す業務を行っていたはずだった。アリスは調査対象である鹿野乃々花という女子生徒との接触成功しているが、精度は一向に不明。あるはずの調査資料は死亡者の手で一旦破棄されていた。しかも、もう一名の『超能力者』の存在も明ら

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