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NASA Strategic Design Studio②:嵐の予感 "15 in one team"

衝撃の発表

最初の授業でもう一つ重要なアナウンスがありました。
今後は15人1チームで取り組みます

Strategic Design & Management(SDM)の他の授業だと、通常多くても1チーム4人ほどです。当然のように3~4チームに分かれて、リサーチから最後のピッチまで各チームで進めていくものと想定していた生徒達は大混乱です。3人チームでも9割方うまくいっていないことを、1つ前のセメスターで皆見てきています。行き詰まること火を見るより明らかです。「こんな非現実的なプロジェクト、やる意味あるのか?」当たり前のように大ブーイングに包まれる教室。が、抵抗虚しくKick-offしました。

今思うと、タックマンモデルが説明するところの"storming"を意図的に作り出していたのだろうとも考えられますが、本当のところは4チーム分もフィードバックするの面倒だっただけじゃないか?と邪推しちゃいます。

Week1はカウンターパートとの連携係や、コミュニケーションツールはどうするか(連絡:WhatsApp/作業環境:Miro で決まり)、定例ミーティングを何曜日の何時にするか(SDMはフルタイムで働きながら通っている生徒も多くいるので意外と日程調整に手こずります。しかも15人です)、などロジ周りを話し合って終了。不安を抱えたままリサーチフェーズへと突入するのでした。

そういえば、なぜかどのグループワークでもSlackは一度も使わなかったな・・・

メンバーのバックグラウンド

ここで簡単にメンバーのバックグラウンドにも触れておきます。
Parsonsは美大というだけあって、グラフィックデザイナー・UI/UXデザイナーなど、デザイン系のバックグラウンドが比較的多かったイメージです。また、 SDMには、学部卒業後に直接進学してくる生徒や、1〜2年デザイナーとして働いた上でキャリアアップのために入学する生徒も多くいます。年齢で言うと、24 - 28くらいがボリュームゾーン(感覚値)。そのため、授業では如実に実力差が出ます。そもそも何かのテーマについて論点を設計した上で複数人で議論し、確からしい方向へ舵をとっていく、というような働き方を経験していないメンバーもいます。NASAのスタジオはそういうメンバーにとってはかなりストレスフルだったようです。「教授なんだからもっと明確に指示しろよ!」という声もありました。そもそもの解くべき問いから考えるというのは、想像よりも難しいようです。

15人全員の紹介は冗長すぎる(し、覚えていない)ので、印象に残っているメンバーについて書いてみます。

まずは、ジャーナリストでライターのMichael。さすが、元ジャーナリストだけあって文章が巧み。そして、彼はひとつひとつの言葉の意味をきちんと定義していきます。何となく皆が理解している風なコンセプトについて、しっかりと意味を問い、それらをネイティブジャーナリストの豊富な語彙力で調理してくれます。後述しますが、プロジェクトの前半は、ひたすらに新たな概念を創り出す作業でした。これらの新たな概念を構築していくプロセスは彼がいなかったらより難航していたでしょう。

次に、何でもできちゃうスマートガールClara。コンサルでのプロジェクトマネジメントや、デザイン思考を用いたプログラム開発経験などを持ち合わせた彼女は、Innovation Lead的な立ち位置でチームを巧みにファシリテートします。相手が15人であろうとその刀剣が錆びることはない。何と言うか、とにかくベストではなくても納得感のある形に落ち着かせるのがうまい。そして、自分はそこでバリューを出せるという確信からか、リサーチなどは適度に力を抜く。そのメリハリ感が素敵だったりする。即興プレゼンが天才的にうまい。そして、パーティーが大好き。

続いて、振る舞いがとっても菩薩なコロンビアンガールのLaura。グラフィックデザインやブランディングなどの経験を持つ彼女ですが、何と言っても潤滑油的振る舞いが素晴らしい。こぼれ落ちそうなものは全て彼女が拾ってくれている。Zoomのセッティングや日程調整、カウンターパートとの連絡役など、秘書的ムーブを完遂する。誰に言われるでもなく、自発的に。自分が偉くなったらこういう人を採用したいという代表格。そして、最高にメモ魔。彼女のメモで何度助けられたことか。何せ、NASAのネイティブ英語を全て理解することなど僕には到底できなかったのだ。

最後に、Happy インディアンガイAman。ExpediaのUI/UXデザイナーとして働いていた彼は、とにかくチャーミング。いるだけで、何だか和む。ストレスフルなプロジェクトではそれだけでも圧倒的にValuableだ。もちろん、Figma使いも超一流。最後のプロトタイプフェーズでは、彼のおかげでノンデザイナー(僕)からデザイナーへの接続方法を確立できた。何となくのイメージをCanvaで作ると、figmaでhigh fidelityなプロトタイプに仕上げてくれる。最終プレゼン3日前、ブルックリンのベランダにて夜通し彼とzoomでチャットしながらプロトタイプを作ったのは良き思い出。

他にも個性豊かなメンバーがたくさんいたのですが、この辺で止めておきます。デザイナーとノンデザイナーで明らかにバリューが出るフェーズが違ったのがとても興味深かったです。次回以降はプロジェクトの中身に触れていきますので、その中で言及できればと。

書き出すと、思っていたスタイルと全く違うものになってしまいました。ダラダラとすみませんが、しばしお付き合いください。Research → Problem Definition → Ideation → Prototype → Pitchと続きます。

ではまた!


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