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四間飛車VSelmo(研究)△43銀型(▲59金&▲49金)

 Twitterのアンケートでは三間飛車への投票が多かったですが、せっかくなら前と違う戦法を書いていこうと思い、次は四間飛車対elmoの研究を書いていこうと思います。今回もelmoなのは私の大苦手戦法ですので、書きながら調べつつ、克服していこうという勝手な事情があります笑
 研究と題名には書きましたが、基本的にこのブログでは何らかの棋書をベースに書いていきたいと思います。今回は、井出隼平先生の「現代後手四間飛車のすべて」を参考にしていきたいと思います。

初手から
☗2六歩☖3四歩☗7六歩☖4四歩 ☗4八銀☖4二飛☗2五歩☖3三角 ☗6八玉☖3二銀☗7八玉☖6二玉 ☗5六歩☖7二銀☗6八銀☖7一玉 ☗9六歩☖9四歩☗5七銀右☖5二金左 ☗7九金☖8二玉☗3六歩☖4三銀
で基本図

ここからの指し手は、①▲16歩②▲46銀の二通りに分かれます。
どちらも有力なので考えておく必要があります。
①を選ぶと▲16歩△14歩と端を突き合うことになります。税金と、△13桂を作っている手でどちらも大きな一手です。そこで▲46銀なら後述の②とほぼ同じになるのでおKです。よって▲59金と備える手が本筋です。

第一図
①△32飛②54歩

ここでも①△32飛②54歩に分かれます。どちらも有力となっていますが、
個人的には、このタイミングで△32飛の方が意表を突ける上に▲46歩を誘いやすい意味があるのでお勧めです。
どういう事かというと、先手が①▲46歩か②▲46銀か決定する前に3筋に飛車を振っているため、先手の心理としては手薄になった4筋を攻めるべく▲46歩と指したくなるはずです。そこで△54銀が用意できてるのが大きく攻めを封じやすくなります。
 ①の具体的な手順はというと、△32飛▲46歩△54銀と進み、

第2図
△65銀からの玉頭銀を見せる

ここでまた①▲37桂②▲66銀に分かれていきます。
①▲37桂には一旦△42飛と戻っておいて▲45歩を防いでおいて、次に△65銀を見せます。それでも▲45歩には、取った後にずんずん歩を伸ばしていけば後手ペースです。よって▲66銀が妥当ですが、△64歩と銀の逃げ場を作っておいて、▲55歩に△63銀(結果図)で互角となります。

結果図

先に②▲66銀には△43銀と引いておいて(△64歩には▲55銀が嫌味)千日手を狙いつつ、左辺で盛り上がってきたら、△54歩~△42角と引いておいて△35歩から仕掛ける筋を見せておけば互角以上あると思います。

結果図(一例)

ではその前に戻って②▲46銀の時はどうするでしょうか。
既に3筋に飛車を備えてあるので、一旦△54歩と突いておきます。
△64角を作っておくのがこの戦型では重要になってきます。

第3図
①▲38飛と、②▲55歩に分かれる

当然▲35歩と仕掛けますが、△42角が用意の受けでここで①▲38飛と、②▲55歩に分かれます。シンプルな①▲38飛には、そこであっさり△35歩と取ってしまい▲同銀に△64角が激痛です。

結果図
▲46歩にも△同角で問題ない。

一見ひねってるように思える②▲55歩は意外と強敵で、△35歩と5筋を相手にせず我を貫くのが最善になります。以下▲54歩△36歩▲24歩△同歩▲58飛まで進みますが、そこで△37歩成が大事な1手。このタイミングで成っておかないと、▲同桂の余地が生じてしまいます。

第4図
暗記必須の成り捨て。

以下▲同銀に端の突き合いを生かして△13桂が気持ちのいい一手。
本ではここで後手ペースとなっていますが、▲49金や▲66角で先の展開を知っていないとむしろ抑え込まれてる振り飛車の方針が難しいかと思います。そもそも端歩の有無によって△13桂すら怪しくなってくるためこの変化はあまり好んで飛び込みたくはないと個人的に思います。
しかし、先ほども書いたように第一図で△32飛を選択した場合、▲46歩と突かれることが多いと思うので一旦この先の変化は後回しにしたいと思います。

第五図
②△54歩の基本図

②の自然な△54歩も当然有力です。これに対しても、①▲46銀②▲46歩の対応があります。①▲46銀は△32飛で第三図の変化に合流します。
②▲46歩には①△64歩と②△22飛があります。端歩が突いてあれば①、突いてなければ②と覚えておきましょう。
この戦型もとい、急戦において端歩の有無は優劣にそのまま直結するほど重要な要素なのできちんと意識して指しましょう。(基本的に突き合いが得)

第六図
①△64歩②△22飛に分岐

①△64歩に▲45歩が本筋ですが、代えて▲37桂には△32銀で仕掛けを防げます。よって単に▲45歩ですが、△同歩▲33角成△同桂▲24歩△同歩▲同飛の局面で△46歩と突きだせるのが端歩の効果です。

第七図
▲同銀に△13角を用意できている。

仕方なく▲48歩ですが、△45桂▲66銀△65歩▲77銀△55歩で振り飛車の左桂がさばけており、指しやすいと思います。

結果図
先手は歩切れが痛い。(▲58歩と受ける一歩がない)

ですが、端歩が入ってない場合△46歩が突けない(△13角がない)ので、②△22飛を選択する必要があります。

第八図
2筋を先受けしておく。

先手陣は発展性に乏しいので、▲37桂から仕掛けを狙ってきます。対して△64歩から後手は自然に高美濃を目指していけるので、すぐ▲45歩と仕掛けてきます。以下△同歩▲33角成△同桂▲31角△21飛▲64角成まで一直線に進んでいきますが、そこで△44角が急所の一手です。

第9図
似た形も頻出するため必須の一手

以下▲77桂△35歩▲26飛△63銀▲86馬△34銀までで、方針のわかりやすい振り飛車がやりやすいと思います。

結果図
飛車や桂をいじめていく方針


ここまでで、▲59金型の対策は一通り抑えられました。
この記事の残りは最初の分岐の②▲46銀(▲49金型)だけ解説したいと思います。端歩の有無の詳しい変化や、▲48金型、後手△32銀型などは他の回に調べたいと思います。

基本図から▲46銀

▲46銀は速攻狙いの手ですので△32飛としっかり受けておきます。当然▲35歩ですが、そこで△54歩だと先手が一手早く攻めてるのが活きて、△42角が入っておらず、▲55歩から薄い5筋を狙われて振り飛車難局です。
よって、5筋の争点を作らず、プラスの手になる△12香が最善手とされてます。

第10図
金が動いていないため一手早くなっている。

5筋に争点がないため勢い、▲34歩△同銀▲24歩△同歩▲38飛△45歩▲33角成△同飛▲57銀(▲55銀でも同じ対応でよい)進んだ後、△27角が▲49金をとがめた一手で厳しいです。

第11図
飛車と金の位置が悪く刺さっている。

以下▲39飛△43銀▲33飛成△同桂▲39金で意外と手が見えないですが、
△46歩▲同歩△38歩▲28金△54角成が巧妙な手順です。

第12図
金をそっぽに行かせてから馬を作っておく。

さらに進めると、▲38金△76馬▲77歩△54馬で端を視野に入れつつ△37歩から桂を狙ったり飛車を打ち込めば馬の存在感が大きくやれると思います。

結果図
馬が両方向をにらんで盤面支配している


ということで、△43銀型における▲59金&▲49金の大まかな対策を抑えられたと思います。今後△32銀型や▲48金型、端歩の細かい変化なども触れていこうと思います。長くなりましたが読んでいただきありがとうございます。井出先生の本のリンクも貼っておくので是非チェックしてみてください!
https://www.amazon.co.jp/%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E5%BE%8C%E6%89%8B%E5%9B%9B%E9%96%93%E9%A3%9B%E8%BB%8A%E3%81%AE%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%A6-%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%93%E5%B0%86%E6%A3%8BBOOKS-%E4%BA%95%E5%87%BA%E9%9A%BC%E5%B9%B3-ebook/dp/B08T1JCYX4/ref=sr_1_1?adgrpid=113844139338&gclid=EAIaIQobChMIk-fllrPC_AIVyMBMAh1uGAXwEAAYASAAEgKpk_D_BwE&hvadid=618552711996&hvdev=c&hvlocphy=1028825&hvnetw=g&hvqmt=e&hvrand=3651688129616261534&hvtargid=kwd-1079802690851&hydadcr=26825_11716750&jp-ad-ap=0&keywords=%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E5%BE%8C%E6%89%8B%E5%9B%9B%E9%96%93%E9%A3%9B%E8%BB%8A%E3%81%AE%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%A6&qid=1673539157&sr=8-1

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