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タコスの夜
こんばんは。今日もお疲れさまでした。
その彼は既婚者でした。背が高く、スマートな会社員。食べ物に詳しく、自分の子供の話を嬉しそうにする人でした。
「タコスを食べませんか?」
そう誘われて、私は嬉々としてOKしました。春の始まりにタコスは魅力的な食べ物でした。タコスを買いに行って、テイクアウトして、気づけばホテルに二人で座っていました。
ちょっと警戒しつつ、でもタコスの魅力に負けて、ホテルの冷蔵庫から冷えたビールと一緒に、私たちはタコスを食べました。肉もビーフとチキンとポーク1種類ずつ、チリソース入りとなし、チーズもたっぷり。少しずつ沢山の種類を揃えたタコスはビールとよく合いました。
お腹いっぱいで動けないでいると、私の足に触れている彼を見つけました。最後までしなくていいから、シャワーを浴びていない私の体を触りたいと彼は言いました。
そんな人に会ったのは初めてだったので、「どうぞ」と両手を開いて、彼に私の体を渡したのです。
彼は私の体のパーツをひとつずつ愛して行くのに、彼の体は触らせてくれませんでした。奥さんには言えないけど、それが一番好きなのだと彼は言いました。
全てを堪能された後、イタズラをしたくなった私は、彼に触れて上に乗ってしまいました。短い吐息の後に彼は最後を迎えたのです。それも初めてのことだったので、なんだか嬉しくなって、そのままキスをしました。私たちのキスは、さっき食べたタコスの味でした。
この部屋もずっとタコスの匂いが充満しています。人生で一番タコスを味わった気がします。
彼がマッチングアプリで探していたのは、そんな彼を迎えてくれる私のような人だったようです。
次は何を食べようか?と私たちは、楽しく相談してタコスの1日は終わりました。
食べることが好きな人に私はよく出会ってしまうようです。初夏にはレモンパイを食べたいと考えながら、体のラインと相談します。今日は炭酸水を夜のお供にして寝たいと思います。おやすみなさい。
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