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ひとりの夜

こんばんは。今日もお疲れさまでした。

子どもを産んでから、夜ひとりで寝たのはたった一度きりです。子どもが元夫におうちに泊まりに行った一夜。私の子どもは、私たちの離婚後、3歳の時、一度元夫と食事に行った事があります。あまりにも、うろちょろする子どもに耐え兼ねた夫は、3時間の予定だったところ、30分で私に迎えに来るように電話をかけてきたのです。その後、夫は一度も子どもに会いたいとは言ってきませんでした。

子どもは7歳になりました。お父さんに会ってみたいということもできるようになりました。でも3歳の頃を覚えている私は、子どもが夫と一晩ぐっすり眠る事などできないだろうと思い送り出しました。

私は、いつ電話が来てもいいように、誰とも約束をせず、一人で家に帰りました。猫は迎えてくれましたが、いつもの明るい声は聞こえません。いつもはうるさいと思うほどのマシンガントークなのです。

私はひとりの部屋で、外出から帰ったばかりの服のまま、TVを見ていました。でも、電話はいつまでたってもかかってきません。こちらからかけても良かったのですが、それはそれで子どもが寂しがる気がしてかけられませんでした。

気づけば、深夜0時を超えています。どんなに宵っ張りだとしてももう眠れたのでしょう。私は、お風呂に入り、小さなビールと少しのつまみを食べて、冷えたベッドにひとり潜り込みました。

なんだかとても不安でした。一人で外泊ができるようになった子どもの事を考えると、この先私の為の夜を持つ事ができるのだと楽しい事を考える一方、それはそれで寂しい気持ちになってしまったのです。

子どもは夫とこの先過ごす時間が増えるのかもしれません。誰かのおうちにお泊まりに行く事ができるのかもしれません。私はその時間ボーイフレンドや知人と楽しい時間を過ごせるかもしれません。でもそれはもう少し先でもいいかな?と神様に祈りたくなったのです。

神様、どうかもう少しだけ子どもと過ごす夜を持つ事ができますように。きっと、今まではボーイフレンドと触れ合った夜を過ごしたいと考えていた私には意外なお願いでした。

私の彼氏はきっとまだ子どもなのです。きっと後数年で、この彼氏は、私の彼氏では無くなるのでしょう。これは期間限定のランデブーなのですから。

今日は一緒にベッドに潜り込んでいます。「I love you」と私たちは愛を語り合い、頬にキスを送りながらハグをして寝たのです。おやすみなさい。

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