23時の電話は何も持っていない
こんばんは。今日もお疲れさまでした。
23時を過ぎた頃でした。その人から電話がかかってきたのは。彼の声は一度も聞いた事はありません。ずっと、何がしたいのかもわからないまま、マッチングアプリとLINEでたわいのない文字のやり取りをしていただけでした。
「食事に行きましょう」
大体の人はそういうのです。でも、私は食べる事を誰かに見せることが、恥ずかしくてしょうがないのです。なので、固まります。「機会があったら」「タイミングが合えば」といってその場を逃れます。彼らは、どんな食べ物が好きかは聞いてきません。「食事に行きましょう」は「会いましょう」という符号でしかないのです。聞いてくれれば、お酒を飲みに行く事にもできるのに。そんなコミニケーションは彼らとはとりません。
電話をかけてきた彼は、私の愛する池袋によく仕事で来ていました。LINEでやり取りをしているのを見ると、同じ日に同じ場所にいた事もありました。私たちは、お互いがお互いを見たのかもしれないと思うのですが、気づかないという事は、きっとご縁がないのだと思っています。
彼からのLINEを2−3日放っておいて、「ごめんね」の一言も添えず、当たり前のように返す意地の悪い私がいます。彼も、そんな事は感じさせずに当たり前のように返してきます。彼は私の興味のある答えは何もくれないけど、待つことはしてくれるのです。
彼からの電話がかかってきた時、私はnoteを書いていました。それは、私にとっては必要な時間で、それを覆す事はできませんでした。仕事なら、メールをしたでしょう。でも、私は何も触れずに彼に何も連絡しませんでした。彼も、電話したことには触れずいつもと同じ内容をLINEで寄越します。とても、気長に。まるで何もなかったかのように。
彼はそれから2−3の連絡を寄越した後、とうとう連絡が途絶えました。気長な彼も私の怠慢を待つ事はできなくなりました。私は今や会えない人です。5人分の仕事を一人でする事になった私は、土日も夜中も早朝もずっとずっと仕事か育児で時間を埋めます。
そんな私を、徹夜してまで翌日会いたいと思わせてくれる男性など、極僅かでしょう。もしくはとてもタイミングのいい人なのです。
彼と電話すれば、彼は特別な人になっていたでしょうか?囁いてほしい言葉の一つが生まれたのか、とてもガッカリしたのかそんな(仮)な未来を想像します。息子がキスをしながら「あなたと結婚したいの」と毎日熱烈なプロポーズをくれます。好きなものを好きだと胸を張って言える彼を抱えながら、今夜も眠りにつくのです。
おやすみなさい。