顔を見せない彼女の夜

こんばんは。今日もお疲れさまでした。

彼女と出会ったのはマッチングアプリでした。こちらの要望には何でもOKと返してくれます。但し、彼女に希望を聞くとそれは全くないのです。アプリでのメッセージもふわりふわりとして手応えのない答えばかりでした。求めるものも考え方もよくわからない彼女ととりあえず会ってみることにしました。

彼女は時間ぴったりに現れました。マッチングアプリでは珍しい人です。行く予定のお店がいっぱいで入れなかったので、近くの居酒屋に二人で入りました。

彼女は一体なぜ自分と会っているのか？彼女はマッチングアプリでどういう人を探しているのか？それをまず確かめたかったのです。

マッチングアプリでどんな人と会ったかの話をしました。自分はすでに目的を明確に伝えているので、その通りの話をすればいいだけです。問題は彼女が実際に聞いて引かないかでしょう。彼女は引きませんでした。それどころか、その話を求めてきます。そして、彼女の話もなかなか興味深いものでした。

彼女はそういうことに興味がある。ということだけが明確にわかりました。そして、自分と会うのに抵抗がないのです。

後日、彼女と再開しました。甘い時間を過ごす約束をしたからです。

ものすごく欲望が高い人かと思いましたが、そういう反応ではありませんでした。でも嫌がることはありませんし、それなりに反応はしているのです。唯一嫌と言ったのは、顔を見ることです。声をあげている顔を見せてはくれませんでした。彼女は体の一部かというように枕を顔の前でずっと抱きしめています。

ますますわからなくなったので、彼女にそれを伝えました。

彼女は不思議そうな顔をしながら、自分でもよくわかっていないようでした。でもまた会う約束をしました。求められている人に会うのが好きですが、たまにはこんなことがあってもいいでしょう。彼女は、自分が会った他の女性との話をとても楽しそうに聞いています。

彼女は今夜もマッチングアプリを開き、自分ではない、好きになった相手に、全く違う反応をメッセージで送っているのかもしれません。それがどんな感じかを知りたいと思うこともありますが、彼女に聞いてもまたふわりふわりとした答えが帰ってくるのでしょう。まあいいかと思って寝ることにします。おやすみなさい。