自分が自分の主人であること。

こんばんは、ゆきうたです。
今日は、過去に存在した「奴隷制度」を描いた衝撃的な絵本を紹介します。

絵本のタイトルと中身の壮絶さ

あなたがもし奴隷だったら…

なかなか衝撃的なタイトルでした。
表紙には両手両足を鎖で繋がれている黒人男性が地面に座り込んでいる姿が描かれています。
手には大きな岩を掴んでいて、両手両足を繋いでいる鎖は壊れて外されているところから、彼は脱走をはかったことが読み取れます。
ですが、その表情は曇っていて、何かに怯えるような眼差し。
眉間に深く刻まれた皺からは怒り
噛み締めた唇からは受けたであろう屈辱や苦痛が伝わります。

小学校か中学校の歴史の授業で、奴隷貿易戦のイラストを教科書の中で見つけた時、子ども心ながらに大きなショックを受けたことを記憶しています。
マネキン人形を並べているかのように、船の中に均等に横に寝かせられ
ぎゅうぎゅうに敷き詰められた黒人達の図。
人権とか自由とか、人としての尊厳を剥奪されることがどういうことなのか、この絵本は魂を通じて語りかけてきました。

絵本には、当時起きたことをイラストと文章を添えてはっきりと描いています。
航海の最中、弱った黒人たちが海に投げ捨てられたこと
脱走を図る奴隷を捕まえて見せしめを行ったこと
鞭打ちや過酷な状況での強制労働
思わず目を背けたくなるような内容が描かれていますが、この絵本を通して感じたのは、人間とは残酷なことができる生き物で
自分たちも気づかずに加害者になっているかもしれない。
私たちはそのことに気づかない限り、何かを変えることはできません。

だからこそ、想像力を働かせること
相手の立場になって考えること。

人は簡単に道を誤るし、誤っても気付くことができない。
何故なら、正しさとは、その時の状況や立場によって変わるように見えるのだから。
人としてのあり方、在るべき道筋みたいなものは、簡単に霞んで見えなくなってしまうのだと、考えさせられるものがありました。

最近はSNSで有名人や炎上した人間を袋叩きにするような構図が見受けられます。
間違ったことをした人を総攻撃して、排除しようとし、自殺まで追い込むような出来事もあったと思います。
叩く人たちは、自分の言葉が人を傷つけていることを自覚していないのでしょうね。
自分たちには、然るべき正義があるのだと鷹を括っている

自分はこれだけの迷惑を被ったのだから
あいつは悪いことをしたのだから
私は、これだけ傷つけられたのだから
俺はこんな目に遭わされたのだから

だから、▪️▪️しても良い。許される。


これは、かつての奴隷制度と本質は変わらないのだと感じました。

恥ずかしい話ですが、私自身も同じ経験があります。
だからこそ、私自身に強烈なインパクトを与えた絵本でもありました。

この絵本の伝えようとすることは単に黒人がかわいそう、白人がひどい。といった勧善懲悪ものではありませんので、ある程度の年齢に達した子供向けかな…という感想であります。

小学校高学年くらいかなあ…。
でも、衝撃があると思いました。

でも、自信を持っておすすめできる絵本なので機会があれば是非手にとって読んでみてください。




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