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チャーリー、こっちだよ

添付画像をAIに描いてもらったら。カオナシと獅子神を混ぜたようなヤギが誕生したよ。

この一週間、ほとんど風邪で自分が機能してなかった。
お家のこともままならなかったけど、家族と職場の人が助けてくれたから休むことができた。いてくれて本当によかったと心から思う。

ああ〜早く良くなってくれ〜〜。


本の紹介

タイトル:チャーリー、こっちだよ
作者:キャレン・レヴィス
絵:チャールズ・サントソ
訳:いわじょうよしひと
BL出版の本です。


あらすじ

「だれでもぼくじょう」という心や身体に傷を負った動物たちが集められて、世話をしてもらえる施設の中で起きた実話を元にしたお話。
目がよく見えない、ウマのチャーリーと
一匹狼ならぬ一匹ヤギのジャックの友情の物語。
一読しただけですが、うるうると涙が滲むお話でした。

感想

動物感動系は「かわいそうなゾウ」を読んでからあんまり好んで読まなかったのですが、優しい絵の雰囲気とチャーリーという名前に惹かれて借りました。
抽象画とまでいかないけど、ふわっとした輪郭と優しい色使いが私の好みでありました。
表紙は広い牧場を思わせる平坦な草原。
東の空から昇る太陽を背景に、一頭と一匹が並んで歩いております。
先立つ一匹は、もう一頭を振り返っていますね。
「こっちだよ」と言わんばかりに。
このお馬さんは、訳あって自力で自由に進めないのかしら。
じゃあ、多分チャーリーは馬の方ですね。

チャーリーという名前の人に悪いやつはいない。
チャーリーとチョコレート工場とか、アルジャーノンに花束を、とかで登場するチャーリーが優しくて良いやつだったという、たった二つのサンプルしか持ち合わせていない過去の私がいうのだから間違いない。

読み終えた結果。
ほらね!やっぱりチャーリー、良いやつだった。これでサンプルが三つも揃ったよ。
チャーリー、良いやつ説、私の中で濃厚だわ。

さて、ストーリー構成ですが。平たく言うと、動物たちの友情の物語でした。
目が不自由なチャーリーと、一匹ヤギのジャックの中に芽生えた友情が育まれていく過程を描いた絵本でした。
保護施設で育っている二匹ですから、それぞれの過去にトラウマを抱えている。
それを互いに感じ取って、不器用ながらに思いやる関係性に、何故だか胸がちくりと痛みます。
人と違って言葉を使えないというハンディー(なのか?)がありながらも、心通わせ、お互いを補完し合うような関係になれるって素敵。

いや。よく考えてみたら、言葉を持たなくたって他者と協力して共存している生き物ってたくさんいるよな。
つがいの鳥は協力して巣作りや子育てをするし、メスのライオンは仲間と狩をするし、アブラムシとアリは持ちつ持たれつの関係で共存してるし。いや、それは利害の一致とか共通の目的があるからこそ、なんだろうけど。
でも、打算とか損得勘定はないよね。
自分だけが得しようとする生き物は、それがいつか跳ね返って淘汰されることを動物たちは知ってるものね。

そんな感じで動物が主体のお話だと、純粋な気持ちで物語を読めるから心が洗われるね。
心が浄化される一冊でしたわ。

子供には、4歳くらいになったら読み聞かせられるかな…。ちょっとまだ文字数が多くて集中して聴けなさそう。


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