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ロジカルにエモーショナルなデザインをしよう

インターネットなど、わたしたちを取り巻く世界ではよく「論理的」と「感情的」は(非常に雑に捉えると)対極のものとして扱われます。また時に、感情的であることは非論理的であること…のように相反するもののように理解されるようにも感じます。
最近、本当にその二つは同じ線上の対極にあるものなのか?少なくとも相反するものではないのでは?と、デザインの面から思うことがあったのでnoteにしてみます。

そもそも、ロジカル・エモーショナルとは

一旦、今回取り扱う言葉についてもう一度確認してみましょう。

まずは「ロジカル」を辞書で引くと以下のように出ました。

ロジカル【logical】 の解説
[形動]論理的であるさま。「―な推理」

ロジカル(logical)の意味 - goo国語辞書

さらに、論理についても定義を見てみます。

ろん‐り【論理】 の解説
1 考えや議論などを進めていく筋道。思考や論証の組み立て。思考の妥当性が保証される法則や形式。「―に飛躍がある」
2 事物の間にある法則的な連関。
3 「論理学」の略

論理(ろんり)の意味 - goo国語辞書

まとめると「筋道が立てられ思考の妥当性が保証されるようなさま・物事」が「ロジカルである」と表現されそうです。

次に「エモーショナル」です。

エモーショナル【emotional】 の解説
[形動]感情に動かされやすいさま。感情的。「―な言動」

エモーショナル(emotional)の意味 - goo国語辞書

これも、より詳細に見ておきましょう。

かん‐じょう〔‐ジヤウ〕【感情】 の解説
物事に感じて起こる気持ち。外界の刺激の感覚や観念によって引き起こされる、ある対象に対する態度や価値づけ。快・不快、好き・嫌い、恐怖、怒りなど。「―をむきだしにする」「―に訴える」「―を抑える」「国民―を刺激する」

感情(かんじょう)の意味 - goo国語辞書

これもまとめると「対象に対し自分の態度や価値づけを表現しているさま・物事」、特にクリエイティブに関しては転じて「鑑賞者の内にある感情を掻き立てられる、鑑賞者自身を感情的にさせる表現」も含め「エモーショナルである」と表現されると私は捉えました。
(「クリエイティブそのものがエモーショナル」と「クリエイティブによって鑑賞者がエモーショナルにさせられる」の両方が一般的に「エモーショナル」とされていそう)

本当に対極のもの?

ロジカルとエモーショナル、並べてみると、こんな感じ。

  • ロジカル:筋道が立てられ思考の妥当性が保証されるようなさま・物事

  • エモーショナル:対象に対し自分の態度や価値づけを表現しているさま・物事

改めてこうやって見てみると、全く異なる視点での見方に見えます。
筋道が通っていること、対象に対し自分の態度や価値観に基づいた表明を行っていること、どちらも両立できますよね。

実生活を思い起こしてみても、感情的に論理的な説明をすることで威圧的なコミュニケーションになってしまう人、感情を乗せずにむちゃくちゃなことを言っている人、どちらもあり得ると思います。

ここで最終的に言いたいのは「自分はロジカル寄りの人間なのでエモーショナルをうまく表現するデザインはできない」と思い込む必要はないということです。なぜならロジカルとエモーショナルは相反するものではない(同時に扱えないものではない)から。
また同時に、「自分はロジカルなのでありエモーショナルではない」といった考え方もNOと言えると思います。

ロジックでエモーショナルな表現を作る、エモーショナルにロジックを使いすぎない

「思い込む必要はない」という表現を取ったのは、自分がその思い込みに囚われていたからです。
ちょっと前まで、「自分は理由があってエモーショナルな表現は難しいのだと」思っていました。今でも非常に難易度は高いと思っていますが、前ほど無理なものだとは捉えていません。

実際に手を動かしてみると、エモーショナルなデザインも思った以上にロジックやセオリーに基づいて作られてる、またはロジックやセオリーに則ればある程度実現できる・そういった要素である程度コントロールできることに気づきました。小さなロジックが思ったよりも大きな印象の変化を産みます。
超簡単なところでいうと「青は落ち着いた印象になる」「赤は元気の出る色」のようなのもロジカルなエモーショナル表現だと思います。(大多数の人・歴史によってそういうものと定義された表現のセオリーは"筋道が立てられている状態"だと考えているから)

なのでもしも前の私と同じように、「ロジカルであるならばエモーショナルにはなれない」と思っている人がいれば、諦める必要はないし、ちょっと研究してみればきっと何かしら前に進めるよ!と伝えたいです。

また、先ほども書いたように同時にエモーショナルにロジカルな表現をできるということにも気づきました。ロジカルな表現というかロジックをエモーショナルに使う、例えば相手に対して感情的に"理詰め"してしまう…のようなイメージです。(自分自身に心当たりがあります)
これは場合によって良い効果を産むこともあると思いますが、もし相手と心許せる関係を築いている途中であれば威圧的な印象を生じさせる素になる、ひいては話しかけにくい関係を作ってしまうので、コントロールできるように気をつけたいところですね。

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ということでいつもの日々の気づきの話でした。

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