たべ塾：無料で意見が聞ける＜公的専門家派遣＞を活用しよう！

　私の住んでいる大分県の事例でご案内します。
コロナ復興の1年間あまり（おおむね令和3年12月が心の区切りと思う）について、自分の事業を絶やさないためには、「無料でがんばってくれる専門家や機関」を活用することをお勧めします。

支援機関に手続きをして専門家派遣をしてもらう
（もちろん企業側は無料、ほぼ無料です）

１、国の専門家派遣＜ミラサポプラス＞

　　企業（個人事業主も可）が登録をして、プラットホームとなる機関を通じて専門家派遣をしていただくことになります。
どの助言を求めるかで、機関の方がどの専門家を派遣依頼するかが変わります。
私の場合は、売上の上がるメニュー作り、店舗レイアウトの改善、効果的な看板の作り方、名物料理開発、食材原価率の低減対策などの要請が、どの機関からでも多かったと思います。

ミラサポは最大3回まで　２～4時間くらいで飲食店場合は14時からというのが定番でした。1年に1度合計３回の派遣依頼が可能です。

２、県・市の専門家派遣

①各県の〇〇県産業創造機構　


　　　私の場合は、この県の機関に専門家登録をしたのが公的支援の仕事をする始まりでした。
大分県の専門家登録にはあらゆる分野の300人以上の専門家が登録されています。

この期間に専門家の派遣の申請をして、面談をしてＯＫになれば、無料派遣を受けれらえる仕組みです。
1年に1回3回が基準ですが、特例で+2回もあります。（計5回もあり）

新規の開業相談もあれば、開業の為の助言や売上アップ対策なども産業創造機構及び派遣する専門家で支援してくれます。
元々は、工業系の会社への支援機関でしたが、近年は、飲食店支援も積極的に行ってくれています。（県の外郭団体のひとつです）

②各県の〇〇県中小企業診断士協会　

　詳しくは知りませんが、私も専門家として過去に、Ｂ型障がい者施設のフード事業（弁当の清算販売、パンの製造販売、喫茶店経営）の支援に何年間か参加したことがあります。

事業が障がい者施設さんであればここが支援について相談できると
思います。
この点では、県の福祉課などともこの機関は連携しております。
（県の外郭団体のひとつです）
＊その他の支援もされていますので、問合せしてみてください。

③各県の〇〇県商工会連合会・下部組織の地域の○○商工会

　　地元企業に密着した活動をされています。
私もここの機関さんとのお付き合いが一番長いですね。
15年超えでしょうか？
各地の商工会さんが地域の事業者さんの身近で親密な細かい応援をされて
おり、その取りまとめを商工会連合会本部の皆さんが行っています。
色々な派遣手段があります。1年に1回2回のものや3回のものがあります。

私たち専門家にとっても、幅広く経営者の方との体験は、自らの経営支援についての見識を高めている効果があります。

エリア的な区分は、「市」については商工会議所さんのエリアであり、
それ以外のすべてのエリアが、商工会さんのエリアです。

身近な相談がすべてできて、補助金申請や融資の助言等も受けられます。
商工会に加盟されている会員に対する支援機関です。
（大分県の外郭団体の機関のひとつです）

④各市の商工会議所

　　大分県の例でいうと、過去に佐伯、別府、臼杵などの商工会議所さん
からの要請で専門家派遣で飲食店支援に伺ったことがあります。
商工会議所さんの予算で行く場合や、プラットホームに登録された商工会議所さんがミラサポプラスを通じて派遣依頼されることもあります。
（最近はミラサポプラスの派遣の方が多いと思います）

また、補助金・助成金等の申請相談も商工会さんと同じく、親切に対応していただける機関になります。

３、融資に関する相談支援機関

①日本政策金融公庫
　広く浅くまんべんなく融資可能な国の金融機関です。
一番多いのは、
　◎新規開業融資相談
　１０００万円未満の公庫さん1本の融資で開業が多くあります。
また、数千万円以上の開業でも、公庫さんと銀行との割分での融資も
多くあると思います。

私のかっての事例でも、銀行融資１０００万円、公庫融資１０００万円、県の保証協会保証１０００万円で、合計３０００万円の融資を受けて、その会社の事業支援を行ったことがありました。

次に多いのは、
　◎融資半減時の追加融資相談　ではないかと思います。

公庫さんについては、コロナ禍での融資が莫大に行われましたので、
返済猶予1年で申請した企業は、来年度を見すえて、返済金アップ額の
金額分を賄える売上アップを今から行っておくことが、切に望まれます。

②信用金庫・信用組合

　　私は個人的にはこの金融機関さんランクが好きです。
親身に企業に寄り添った金融機関的努力をしてくれます。

大分県には、大分みらい信用金庫、大分県信用組合、大分信用金庫の3つがあります。

開業相談、融資相談、融資先になればいろいろな助言等も受けられる仕組みです。
ミラサポプラスの派遣等も行えるプラットホームの機関のひとつです。

③銀行

　　銀行により企業コンセプトと行員（内部的には職員）の考え方、意識づけが大きく違うと思います。
行名は言いませんが、旧態依然の昔の張子の虎と摸された清国のような銀行もあります。
銀行自体の知名度でなく、自分の企業を親身に支援していただける行員がいる金融機関を「メイン銀行」にしましょう。

今度のコロナ禍を通じて、銀行や各支援機関の善し悪しがわかり、
差別化すべき要素がしっかり露呈されたと思います。

おおむね無料の専門家派遣を上手に利用される事業体ほど、前向きであり、融資も受けやすく、補助金等も多く受けていると思います。

一事業所の経営者と社員の方だけの知恵で
全て乗り切れて解決できる時代は、
もう20年も前に・・・・なくなっていると思います。

是非、専門家派遣を有効活用して下さい。（専門家は全国に数万人います）

（了）