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飲食店応援企画:令和時代に確実に儲かる弁当作り<5つの新条件>とは?

これからの時代の「食」はランチ需要も含めて4つのパターンに分類されると思います。

最もお金が使わない・使えない「食」のパターン
  とりあえず空腹を満たす「パン・カップ麺」食です。
私も経験があります。まだ仕事が満足に頂けていないコンサル時代に、
財布に500円しかなく、よくよく吟味してコンビニで120円のコッペパンを買いました。これ一つが昼飯か?!としっかり思いました。
反面、のちの頑張りパワーになりました。

繰り返し食べる弁当派の「食」のパターン
  
毎日配送されてくる会社や工場の職域弁当の売値は、コンビニとほぼ
同等の価格の350円(税込)~450円(税込)です。
一方で、
一般弁当店で購入したり無料配達で受け取る弁当は450円(税込)~580円(税込)で、職域弁当の価格ゾーンよりワンランク上です。

*この弁当よりも上の価格には、会議弁当、催事弁当、法事弁当、焼肉弁当
 ウナギ弁当などがあります。(およそ1000円~3500円の売価です)

日常的飲食店の食事を利用する「食」のパターン
   580円(税込)~1500円(税込)位がこの売価ゾーンと思います。
1回利用平均800円としても月間20日くらいで16,000円~20,000円かかります。
恩恵は、客席という快適な空間を利用できて、出来立ての料理を自席まで
運んできてくれるというサービス付きということです。
(*この差が弁当と飲食店の食事の差です)

庶民なら珠に行きたい高級店利用の「食」のパターン
   この食を利用される方は、貧乏人でもなく、大金持ちの方でもなく、
適度に儲かっている”小金持ち”の方たちの飲食の仕方と思います。
ランチでも3500円のオーダーにドリンクやデザートを加えて、予算規模は
5,000円~10,000円感覚です。
大金持ちさんもたまには見得張りたい方と食事するときはこういう感じと
思います。
私は庶民食として今後も成長する「弁当」をもっと応援したいと思います!

■新条件1:食材原価率が「25%」以下の
      弁当を作る!

  見ただけで、できっこないと思わないでください。
実際の飲食店の料理の中にも一部は低い原価の料理があります。

コツ:常識で食材を理解しない
  
合挽きミンチと言えば、牛豚ミンチですね。でもコストを下げた
美味しいミンチは「豚鶏」だと思います。
また増量剤としては、パン粉、玉ねぎ、おから、豆腐などがあります。
30%~50%の混入と思えるお店まであります。

コツ:食材の発掘・発見はまだ可能です
  まだまだ廃棄されている食材や安い価格でしか売られていない食材が
たくさんあると思います。
利用できるのに、取り手がいないから置き去りにされている海藻なども
多いと思います。収穫を手伝って半分を分けてもらいましょう。

コツ:鶏肉と豚ホルモンと旬の野菜が一番使いやすい
  
私が鶏肉料理の種類を調べた時でも、45種類~60種類の料理がありました。これに味変迄加えると、売れ筋だけでも100種類くらいになるかと思います。
豚ホルモンは、レバー、ハツ、タン、小腸、頭肉など。
(*にんにく味噌味他)

税込売価500円の弁当の場合、
原価率25%でしたら、予算は125円です。
ごはん40円・副菜2種12円として合計52円なので、残りの予算は、
73円です。これを実現するノウハウが自店の武器になるノウハウに
なります。

■新条件2:人気弁当しか作らない

  弁当店側としては、いろいろ作って、私たちは頑張っていると満足したいところですが、科学的に判断すると、知らず知らずに儲からないことにも
手を出していることになります。

いろいろと30種類の弁当を今日はAグループ、明日はBグループと変えるのではなく、人気弁当10種類を「人気順位ごとに生産数を決めて着実に守る
ことが大切と思います。

この弁当店の〇〇弁当がおいしい!というのが消費者の声です。
欲しい弁当が売り場になければ、買わないかもしれません。
利益を残すためには「完売」が必要です。

■新条件3:生産数量を毎日決める

  本当は自社で販売数量の記録を取っておくことが大切です。
何年何月の何曜日のこんな天候の日には、弁当がこの数量売れたという記録です。東京の何万食を売る弁当店では、この記録と担当者の方の相場読みで
生産数を決めているそうです。
すごく「科学的な方法」ですね。
例えば、1年前や2年前の月の天候などは、気象庁のデータを見ることができます。

私でしたら、
当日の天候・季節と気温・月の傾向・曜日・イベント有無・競合店の有無や店舗数の増減などを考慮して各弁当の生産数を組みます。
弁当ごとに生産比率の「%」を設定しておくとエクセルで総数を打ち込めば
即座に数量が出せますね。

ただ、気を付けておきたいことは、
体感気温により、食べたい志向の弁当の種類が微妙に変化するということです。
●厳寒期・・・味の濃いもの、体が温まるものが好まれます。
●春・秋・・・中間です。
●酷暑期・・・味のあっさりしたもの、冷たい麺類などが好まれます。

480円以上の弁当は、値動きが激しいことや崩れ防止の観点から
魚よりも価格の安定した肉類を使って、価格とのバランスを演出しています。 

これも利益を確実に残すための数量管理なのです。
しかし、余って残数を半額販売しても、利益が残る食材原価率の
構造です。

■新条件4:売価は1個500円以上にする

  理由はいろいろあります。
食材価格は上がり続ける
 国内生産力が70%を下回れば、他国から大半を仕入れることになり、
今後も仕入価格は上がり続けてゆきます。
食料生産には寄与できなくても、生きるために食べないといけない人達が
増えてゆくからです。(*世界的な中高齢者の増加)

人件費も上がり続ける
 日本は内需を強くすることを20年以上に渡って放棄してきました。
会社の利益を増やすために製品の値上げをしてきましたが、従業員の
給与や待遇をよくするための値上げは行われ来なかったために、
所得の実質的な目減りが内需の弱さにつながりました。
でも今は、
目覚めた先進企業はその反省の素に給与のアップを図っています。
こういう姿勢の企業が増えるともっと世の中が幸福になると思います。

コロナ借金が利益を蝕む
 今となっては致し方ないことですが、2年前のコロナ借金が、もうすぐ
返済開始期となって、各企業は、まだ返済できる業績にたどり着いていないことを大変憂慮しています。
返済無理!倒産もあり得るのです。

私の見解では、税込売価430円以下の弁当店は、1日の販売量が少ないところから毎日が赤字続きとなって、200食以下の弁当店から順次消滅すると思います。
例外は、家賃なし、従業員の大半が家族で構成、借金がないなどの場合は
今後も存続貢献できます。

   一番の採算割れの要因は安く売れば売るほど、メイン食材に
   お金をかけられないことです 

500円以上の売価であればまだまだ当分はしのげると思います。


■新条件5:人件費を20%~30%減らした経営に
      切り替える

  食材原価率がいくら下げた商品開発を行っても、弁当の製造にかかわる人件費をふんだんに使っていては利益は出ません。

省力化調理機器の活用
 スチームコンベクション・・150万円以上と高価ですが、10年間は
              使えますし、人件費より格安です。
              レンジ・オーブン・スチーム機能あり

 オートフライヤー・・・・・とんかつ専門店で見て感動しました。
              油の温度と油に浸かる時間が設定できます。
              メイン食材に合わせた設定で他の食品を使う
              場合は、「火の通り具合」に応じた厚みや
              大きさを工夫する必要があります。

 ライスロボ・・・・・・・・自動のご飯炊きマシンです。450万円位。
              マイカーで450万円出しても、機器には高い
              という方が多いのも事実です。

省力化の仕組みづくり
 カット野菜の導入・ポーションカット肉の利用
 省力化調理機器が活用したメニュー群に置換える


あと欲しいのは、作り手の気持ちが伝わる
”手作り感”です。 
 

弁当事業も「売上高追求」から、「利益額」追求に
ますます置き換わってくる

と思います。

どうぞよろしくお願いします。

(了)

飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします