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飲食店未来学:専門店化時代の幕開け5:広さよりも利用価値で店舗を決める時代

今までの常識は、
➡売上を上げるためには店舗が広くないといけない

店舗が広いと客席数が多く取れます。今までは、多くの客席を埋めることで売上を伸ばしてきました。

今からの常識は、
店舗が広すぎると、従業員も食材も水光費もかかるし、思ったほど売上が伸びないから経営効率が悪い

ローカル立地の飲食店ほど、余程の好立地でもない限り、平日に満席となることは稀になってきました。例えほんの10分、20分そうであっても、以前のような客席を30分以上埋めるパワーはなくなってきました。

いろいろな飲食業界の要素を分析してゆくと、ことごとく大箱の100席クラスのファミリーレストランが苦境に立たされていることがわかります。
★客数減
★客単価減
★売上減に至る
★ランニングコストの上昇
★利益減に至る
★従業員数減少(人手不足による荷重労働の常態化)
★サービスレベルの低下(客数減につながる)

長年の合理化、マニュアル化、調理の簡素化などにより、作り上げた世界が収益生産機能を失いつつあります。

借りる店舗は、1時間以上のランチタイムの需要があるか、店頭売りが可能か、持ち帰りしやすい立地か、店舗の視認性が良いかなどで決めよう

店舗の坪数の広さよりも、狭くても家賃が安く、使い勝手の良い店舗がこれからはおすすめです。もう、どんどんお客さまが来店する時代ではありません。

お客さまを迎える店側も、利用するお客さまも、双方が持久戦のような状態になってきた感があります。店舗を維持するランニングコスト(月々の維持経費)が少ないですむ店舗が生き残る時代です。

最近の傾向

1,1,000円以上の食事を敬遠する人が増えた
2,メイン料理に追加料理を注文する人が減ってきた
3,談笑しながらの食事風景が減った
4,昼夜とも食事時間が短くなった
5,外食回数が減った

仕事で観察したり、データを分析すると、こんなことが見えてきます。

この状態が半年間~1年間続くと、閉店するお店が増えます。そうすると、その空き店舗に、飲食店がまた開業します。夢を伴って。

客数減でも売上確保が最優先

1人のお客さまから1,200円いただくつもりなら、もっと工夫してがんばって、2,500円いただけるようにしましょう。私の街でも、1日7名様以上が来店すれば、日商10万円を超すお店もあります。きっと5年も10年もどうあるべきか工夫されてきた結果として、いまがあります。

少数客×高客単価 これがこれからの売上づくりの一つの答えです。実現するためには、料理の勉強も、経営の勉強も、メニューづくりの勉強も必要です。焦らずがんばれば、一つづつ手に入ります。

私は自分の今あるお店を専門店に脱皮させることを勧めます
良質のお客さま×スロー回転×高客単価➡お客様満足度のアップ&高売上力の持続

個人経営なら客席数が20席台で十分

今から飲食店を開業したい人は、こだわりぬいた少数の美味しい料理を専門店として売ることをすすめます。必要な客席数は、平日のランチタイムに満席にできる席数であれば充分です。

『平日なのにお客さまが結構入っているね』・・・と言わせる店内の景色が繁盛店の景色です。客席数の80%が事実上の満席人数ですから、24席では、19人~20人ほど入店すれば十分です。これを1.5回転以上続くように工夫することです。

今年も生き残りをかけて、あと半年の期間の戦いが始まりました。

(了)


飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします