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食べ塾:1組平均人数が2.1人以下のお店は「席数を減らして卓数が同じ」にすると売上維持してしかも利益が増やせます

■令和の時代の飲食の変化予測すること

  毎日刻々と次の新たな時代作りが起こる令和の時代の飲食業について、
次のように予測しています。
1,外食人口が減る
  <原因>

  ①家の外に食べに行く機会の30%~50%をデリバリーやテイク
   アウトを利用する習慣が根付きだした。

  ②絶対人口の減少

  ③ランチ需要の分散化~ランチをお店で食べるとお金が高くなる
   出来上がるまで時間がかかる、店までの往復時間がもったいない
   などの理由により、和洋弁当需要・お手軽ランチ需要が今後は
   もっと増えると予測しています。

2,1組人数が減る
  <原因>

  ①年々高齢者(65歳以上)が増えてきて外食利用者から、家庭内飲食者
   に置き換わること

  ②結婚しない、子供を持たないシングルやカップルが増えてきて
   外食の場合も「1組2人」が基準単位に変わる。
   ただしイベントや週末は、逆に5人以上の組み人数になると予測して
   います。

  ③昭和、平成さらに令和と今後ますます、「1人客」が増えてくると
   予測されます。
   ランチの多様化で好きな料理を好きな時間に食べる利用が増える
   ため。

3,ランチは1回の食事予算が下がり、利用回数が増える
  ディナーは予約中心の利用に変わり予算が上がり利用回数は減る
   <原因>
  
①日常的なランチ利用は利用回数が多くなる半面、予算を節約した
   利用のしかたになると考えます。根底には、限られた予算内での
   節約志向があります。

  ②ディナー夜の外食ニーズの発生に連動して「予約中心」に利用される
   ようになります。
   ディナーでも通常相場予算で予約する場合と、スペシャルな特別な
   高額予算で予約する場合の2極化が起こると予測しています。


■経営者・店長さんが心がける3つのこと!

  お店の経営者の方や店舗を任される店長さんが、
経営上でいつも心がけていることは以下の3つと思います。

来店客数を増やすこと
 いかに多くのお客様に来店していただくか、メニューやお店の
 あり方を常に工夫します。
コストコントロールを常に念頭に置いている
 気がつけば増えている経費群、気づいて削るの繰り返しが
 経営者や店長さんの重要なお仕事のひとつになります。
利益の出る仕組みを作り、持続させる
「商売=利益を生む」の原則が利益追求経済組織の不文律です。
 できない時はじっと我慢しても、
 黒字経営をすることで利益を確保して、明日につなげることが使命
 ですね。


■「人と同じことをやっても儲かるはずがない」
 (差別化する)という考えが勝つために必要と
  思います!

  元来飲食店は、開業したい人が開業したい飲食業態を、好きな場所で
好きな形の店舗と広さで自由に行えることに良さがあります。
●誰しも1年たてば、それなりにプロになれます
●繁盛店の真似をすれば、それなりに進化発展成長します。
●でも周りの多くのお店が繁盛店をまねると、次第に儲からなくなります。
●そうすると「他店が行っていない方法で経営する」(差別化)ことが
 求められます。

であれば、
開業当初から、「繁盛店の良さを取り込みながら自分流の経営をする
ことが一番最短距離のやり方と言えると思います。

自由競争だからこそ、独自の差別化要素を持つべきと思います。

この客席稼働率という「ヒント」を生かして今後の飲食店経営の
糧としていただければ幸いです。

●同じ坪数で客席数を減らし、人件費を減らしながら、売上を上げるには
 自店の客席稼働率をまず知ることです。

■客席回転率と客席稼働率の違い 

<客席回転率>
  1日1席当たりの着席人数 (来店人数÷総席数で計算できます)
  (*繁盛店は1か月間で50回転以上とかの指標がありました)

<客席稼働率>
  満席状態の時に総席数の何%で「満席状態」になっているかを表す比率
いろいろな条件で、個別に客席稼働率が異なる比率になります。


客席稼働率はいくらか?という調査がお店ごとに必要です!
(*単に満席率(時間帯で異なります)という言葉を使う場合もあり)
●ランチタイムのピーク時の人数調査
●アイドルタイムの人数調査
●18時~21時のディナータイムの人数調査
●21時~ラストまでのナイトタイムの人数調査
を行ってみると、
時間帯別の客席稼働率=満席率」がわかります。


■客席稼働率を上げる

   お客様の1組人数中心値(例:1組平均値が2.5人の場合)と
1卓平均の中心値(例:1卓平均値2.5人の場合)がほぼ一致するか
又は誤差が0.5人以下であれば、
お客様の1組人数のあり方とお店の客席の構成がマッチしていて、
「客席稼働率は良好な状態」
と言えます!

(客席のご案内例です)

●1組人数=1人の時 ←どこの席にご案内するかで大きく違います
  カウンター席   →客席稼働率100%
  2人掛テーブル    →  〃   50%
  4人掛テーブル    →  〃   25%

●1組人数=2人の時 ←どこの席にご案内するかで大きく違います 
  カウンター席   →  〃  100%
  2人掛テーブル    →  〃  100%
  4人掛テーブル    →  〃   50%
  6人掛テーブル    →        〃   33%

●1組人数=3人の時 ←どこの席のご案内するかで大きく違います
  カウンター席   →  〃  100%(現実は稀です)
  2人掛テーブル    →  〃   75%(2人掛2卓使用)
  4人掛テーブル    →  〃   75%
  6人掛テーブル    →  〃   50%
  
という風に、
来店人数とテーブルの席数の誤差が大きくなるほど、
客席稼働率は低下します。


■1組人数ごとの月間比率を調べて、1人席・2人席の
 比率を高めて客席の稼動効率をUPしましょう!

ポスレジのデータの中に、組人数別の組数と比率が出るところがあります。

1組1人客・・・・・・〇組   比率〇%
   2人客・・・・・・〇組   比率〇%
   3人客
   4人客
   5人客
   6人客 
      ・・客
このデータ結果をランチ・ディナーとも上手に対応できる客席づくり
が客席稼働率を最大限に近づける方法です。

あるアミュプラザのレストラン街に開業した和食の食事のお店は、
     「総席数の60%~70%を→常設の2人席に設定」
     して効率化を図りました。
     *2人席を2つくっつけて・・・4人席、
      2人席を3つくっつけて・・・6人席に変更

      ランチタイムはバラシて活用、ディナータイムはくっつけて
      活用できる形にしました。

また、1卓の着席人数が半分になると、ホールスタッフの
作業量も同じく半減できます。手早くテーブルでの作業が完了します。

■客席稼働率の知識はどこで活かせるか?

前もって知っていただきたいことがあります。

1、客席稼働率の特徴とは

①飲食の業態ごとで違います。

②さらに立地や広さの違い、客層の違いがあるので、お店ごとに
 大きく異なります。

③同じお店でも営業の状態や種類(ランチタイム・アイドルタイム・
 ディナータイム・ナイトタイムなど)で大きく異なります。

④現状では、4人席~10人席の比率が多いお店よりも2人席や
 1人席(カウンター式テーブル席)のあるお店の方が稼働率は高い。

⑤同じ総席数のお店の場合でも、1卓当たりの人数が少なく、卓数が多い
 お店の方が客席稼働率が高い。
 よって営業効率もよく、売上が高くなります。


2、活かし方の一例

①融資を受ける際の事業計画書の売上高予測の計算で活かせます!

  通常売上高は、「客単価×来店人数」で表すと言われますが、
本当はこれは、飲食店という事業内容をよく知らない場合の表現です。
悠氏の審査で合格するには、
もっと一歩入った売上予測の考え方で書くべきと思います。

 方法~大まかに区分時間帯別の客席稼働率で売上予測計算をする

●<ランチタイム売上高>(例11:00~14:00)

ランチ客単価@800円×36席×客席稼働率(満席率)80%×
営業日数25日=ランチ売上高

<アイドルタイム売上高>(例14:00~18:00)
  アイドルタイム客単価@650円×36席×客席稼働率50%×
  営業日数25日=アイドルタイム売上高

<ディナータイム売上高>(例18:00~23:00)
  ディナータイム客単価@2500円×36席×客席稼働率70%×
  営業日数25日=ディナータイム売上高

さらに仕組みをプラスすると、
<テイクアウト売上高>
  テイクアウト予測客単価@1000円×予測人数=テイクアウト売上高

<デリバリー売上高>
  デリバリー日商予測値@15000円×営業日数25日=375000円

(*今の飲食店は少なくとも5つの売上手段を持っています)



②新規オープンやリニューアルの際の客席構成づくりに活かせます!

●1組人数の比率を調査して、客席の組み方に反映させる
 
カウンター席、2人掛席、3人掛席、4人掛席、6人掛席、8人掛席
 最大10人掛席までは設定範囲と思います。

<1人客の客席対策>
  ランチタイムは、1人客や2人客が多いために、4人席が多いと
客席稼働率は半分以下に落ちます。
今後の傾向として、 
1人掛席や2人掛席をもっと増やす傾向が強まると判断しています。
満席率が高まる作り方に変わってきています。

(*これからは、狭くてとなりとの距離がない通常のカウンター席でなく、
  1人客席幅が70cm~80cmある壁付テーブル席のカウンター式
  が普及すると思っています)

<2人客の客席対策>
  店内の2人掛テーブル比率をどれくらいにするとベストか判断できる
 科学的データの基になります。
 (*2人掛テーブル席でも、個室化傾向が高まりつつあります)
 
<3人掛・4人掛・5人掛テーブル対策>
  
望まれているのは「空調・換気・照明などが完全に単独設置」された
完全個室です。(隣席の声が聞こえるか聞こえないかで満足度が違います)
プライベート性の向上は、外食の需要ニーズとしては重要な要素です。


またまた長文になりました。

お読みいただいて恐縮です。ありがとうございます!

(了)



      

飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします