見出し画像

食べ塾52:飲食店がやってはいけない「8つのこと」お知らせします!

令和4年5月5日加筆修正済み

令和4年の1年間は、政治・経済・モノの価格の変動が大きい虎年です。
動きが過激すぎる激動の令和4年の飲食業界で、
墓穴を掘ることになるので、飲食店がしてはいけないと思う7つのことを
お知らせします。

■1:値上げをしないで節約して我慢すること

  日本の多くの飲食店はもう20年以上もまともにメニュー価格の値上げが
できていません。欧米はデフレスパイラルがなかった分だけちゃんと経費に
見合う値上げをしてきているようです。

日本で1,000円のものがアメリカで1,500円は平気でとるでしょ。
現地への輸送費がかかるとしても、日本は委縮した価格で生きながらえてきたのですから、

食材の値上がりをがまんして値上げをしなければ、
あとは、B級食材を使って利益をひねり出すしかありません

でも、ここで商品力を落としてしまうと、
”消費者の支持を失うことになります!”

●どうしたら値上げが成功するか?
●どれくらいの値上げが存続に必要か?
●どのメニューを値上げするメインにするか?
などを検討する必要があります。

■2:1度の値上げ率を今までの価格より15%
   以上高い価格で値上げすること

  飲食店利用の固定客のお客様は、都会や観光地を除けば80%近くいるはずです。1年に1度、または2度値上げしても、一度の値上げは最大
15%以内が望ましいのです。

お客様が、この新価格なら「また次もこれを注文する」という気持ちになる価格でないとワンランク下ののメニューに鞍替えしたり、来店しなくなったりして、月商の減少につながることになりかねません。

   値上げをする=売上減リスク と考えることは大きな間違い
   → 値上は事業を継続するための正当な経営行為です


データ不足、検証不足、自信不足などで、ついつい後回しにしがちです。

*成功する値上げのコツを知れば、堂々とチャレンジできます。

価格を引き上げるのが失敗でなく、
 価格の「引き上げ方」を知らない為に失敗する」例がほぼ100%です

食材高騰、人件費の高騰、運賃の高騰など経営の圧迫要因はいくらもあります。利用するお客様は、値上は歓迎しませんが、
このお店を利用したいなら認めるしかないと思っていただけます。

*価格が上がってもQSCのクオリティーが高いことが保証になります。

そういう意味では、例えば15%の値上げが必要な場合には、
原価率を少し引き下げる食材の工夫をして、売価も少し引き上げる形の
7.5%原価率を引き下げて7.5%売価を引き上げる手法が一番安全と言える
かもしれません(*15%引上げの場合の例)


■3:客層から見て敬遠する高価格メニューを
   店都合で出し続けること

  高級食材の料理を、値上げ率を計算してこの価格でしか出せないと
店側都合価格で売価を決めた場合に、今まで売れていた人気メニューが
途端に売れなくなることがたまにあります。

一見して、お店から見ると儲かりメニューが、価格設定によっては嫌われ
メニューに変ることもあるのです。

それは、そのお店に来ている利用客層の80%以上が、
高すぎると感じるメニュー価格帯の価格を生んでしまったことにあります。

客層上限価格を超える価格の商品はカットする または、
ポーションをダウンさせたり、ハーフサイズメニューを作る

工夫が必要となります。
メニューの価格全体から受ける印象が「自分の来れるお店」という限度と
安心感を損なうと、値上げによる離反客が生まれる場合があります。

■4:飲食店的ステルス値上げをすること

  飲食店は対面商売ですから、
お客と直接接しないポテトチップスメーカーの商品とは仕組みが違います。

ハンバーグの中身を減らしたり、コストの低い食材に切り替えたりすこと
で隠れた値上げをするステルス値上げは、飲食店ではやってはいけない方法と思います。(*価格維持のために行いがちです)

正当で変わらない品質の料理を、真っ当な価格で販売する仕組みがないと、
年間に数回ある食材の値上げに対抗できかねると思います。

■5:焦ってごまかす偽装表示をすること

  儲からなくなると、産地偽装や虚偽偽装が起こるのが飲食業界です。
中国産の椎茸が国産になり、アサリも国産に化けたりしてきました。

やってばれなかったらしばらくはいけますが、やがてはバレて潰れます。
信賞必罰なところも、私が飲食業界が好きな理由です。

多くの飲食店が、自らの将来を保証するために偽装表示を改めてきました。
・輸入肉を国産と表示
・ロースカツと表示してモモ肉を使う
・地魚といって養殖や海外産の活魚を使う
・地元の野菜といいつつJAの流通物を使う
・地鶏といいつつ廃鶏を使う

など細かく見ればいろいろあります。

お店ごとに力量も違いますし、工夫の度合いも違いますから
値上げ後の成功の度合いは千差万別です。

メニューの偽装表示や表示した分量より少ない料理を出したりすることは、
飲食店にとっては、自ら招く自殺行為、地獄への道と思います。

■6:一見客と常連客を区別すること

  もう長いこと区別の指標になっていた一見客(いちげんきゃく)と
常連客という区別のつけ方は、令和の今後は無用だと思います。

区別をつけるなら、
地元客と観光客という区別でしょう。
または、
店内飲食客と店外利用客と思います。
来店利用でも、テイクアウト・デリバリー・通販客など
飲食店のあらゆる機能が多様性で使い分けされる時代と思います。

今までのような

笑顔の出し方も、言葉のかけ方も差別してはいけません
お店に来てくれるすべての人が大切なお客様です

本当は、固定客候補の「一見客」を大切にする
ことがお店の経営者やスタッフの役目です!


■7:コロナ前の人数を揃えたいと思うこと

  登録人数もシフト人数も、すべてコロナ前基準で募集すると
人件費オーバーで儲からない羽交い絞めの仕組みを作ってしまうことに
なります。
アフターコロナ時代になるまでは、100%復活はならないわけですから、
人件費過多の赤字体質を作ってしまいます。

<人件費を減らす>
・調理や接客の仕組みを大きく変える
・調理や接客の作業の支援機器を導入する
・店舗の一部を改装して管理しやすい店舗構造に変える
 などの検討が必要です。

  私の所見では令和4年中は売上が完全回復しない
  と思います
また
  飲食業界離脱者の40%位は離反して戻ってこない
  と思います
  だから、人手不足はもっとひどくなると見ています

助けてくれて確実に仕事をしてくれる「仕事支援機器」を導入する時代に
とっくになってきています。
本当に実務支援レベルまでAI機器の能力アップができてきています。

■8:原価をかけないと売れないと思い込むこと

  原価をかけて「安い・ボリュームがある・美味しい
が数十年にわたって飲食業の不文律でしたが、今の飲食業界や食べ物の世界を見ると、

新規飲食店は ちゃんと
「今どきの30%原価の売価」で売っている

ことに気づかされます。

これができていないのは、旧来の既存飲食店だけです。

商品や売価など今の形を変えると売れなくなるは思い過ごしであり、むしろ
何もしないで今まで通りだと、経費圧迫でこの先消えますよ
になるだけです

とお知らせしたいわけです。

多くの大手の飲食店は、食材原価率「30%」を基準に±3%で
仕組みを固めつつあると思います。
メニューを変えて、利益を増やすことが経営者のミッションです。


応援しますから、チャレンジしましょ!
同じにくたばるのなら、努力して戦ってからそうしましょ!

私はそう思います。
そうしないと生き残れないし、勝てないと知っているからです。

(毎週月曜・水曜・金曜日 6:00に定期投稿)

(了)

飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします