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飲食店経営者によるコンサルの使われ方はイロイロあります~実体験報告

この投稿は飲食コンサル10年未満の方のために書いています

 私は飲食のコンサルタントを30年以上続けてきて、いよいよ来年の2024年の後期高齢者になる年を区切りに現役を退くことをただいま覚悟中です。
 以後は「飲食店研究者」として、日々の飲食店動向の研究とキンドル本の執筆をがんばりたいと計画しています。

 基本的には飲食店の経営者と同じ目線も高さで仕事ができるはずのコンサルタントの立場が、経営者さん達からどうような使われ方をされたか、この一文にまとめます。

私の今年の著作したキンドル本です。
●2023年11月までの飲食業界の現状を反映した開業ノウハウ本です。
(12月1日発売)

2023年春に出した「飲食店主とコンサル専用」のノウハウ本です


🍓立場の認識は3通りある

1,経営者もコンサルも同じ目線で同等の構図

  これが本当の契約時の基本形です。
どちらが上で、どちらがしたというものではありません。
一番長く契約が続く関係のあり方です。

どちらも配慮と努力が必要です。
こう考えて接してくれる契約先を見つけることです。

2,経営者が下でコンサルが上の構図

 コンサルは支援する方だから、マウントをとった上から目線で支援すればいいというものではありません。
上下関係は抑圧する者と抑圧される者の関係です。

 提案が=指示・命令になり、まず長続きしません。
理由をつけられて、早期解約になりやすい。

3,経営者が上でコンサルが下の構図

 2と逆に、経営者が上から目線でくる場合があります。
このタイプの経営者の方は、自社の給与を払って雇用している社員と、
業務契約をして平等な関係の契約をしているコンサルとの区別がつかない
混同した知識能力の方です。

 意外とポツポツいます。
どんどん言ってきますが、こちらの提案はあまり聞く耳は持ちません。

🍓コンサルと競う経営者がいる

 私の中の良い経営者の一人の方がこのタイプです。
コンサルはお金をもらっているからこそ、「経営者に喜んでもらえる知恵のご褒美を提供している」ことを知らずに、

 オレもこれだけの知恵とアイデアがあるよと、競争意識をむき出しにしてくるタイプです。
ある意味、負けん気があってちょうどよいのかもしれませんが、そうなると
こちらはその上を行く「知恵のお土産」を考える必要が出てきます。
半分以上は、経営者の方が勝ちません。

 なぜなら、こちらは24時間のうち、睡眠時間を除いたほぼすべての時間を使える分だけ、ずっと有利な環境にいるからです。


🍓コンサルを自分の失策の言い訳に使う
 経営者がいる

 このタイプの経営者の方には、何度かお会いしました。
どの経営者の方にも、友人、知人がいます。

 こちらが提案した時期に聞き入れずに、あとになって悪い結果が出始めた時に、「コンサルが大したことないから」と友人・知人に漏らしているのを
知ったことがあります。

 一番の真実を知っているのは、そういってるあなたなのにね、と思う次第です。こういう事業体は、衰弱して滅亡する傾向があります。


🍓品格のないわがままな経営者ほど手のひら
 返しで裁判するという

 コンサルを始めてから来年で丸35年間になりますが、今まで「裁判するぞ」と脅されたことが2度あります。

 いずれもこちらが失態を犯してしまったわけではありません。

1度目の事例:酒販店経営者がレストラン経営で失敗した
 
開業して6か月経った時点で契約したおしゃれなディナー型レストラン。
赤字の原因を調べてみると、
『初期投資額を市場で見込める年商額の2倍を投資』(7000万円ほど)
あの企業の飲食店は凄いねと言わせるための過大投資。
床はすべて大理石貼りでした。

 おまけに、この社長から怒られた料理長がフライパンを投げとなして即退職して、お店も即閉店。この責任が私の方に来た。
以降5年間、この酒屋さんの卸先の飲食店のメニュー作り支援を無償で行った。(お金もなく、知恵もない、初期の有様です)

●2度目の事例:だらしない経営者夫婦を叱った
 
お米の卸をしていた会社がおにぎりショップを開業。それまでは順風満帆。数か月経つと、だんだん本性を出し、自堕落な経営者のあり様が見えてきて、繁盛店を作りたいならもっときちんとやろうと意見。

 ある時呼び出しがあり、支払った金額の半金を返せと言ってきて、
この時もなすすべがなく、持っていた90万円を示談金として支払い。

 この2件を経験値として、こういう事例に至る流れをつくらない
契約プロセスを意識するようになりました。

 実際に裁判をするきはいずれもないのに、裁判するぞと脅せば
相手が折れると読んでのことです。
今なら少々のことには対応できますが、コンサル10年未満の頃は、
経営者の方に鍛われっぱなしでした。
 

🍓意見を取り入れるよりも自分の意見と同じ
 意見のコンサルを気に入る傾向がある

 こういう方はローカルに行くほど多い。
要するに、
〇コンサルを知らない、付き合い方がわかっていない
〇理屈では意見を聞きたいが、本音は誰からも指示されたくない
したがって、
 一番気持ちがいいのは、自分の意見と同じコンサルを好む傾向が
生まれます。
でもこれって、本当は成長の推進力にはなっていないですよね。


🍓コンサルと一緒につくった実績を自分の力
 だと自慢する経営者が多い

 これはもう、お金と引き換えに「成功の果実」はあなたのご褒美ですと
コンサル自身が経営者の方に花を持たせておくのが一番です。

 ただし、2人で酒を飲むときは、「2人でこうしましたね」と
伝えておくことが暴走を防ぎます。
このタイプの経営者の方は、周りにヨイショ専門の取り巻き連中を多く
持っていることが多いからです。


🍓がんばり続けるのが嫌になるとコンサルに
 対する不平をいう経営者がいる

 ある弁当店の経営者は、開業時に、「2年頑張ります」と言っており、その通りに2年経つと息切れし始めて、
採算分岐点売上は超えたけど、まだキャッシュフロー分岐点売上は超えていませんよと言っても、もう半分ガス欠。やる気半分。

 税理士にも金融機関にも、少しづつ不平を言うので、契約を解除。
私の描いた「真っ黒で儲かり過ぎる弁当店」の夢はとん挫しました。

経営者さんも人間ですから、周りの賛同を得るためには、あの手この手で
手を打ってきます。


🍓契約が終わっても感謝を忘れない経営者が
 いる

 本当に何人もの元契約先であり、私の人生でかけがえのない方が多くおられます。
広域レストランの創業経営者。
居酒屋チェーンの創業経営者。
焼肉チェーンの創業経営者。

これからコンサル業で人生を送られる方は、このような経営者の方と出会いながら切磋琢磨して、「研ぎ澄まされて切れる包丁になる」と思ってください。


長文になりました。(2,600文字)お読みいただきありがとうございます。

(了)




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