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食べ塾116:今秋顕著になる飲食店の変化とは?そして、とるべき対策とは!

 もう,秋9月ですね。暑い日がまだまだ続きます。(8月26日予約投稿)

秋から年末にかけては、来店客の回復が見込める一方で、
新たに見えてきた飲食店の現象を報告して、その対策もいっしょに
考えたいと思います。

🔷大型店が満席にならなくなった

  70~80席以上の客席数の大型飲食店では、平日の来店者数が、
低調のまま推移しています。
本来は、売上高の70%を占める夜間の来店人数は、客席数の
50%~60%が埋まる程度です。

今後、コロナ沈静後になっても、かっての夜間来店人数は戻ってこないと
思っています。それは、コロナ期の3年間で、利用の仕方が変化したからだと受け止めています。

大型店は、
オープンの客席構造が基本であり、食材が上がり、メニュー価格が上がって
FR本来の、24時間営業でドリンクバーもあり、価格も手軽で使い勝手が
良いという条件が崩れてきています。

FRちゃーん店でも、1人当たり1,500円~2,500円かかるようになりました。こうなると、他の「少し安い専門店」に行った方が、
もっと満足感が高く得られるようになります。

売上の10%程度の本部費がかかり、CK(セントラルキッチン)からの
輸送コストがかかる大規模飲食チェーンは、
いま大きな岐路に立たされています

<大型店がとるべき対策の一例>

①かねてからの飲食店の転換すべきテーマがあります。
それは、
<土日中心の運営体制を平日基準の運営体制に変える>
という、もうとっくにコロナ期から行わなければならなかったことです。
平日売上で採算ラインにのせる仕組みに切り替える改革です!

平日売上基準の目線で今の店舗を見ると、
●店舗が広すぎる
●従業員が多すぎる
●メニューが多く、食材が多すぎる
●水道光熱費がかかり過ぎる
これです。

これで、もう解決策は見えますね。

➡●客席数を少なくする(店舗を狭くする)
 平日に満席の景色になるように客席数を30%位削減する。
場合により、店舗面積を狭くして、加工場やテイクアウト窓口を新設してもよい。

➡●店舗従業員を少なくして他の新規部門で活躍してもらう
 テイクアウト窓口、近隣へのデリバリーサービス、加工部門への配置、
新規飲食業態スタッフとして活躍できます。 

➡●メニュー数を減らし、食材数も減らす
 私の経験では、90席の店舗でも、メニュー数を30%減らしても、売上高は
ほぼ減らなかったという例があります。調理の作業負担が減り、
調理スタッフを1名減らすことができました。

➡●店舗面積を減らすとホール人件費および、
  空調機器や照明器具の電気代を減らせます
 
店舗の仕組みを「平日基準」に変えることで、ランニングコストがどんと下がります。そうなると、土日が繁忙日にならなくても赤字が出ません。

繁忙日になれば、人手不足が起こった場合に備えて、両日とも時給2,000円で昼夜各4時間の条件で、PAを雇用すれば良いと思います。


🔷注文点数が少なくなり客単価が下がった

 焼肉店の例で説明します。
全体的に単品価格の高い焼肉業態のメニューの値上がりに反応して、
お客様のオーダーする商品数が減少しています。

安い焼肉セットを注文しキムチ、ナムル、サンチュは注文しない
 5,000円~6,000円台の比較的安い焼肉盛合わせの注文が増えた。

男女2人客で黒毛和牛ロース2人前とホルモン1人前で焼肉を完結した
 隣の席の方たちは、この注文の後に、石焼ビビンバ1つと、
 ハイボールひとつとウーロン茶を注文されていました。

 *たまにしか行かないからちょっと贅沢にという使い方と、
  ちょくちょく行くから簡便に使うという2つの使い方があります。

オーダーイメージでいうと、焼肉類40%、ご飯もの30%、飲料30%
 というライトなオーダーぶり

 滞留時間もかっての90分平均から60分前後に短くなっています。

総合的に見ても、昨年以前の焼肉店の時よりは、「1組単価」は、
確実に落ちていると感じました。

<メニュー構成でとるべき対策の一例>
●既存メニューは、食材の値上狩りに連動して価格を引き上げる
しかし、これだけでは、お客様は委縮した利用しかしません。
だから、焼肉店でいうと、「新たな安い焼肉メニュー」を
デビューさせる必要があるのです。

 ・豚ハラミ
 ・マトン、ラムロース
 ・豚ホルモン など ご検討ください。

 安くて、食べ応えのある「焼肉食材の開発と提供」が、
客単価増、組単価増につながると思います。


🔷夜は19時から21時の1回転で終わり、が増えた

 コロナ前のような、19時前後のピークタイムの後の第2波、第3波は、
まったくなくなってきたと感じます。
そういう飲食店の方の意見を多く耳にするようになりました。

外食の夜の時間の使い方に、お客様の力強さが感じられなくなりました
これは、例えると、脂身たっぷりのカルビが油っけ全くなしのハツ(心臓)に入れ替わった位の味わいの変化です。
確かに外食利用のあり方が激変中です。

夜間営業で、売上を稼ぐのが難しくなります。

<ニーズの強さ×価格感で集客する対策の一例>

高客単価メニュー店に変えて売上を同じ程度確保する

低価格路線で、短時間×高回転率飲食店に変える

私は、この2択しか残っていないと思います。
もっと2極が進むと両極端な部分のいずれかを選ぶ決心が必要になる
と思います。

暗い話をしたいのではないのです。
現状のあり方を知ってもらって、どう対策をとるか、間違ってもいいので
アクションをしていただきたいのです。


21時以降の来店客がほとんど見込めなくなりました
客数も、客単価も減少するので、売上が増えません

サービス商品などをカットし始めていますが、
まだ、根本解決に着手している飲食企業は多くありません

なぜなら、どうして良いかわからないからです
でも、何らかの手を打たないといけません

現実の外食の変化の方が先に進みますから
何もしないとジリ貧しか残りません

今までのお店のあり方では生き残れませんよ!と、世の中が
親切に教えてくれているのです
勇気を出して実行したアクションで、あなたのお店は「進化」する


🔷若いお客ほどお酒を注文しない

家に帰ってスマホで過ごすから、酔うとできない

●食事だけなら負担は軽いけれど、お酒の金額が余分な負担になる
 
誰かが奢ってくれるなら別。

●もともと飲まないで帰るつもりでマイカーで来た

●酔ってからバスや電車に乗りたくない
 高くつくからタクシーにも乗りません。

およそこんな声が聞こえてきています。

<お酒を飲む外食から、食事中心の外食に変わる対策の一例>

食事セット、食事コース中心にメニューを組む
 もう宴会コース+飲み放題、飲み食べ放題コースというパターンは
食材もお酒も値上がりを続ける限り、1人の金額が5,000円の壁を超える
時点で、すべて崩壊すると思います。(4,500円で半分変化する)

もともと「放題コース」は、単品オーダーよりも安くてお得という
前提で、生まれた仕組みです。だから、上限価格に限界があるのです。

焼肉キングさんも牛肉だけにこだわると壁が出てくるのは当然です。
肉関係の飲食業態を見ると、新規食材は「マトン」が第一候補になっているようです。争奪戦が起こると、これも値上がりすると思います。

今からのスタンダードは、

食事中心の注文80%+お気に入りのお酒20%」ではないかと思います。


最後の最後まで負けない気持ちを貫くことが勝つ秘訣です

(了)

飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします