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食べ塾48:厳しいけどちゃんと成功する令和「起業の必殺ルール(掟)」とは?

  コロナ禍が収束に向かう令和4年度は、前半より後半から「起業」が
一段と活性化するとみています。
コロナ禍で消滅した店舗群を埋め尽くすように、民間からの起業が多く
誕生すると思います。
しかし、3年後、5年後には、その多くは存在しません。
潰れないお店を作る、儲かるお店を作るためのコツを、飲食のプロが
お伝えします。

■掟1:起業は先行馬が99頭いる競馬レースと
 考えて、どうしたら勝てるかを考える

私は賭け事はしませんが、G1レースとかを見ても一番になることはなしに
しても、入賞することも難しいのが、飲食業の起業です。
ほぼどんなお店を出しても、自分の開業する新規店の前には99頭の店が
あり、自分の店は100頭目だと知る必要があります。

●やってはいけないこと

1,今東京ではやっているからこれしよう!は間違い
  
もっとも愚かな起業心です。
東京で繁盛しても、大都市圏でしか繁盛しないスタイル(例:焼肉ライクなど)や、ローカルに住む人たちが同じ文化意識に高まるまでのタイムラグを
見ないと、繁盛しないことになります。
東京で地酒ブームが起きてから、大分にその土壌ができて人気が高まるまで
2年~2年半の月日を必要としました。
早すぎても、遅すぎても繁盛しません。
素人のあなたには、飲食店のプロでも多くが間違うベストな出店時期が
わかるはずもありません。

2,みんなと同じ業態だから大丈夫!は間違い
  
これもとんでもない思い違いです。
あなたの起業は、知名度ゼロ、固定客ゼロ、資金力微力でゼロに近いところ
から始まります。どうにかこうにかやっている先行馬のお店でさえも、
営業年数があり、地場での営業経験があり、固定客がいます。
新参者のあなたが、同じお店を借金して起業しても、どこに勝てる要素が
あるでしょうか?

3,現実に通用すると証明されないのに店舗展開する業態と決めつけること
  
これもかなり愚かなことです。
そんなに世間も、お客も甘くはありません。私の経験では、少なくとも
10店舗~20店舗くらいは出して検証しないと、全国展開できるかどうか、確証のかけらすら持てないと思います。

やらないといけないこと

1,勝てる仕組みをどう作るかを考える
  
自分が100頭目の後発で起業するわけですから、今までの既存店より
新しい商品、新しい販売システム、新しい価格体系などを考えて、
先行する同業態店との「差別化」を際立たせる必要があります。

・既存店の欠点を埋め合わせるもの
・既存店の仕組みよりより便利なもの
・周りの既存店と競合しない新しい発想のもの
などを考えてみると良いと思います。

■掟2:既存店規模と同じお金をかけないで
    半額予算で開業する

お金をかけるように言う業者意見は、話半分で聞く
  
ここ10年以上は新規物件はさほど潤沢にはありません。
少なくとも、店舗取得費用を除いた内装費用や厨房設備費用は、
どうしたら「半分で済む」ようになるかを研究して解決すべきです。

余分に開業にかけた費用は、すべてペイラインの引き上げにつながり、
1年、2年と黒字化を遅らせる主な原因になります。

店舗物件取得費用
 起業時は賃貸物件を契約する。買取り取得は負担が大きくなる。
月間の売上見込み額の1/10(10%)が家賃の上限額です。

内装費用
 飲食店は、キッチンがあり、トイレがあり、壁や段差があるために
民家の2~3倍の坪単価がかかります。
シンプルにすればするほど、工事費が下がります。
施主が工事の手伝いをしてコストを下げる話も時折聞きます。

厨房設備費用
 素人さんは全部新品で揃えます。価格だけケチると悪い2流のステンの
製品を交わされます。
良質の冷蔵庫・冷凍庫・製氷機・食器洗浄機(30席以上で必要なら)は
新品の購入をお勧めですが、ガスコンロ、電子レンジ、作業台、シンク
(流し台)、棚などは中古のステン製品でも構わないと思います。
新品50%、中古50%位で組み立てると、総額が半分程度になります。

看板費用
 昔は酒造メーカーさんとかが協賛して20万円くらいまではタダでしたが、今は地元の食材メーカー・ブランド生産者あたりと交渉して、協賛を
募ってみてもいいかと思います。(使う食材の生産者の方など)

椅子テーブル費用
 お客様から見て、椅子テーブル、食器、照明器具は、店舗の居心地感や
おもてなし評価に直結する要素です。
内装費用や厨房設備費用を削っても、こちらに投資する方がよいと考えます。メニュー価格そのものや、平均客卯単価の高低に直接影響します。
ただし、例えば椅子の固さですが、

客単価が1000円以下で安いお店
 →固い木の椅子で着席時間30分~40分間イメージ
  (うどん・ラーメン・お好み焼きなど)

客単価が1000円超えのお店で中間タイプ
 →木の底板の上にあまり豪華ではない程度のクッションを張った椅子
  着席時間40分~90分間イメージ(通常一般の定食店など)

客単価が高い高級店のお店
 →椅子のクッションも厚くて深みがあり、最も高い店は背もたれがあり、
  ひじ掛けがついている場合もある。(割烹店のカウンター席など)

照明器具費用
  過半数が女性客の想定でしたら、間違いなく「照明」と「食器
と「雰囲気の演出」にはお金をかけたり知恵を出しておしゃれ感を増したり
すると固定客のファンができやすいかと思います。

食器購入費用
  私は10年余り食器販売の営業マンをしていましたので、
飲食店にとっては、食器は大切な存在と思っています。

客単価が上がるほどよい食器を使う
 女性と目の肥えたお客様に好感を持ってもらうための単純な方法です。

中身が同じなら高い食器を使うほど高く売れる
 これは料理の衣(衣服)は食器という一体感で料理とみられるからです。
 食材原価率を下げる簡単な方法の一つでもあります。

起業の成功不成功は、
着手するまでの限られた期間にどんな考えでどのように
進めたかで50%以上が決まります!


(了)

ご質問にお答えします。

オードリー7へお暇ならメールください
utsumiya.masahiro@gmail.com
 



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