飲食店未来学:専門店化時代の幕開け4:食材枯渇の時代がやってきた
飲食店コンサルの私の結論はこうです。
地球上に飲食店がある限り仕入食材は未来永劫上がり続ける
見たとたん、嫌だと思う方ばかりでしょう。でもこれは着実に実行される状況なのです。その理由は、
●地球の異常気象慢性化
毎年地球のどこかで、水害や干ばつ、暴風や豪雪があります。どこで何かの変化が起これば、それは順調な肉魚野菜などの農産物海産物の安定供給を阻害します。天候異変による生産量の減少が毎年起こります。
●生産者の減少(日本)
法人化のしくみで若者が農業や漁業、林業に就業されています。しかし、現状は、農業者の多くは70歳以上が支え、漁業者の多くも70歳以上です。この人たちが令和10年前後以降は一斉にリタイアします。
魚類の不漁がもう10年以上前から言われています。漁師さんも高齢となり、船の燃料価格も円安で上がったままです。漁に出ても儲からない時代です。こんな状況ですから、品不足になるたびに値上がりするのは当然と言える状況なのです。
●日本では高く売れない
詳しくはわかりませんが、日本で1,000円で売れるものが、海外では1,500円~2,000円以上で普通に売られているように思います。食材の良品すべてが国内消費ではなくなっています。一部は、海外の富裕層が食べているとイメージしてください。
そこで私の提案は、
食材は自分で生産しよう
大分県には、山女魚を養殖して山女魚料理店を経営している方がいます。鱒の養殖もあります。県南の佐伯市では、カンパチ、ブリ、サバ、ヒラマサ、フグ、ヒラメ、伊勢海老、カワハギなどの養殖も盛んです。
自前で魚を養殖する。養殖業者さんと直結した専門飲食店に変える。食材高騰が続く未来を見据えると、食材の絞り込みと選択がいますべきことになってきています。一例です↓
使う食材を小さく絞り込み良品を提供しよう
日本の飲食店の一部においては、世界に恥ずべきことを平気で行っています。たとえば、商品名はチキンナゲットと書いていても、その実態は大豆たんぱくにチキンパウダーを加え、色味や風味、味わいをすべて添加物でアレンジする極悪格安ナゲットのように、同じようなことをハンバーグやメンチカツ、カレーなどの自社商品に行い、他社より安く売る、美味しいと錯覚させる、半分にせものとも言える商品を販売しているところもあります。
反対に海外の観光地では、こういう加工マジックは使わずに、正規の自然な食材を、適正価格で売っています。日本は失われたデフレ期30年の中で正道を見失ってきたため、今の添加物アレンジ料理があります。
高価格でも売れる専門店に変えよう
牛のすね肉でもいい。頭肉を使ってもいい。比較的安くて今後の供給も容易な食材で、新たにプチ専門店を誕生させましょう。豚肉でも、馬の肉でも構いません。同じことです。自分が惚れた食材ひとつに絞りましょう。
そして、いつか自分自身が「これは絶品だ」と心から感動する料理を一つ生み出しましょう。そうすれば、あなたのお店は向う20年、30年生きながらえることができます。
高価格でも売れるコツは、この金額を支払ってもいいから食べたいと思わせる料理を生み出すことです
いわばボーリングのヘッドピンのような際立つ料理です
その他の料理は連動して売れてゆきます
明日が希望溢れる日でありますように。
(了)
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