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飲食店未来学64:人手不足は魅力不足が原因です

飲食業界に関わらず、どの業界でも、人手不足や定着率の悪さに悩んでいます。私が思うには、やはり「仕事や職場の魅力不足」が最大の原因と思うのです。では、その魅力とはどんなものがあるか、飲食業界を例に、ちょっとだけ考えてみましょう。

最終的には、会社側と働く個人のエンゲージメント(相互信頼関係)と言われるが、私は、もっと奥深い「私の人生をここで費やす」という覚悟が生まれるほどの心がないと、そうはできないと思います。

仕事自体に魅力がある

今は、猟師にしても、農家にしても、民芸品づくりにしても、陶芸にしても、数は少なくても、『私はこの道を進む』という人たちが出てきています。10代、20代は迷っても、30代以降は、限りある自分自身の能力資源を活かす対象を見つけるべきでしょう。

私は、美味しい料理を食べたい(子供の頃は貧乏食生活)→美味しい料理を作りたい→飲食の世界にあこがれ→40歳の時に飲食のコンサルタントにたどり着きました。子供時代からコンサルになるまで、ざっと30年かかりました。このコンサル業は私のすべてです。命と同じ重さがあります。

やり甲斐や喜び、感動がある

飲食店で、「美味しかった。また来ます。」というお客さまからの感動を生む言葉のように、仕事自体に魅力がある、職場のあり方に魅力がある、会社のしくみに魅力があることで、そこからやり甲斐や喜びや感動が生まれます。

年収に魅力がある

独身の時は手取りが20万円でよくても、家庭を持つと30万円以上は必要です。やはり年収の伸びはやりがいの一つです。飲食業界の東京の時給の平均値は、いまや1,600円に達したとのことです。ローカルエリアでは、2~3年後はこの待遇に変わると受け止めておいた方が良いでしょう。

九州の大分市でも、この人がいてくれて助かります、という1.5人分の能力をもつパートさんの場合は、1,200円以上の時給を出す例もあります。900円のパートさんを2名雇用するよりも33.3%もお得ですから。

省人化機器、省力化機器などのAI機器の導入が進むごとに、人手不足は解消されますが、仕事のできる「スーパースキルパートさん」はますますいなくなるでしょう。中には、並の社員さんよりも多い給与を稼いでいます


待遇に魅力がある

飲食業界では、週一休みが改善されて、四週五休制、さらに週休二日制(平日も入る、連続二日の休日ではない)や、完全週休二日制(毎週連続して二日の休み)、週三勤務制、週四勤務制を適用することで、休み方改革を進めてきています。

従来と違い、家庭を最優先にする、趣味に時間を使う(スポーツや音楽などのために勤務日数を短くする、試合やイベントで日曜日は勤務しない契約にする)などがあり、多種多様な雇用形態があります。


報酬のしくみに魅力がある

会社が定めた一定の利益以上に利益が上がった場合は、従業員全員に利益配分比率が決まっており、その比率に従って現金を支給する。株はなくても、配当のような形です。経営に参加しているのと同じ感覚で、仕事に取り組めます。

一例としては、余剰の利益総額の1/3を運転資金、1/3を内部留保(改装等)、1/3を従業員の利益配分費用にあてます。給与以外のプラスアルファの収入になるお金です。


食住に魅力がある

ある大手の焼肉屋さんでは、人手不足の解消策として、自社で10名以上収容できる独身寮を持ち、借り上げ住宅制度を持っています。並行して給与の一部を銀行預金にすることを奨励しています。飲食店ですから、昼食と夕食はまかないごはんが食べられます。あとは住むところがあれば何とか生きてゆけます。数年で退職する人でも、平均100万円以上の貯蓄高になっているようです。

人間は死ぬ当日までは、未来があります
悔いのない一日を送りましょう!

(了)




飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします