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食べ塾58:これからの飲食店は「商品力と価格づけ」が生命線になります!

今年(令和4年)の年ほど飲食業にとって厳しすぎる年はありません。
しかし、飲食業の原点は奈良・平安時代から一度も消滅することなく
いつの世も「食のニーズ」を満たす役目を果たして来ました。

●コロナ禍で資金と経営意欲を失って消滅
●食材の値上げでメニュー改定をして、売上が逆に減少して弱体化
●コロナ禍の終焉を待たずに、事業をたたむ
●コロナ支援金の返済開始、未払い消費税の支払い、未払い社会保険料の
 支払い
例を挙げただけでも、すごい経営極寒の状況です。
しかし、雑草のような強さを持つこの業界は負けてはいません。

■教えられたこと1:
 ローコスト経営飲食店が新規出店している

今まで空きのなかったエリアの好立地中心に、新規開業が活発です。
共通していることは、

1,小規模店舗
2,少人数経営
3,単一調理業態(メイン商品がひとつ+バリエーション)
4,テイクアウト&デリバリーシステムを当初から組み込み
5,SNS販促も同時進行形 

私の経験では、生存環境の厳しい時代に生まれた飲食店は、
誕生した年が経営のゼロベースなので、あとは上昇のみです。

■教えられたこと2:
 令和時代の値上げは、
 「食材値上げ+従業員給与アップ」をする

  食材の値上げや物流費の値上げだけを理由にして、

「会社が助かり」、従業員は蚊帳の外になって干される経営側だけ得する
値上げの考え方は やはりSDGsな考え方ではないと思います


「食材の値上げでメニュー価格を引き上げますが、従業員の給与も少しは
 引き上げたいので、当店はこれくらいの値上げになります」

・・・・というのが本来の経営者の考えるべきことと思います。

反対に、値上げのメリットを経営側メリットだけにするために、
内需(国内需要≒個人消費力)の減衰が25年も続いて、結局は企業の
業績悪化を招いています。

■教えられたこと3:
 「商品力=売上力」として商品力を強くする
  傾向が特に強くなった

  騙されない確かな恩恵、それはメニューのコメントを見て、これを注文しようと思って頼んだ商品が、期待通りの商品であることです。

●満足する美味しさ
●料金に見合ったボリュームや見栄え
●さらに、健康美容、安心安全に配慮
諸品力を高めることが、購入者の拡大と売上の未来保証につながると
思います。

■教えられたこと4:
 今年は特に「価格づけ」能力が明暗を生む

 正直にいうと、価格付けはそんなに楽なものではありません。
少なくとも商品力を中心とした3つの要素により、

オーダーする、一つ下の価格商品をオーダーする、オーダーしない
の3つにお客様の態度は分かれます


1,商品力
  一番大切な値上げ要素です。大半は金銭と商品(力)の交換です。
2,接客サービス力
  お客様にとって心地よい接客(サービス力)は価格アップ時の
  店舗の総合評価判定に加味されます。

3,店舗力
  店舗の清潔さや居心地の良さは女性客にとっては特に大切な
  チェックポイントになります。

メニュー価格の引き上げの結果は様ざまで、およそ3分類されます。

あわてて短期間でメニューの価格変更をしたお店ほど失敗する例が
多くなります。十分に必要な時間を取って取り組みましょう!

<結果の予測分類>
●メニューの値上げ成功
 → 最終チェック時に、「お客様目線で再チェック」をしたお店。

●値上げ効果がなく、売上があまり変わらないお店
 → 平均客単価は上がったけれども、客数が若干減少したお店。
   トータルで値上げ効果が出せなかったことになります。

●値上げ効果がなく、売上が5%~10%減少したお店
 → 固定客層がオーダーする価格ゾーンの上限を超えた人気商品
   などがあると、その高額商品より一つ下を注文する、または、
   全く別の安い商品を注文して、
   「客単価減+客数減」を起こしたお店 

 *失敗の回避策
  同一商品を価格だけ引き上げて売るのはダメ!
   ・・・ただの値上げは5%~7%が限度です。

  10%以上を引上げても、商品の「進化」が成功しやすい!
   ・・・品質アップ、ボリュームアップ、味わいアップ。

メニュー価格の引き上げを従業員さんの給与アップも含めて
成功させましょう!

(了)



飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします