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飲食店未来学:専門店化時代の幕開け6:売れる新メニューを生み続ける時代

新メニューはなぜ必要か

私は飲食コンサルの世界で35年以上に渡りメニューづくりに取り組んできました。繁盛店にするコツは、ひとえに「売れる(求める)メニューづくりと、受け入れてもらえる限界価格の価格設定」です。

なんだか、釣り名人が、餌を自前で工夫して、仕掛けも工夫して、釣りたい魚を釣り上げる醍醐味を想像しながら頑張るのと似ています。

新メニューの必要性は以下のようなことを満たすことです。

1,お客さまが飽きるのを防止する
若者は変わらないメニューは3か月で飽きると言われています。

2,次期グランドメニュー(年中メニュー)候補を生み出す
新メニューは最初からグランドメニューに入れる場合もあれば、ランチメニューやフェアメニューという当たりはずれがあっても影響の少ないところからお試しデビューすることもあります。

3,売れない削除メニューの穴埋めをする
私の場合は、「削除メニューの半数を新メニューでデビュー」という考えで30年以上通しています。メニュー変更を繰り返すたびに、オーダー数の濃いメニューが濃縮されてくる感じです。

最終的には、必要最小限度の売れ筋メニューだけで営業できればとっても幸せと思うからです。(100も200もメニュー数があるお店の調理技術が均等とも思えないし、鮮度管理が完璧とも思えません)

4,新たな調理技術の習得
新しい料理を作るための新しい調理技術、新しい食材は、調理人をわくわくさせます。美味しい料理として出せるように励みます。これが進化の元ですね。

5,客数増と売上増
経営者から見れば、まさに新メニュー登場はこのためです。

では売れる新メニューはどう考えればいいかその条件は


1,狙う客層が「食べたいと強く願う食材」を使う
思い返してみてください。若者に受けたいきなりステーキのことを。まさに的を得た客層と食材のマッチングでした。ただ、供給力とコストアップという未来像に対しての予測力が足りなかった。

2,狙う客層が「味わいたいと強く願う味わい」を提供する
食材はヒットしても、今一番食べたい味はこれではありませんとなれば、売上は思うように上がりません。やはり客層が違えば、同じ食材を使っても食べたい味わいは異なります。

3,この商品力であれば少し高めのこの価格でも売れるという価格をつける
お客さまに売れる価格(買ってもらえる許容範囲の価格)は、許せる最低価格~限界点の最高価格までの「価格帯」の幅があります。私なら最高価格の95%の価格、または90%の価格で売ります。

なぜなら、半年後、1年後に、価格を値上げしたいとなった時に、値上でオーダー数が減ることは大いにあります。一度値上げしたらできる限り次の値上げまでの期間を長くするために上位の価格をつけるのです

4,ボリュームは性別と料理の用途で使い分ける
●男女では胃の大きさが違います。また口の大きさや噛む力も違います。

●同じ料理でも、食事のメインの場合、メイン料理があって副菜として添える場合、お酒を飲む時のちょっとした小鉢感覚の小皿料理で良い場合などがあります。

5,価格が妥当と思わせる見栄えがある
料理の三原色は赤、緑、黄です。あと、白と黒があればもっと見栄えは良くなります。料理の商品力の多くは、メニュー上のボリュームと見栄えと価格によって判断されます。

さらに実際に食べることで、鮮度の良さや、微妙な味わいに感動します。

よく知られた食材を使い、あまり知られていない料理の味で感動を誘引しましょう。そして、自分だったらこの料理は○○○○円支払ってもいいという価格でデビューさせることです。

そしてデビュー後の結果により、手直しと見直しをして、もっと強固な新メニューにブラッシュアップしましょう。


(了)





飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします