2021/03/15

ひき肉が余っていたので、ボロネーゼを作った。ここふた月ほどで何回か作ったが、どうしても肉の旨味がジュレの酸味に負ける。あるいは、開封して日が経った赤ワインのせいかもしれない。肉の旨味を抽出するには鍋底の焦げ目ができることが必要だが、使い慣れたテフロンのフライパンでは時間をかけて加熱しないと焦げ目がつかない。鉄のフライパンが欲しい。

ずっと積ん読にしていたウエルベックの「セロトニン」を読み終わった。手にとったのは昨日の夜。一晩で 3/4 は読み終わり、残りの 1/4 も一瞬だった。これまでのウエルベック作品の中でも群を抜く、圧倒的な面白さ。ご多分にもれず主人公の独白の切れ味の鋭さもさることながら、ウエルベックらしからぬ、普遍的な恋愛物語なのであった。文学・人種・国籍と多岐にわたるテーマについて展開される自論・暴論のえぐみを除けば、クンデラを彷彿とさせる純度の高さで、人生の閉塞感と苦悩と孤独を描く見事な筆致。ペシミズムと差別的感情にまみれた人生の敗残者たる白人男性、みたいな典型的なウエルベック作品の主人公像ではあるが、ともあれこれまでの人生で交差してきた知人関係が、運命の綾か再び目の間に消えては現れる、そのたびにつかの間の希望を抱いては裏切られる、そんな地獄めぐりの話。

セロトニン

エヴァを観終わった人だけが入室でき、感想や考察を思うがままに語り合うことができるチャンネルを用意できないかと考えている。名前は「ガフの部屋」とかにしようかな。まだ観ていない人が開くとサードインパクトが起きるので。ちなみに自分は今週末あたりに観に行こうかと思っている。