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本刈谷貝塚 土偶 14:巳

小垣江町(おがきえちょう:愛知県刈谷市)には「弁天」以外にも龍蛇につながる地名が並んでいることに気づいた。

本刈谷貝塚土偶ヘッダー

小垣江町の弁天周囲を巡っている時、東側に大きな寺院がある事に気付いたのだが、iPadで使用している地図に寺院名が表示されていなかったのと、前もってこの周囲に密教寺院が存在していないことは確認していたので、スルーしていた。
しかし、この弁天の東側に隣接している地名が「北竜(ほくりゅう)」である事に気づいた。

1竜己巽.江川jpg


北竜が弁天と無関係なわけがない。しかも「北竜」が存在するなら「南竜」「東竜」「西竜」の地名がある可能性がある。初めてじっくり地図をチェックしてみたところ、北竜の南東側に「東竜(とうりゅう)」の地名もあることが判った。
弁天は北竜から見れば、南竜に当たり、東竜から見れば西竜に当たる。つまり、弁天の旧地名は「竜」もしくは「本竜」ではなかったのか。本竜なら、北竜と東竜があるから、名称変更する必要がないだろうから「竜」だったのかもしれない。
「竜3丁目」では住所がキラキラネームすぎて恥ずかしいから変更したのか。しかし、「弁天」の方がキラキラ度は強いともいえる。
さらに地図をチェックしていると、とんでもない地名が東竜の南東側に面していた。
「己改(みあらため)」だ。
この地名から3カ所の地名は以下のように変遷したのではないかとも考えた。

北竜←北巳(ほくし)
東竜←東巳(とうし)
己改←巳(へび)

「巳」は「南南東」を意味するが、上記3ヶ所は猿渡川(さわたりがわ)の南南東に位置しているとも受け取れる。
しかし住所が「巳(へび)3丁目」では嫁が来なくなる。それで己改は「巳」に字形の似た「己」に改ため、他の2ヶ所は意味的に格上になる「○竜」に改ためたということか。
それが確認できるものに遭遇するかもしれないので、上記3ヶ所を巡ってみた。いずれも弁天と同じく水田用地が基本になっており、北竜には水田用地の中に以下のように寺院が、

2北竜宝玉山 竜江寺

東竜には水田用地の中に団地が、己改は弁天と同じく水田用地の中に個人住宅が点在しており、いずれも似たような環境だった。
だが、気付いたことがあった。
それはこの3ヶ所とも江川の川筋の西側に接して位置していたのだ。
下記写真は北竜の最北端に当たる江川に架かった橋の対岸側から北竜を眺望した光景だ。
(ヘッダー写真の黄色い花は、この写真内にも写っているマーガレットコスモス)

3北竜江川

この江川には支流が流れ込んでいて、上記写真の50mあまり上流に支流と江川の合流点があった。
そして、その支流に接して弁天と関係のある地名が存在した。
「巽(たつみ)」だ。

たつ=竜(龍)
 み=巳(蛇)

弁財天は龍蛇神であることから、弁財天と巽は同義とも言える。
ところで、巽の街角で面白いものに遭遇した。

4白ツチ

「白ツチみえこ」さんの名前の入った立て看板だ。
議員経験者なのだろうか。
「ナベブタ」を「つち」と読ませているわけだ。
いかにも異体字に存在していそうな文字だが、異体字のリストに含まれていない文字だった。『漢字辞典ONLINE』でも、ナベブタは「漢字の部首の一つ。単独で用いられることはなく、文字としての意味はもたない。」と説明されている。白ツチ家でのみ、意味のある文字なのだろうか。
「つち」は「オロツチ→オロチ」「みづち」に含まれるように、蛇と関連する名称であり、「しろつち」は「白蛇」と同義なのかもしれない。
もしそうなら、白ツチ家は修験者、密教関係者、神職の家系だろうか。

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弁天から己改まで、小垣江町は面白い地名の並んだ場所だったが、次のブログで「竜」地名の謎が解けることになった。

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