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麻生田町大橋遺跡 土偶A 30:犬四手、馬酔木?

豊川市の砥鹿神社(とがじんじゃ)奥宮表参道を辿り、ニノ鳥居前の石段を上がると、踊り場に石造明神鳥居が設置されていた。

砥鹿神社奥宮表参道 ニノ鳥居
豊川市 砥鹿神社奥宮 表参道

それが奥宮のニノ鳥居だった。
鳥居の手前左手には『えびす岩(鯛釣岩)』の案内板が立てられていたが、案内板脇にある深い谷の向かい側にある岩らしいのだが、夏なので葉が茂っていて対岸は何も見えなかった。

この踊り場には鳥居の手前右手に奥宮まで1.0kmの標識が立てられていて、標高は500mとある。

砥鹿神社奥宮表参道 標識

一ノ鳥居から391m登ってきたことになる。

この標識の脇には案内板『天狗岩』が立てられており、やはり谷の向かい側に大岩山(立岩)があるらしいのだが、えびす岩と同様、樹木の葉に遮られ眺望は無かった。

『天狗岩』の標識脇の崖の斜面には自然石が組まれ、直径1m以上ある椀状の石造手水桶が据えられていた。
勢いよく水が落ちていたが、水の透明度はあまり高くはなかった。

砥鹿神社奥宮表参道 手水桶

ニノ鳥居前の踊り場には休息用にテーブルと長椅子が置かれていた。
先に来ていた登坂者が去ったので、ここでストレッチをした。
両肩には布製のカバンを担いでいたが、入れてあるもので最も重いものがお茶の入った保冷ボトルくらいなのに、とにかく両肩が痛かったからだ。
馬背岩(うまのせいわ)からの200mにわたる岩山登りで両脚にはダメージが蓄積されていたが、それよりも両肩が痛かった。
それで肩甲骨を緩めるストレッチをしたのだが効果は限定的で、それが辛くて下山を終えるまで度々肩甲骨のストレッチをしながら表参道を辿ることになった。
両肩痛の原因は普段、長距離の徒歩を一切行っていないことから、腕を前後に振っていないことが原因であることが後に判明し、現在はそのことに対応したストレッチを行なっている。

ニノ鳥居をくぐり、いよいよ奥宮の境内に入り、長い石段を登った。
このあたりには檜のほかに種々の樹種が生えており、それらに案内板が掲示されていたが、表記されていた漢字名が工夫を感じさせるものが多く面白い。

・山香し(ヤマコウバシ)  辛味のある黒い果実が成る
粗樫(アラカシ)  葉に大きなギザギザがあり、ドングリが成る
犬四手(イヌシデ)  注連縄に使用される紙垂(しで)に似た花穂をぶら下げることか
         ら名付けられた
藪椿(ヤブツバキ)  種子から頭髪用や食用になる油が採取できる
・小楢(コナラ)  ドングリができ、シイタケの原木となる
・馬酔木(アセビ)  毒があって馬が葉を食べるとふらつくようになる
・黒文字(クロモジ)  黒い果実が成り、材質に芳香があって楊枝に利用される
         (※ヘッダー写真)
・白文字(シロモジ)  黒文字に似た樹木で、白くはないが果実ではなく、汁気の多
         い実が成る
・油瀝青(アブラチャン)  果実から採れる油が灯火に使用される

長い石段を登り終えると、地面のある山道になったが、このあたりは檜の根元の土が流れ落ちており、蛇のようにくねる根が絡み合って露出していた。

砥鹿神社奥宮 表参道 檜の根

この檜の森を通り過ぎると、再び岩山が現れた。
そこに案内板『山姥(やまんば)の足跡』が設置されていた。

砥鹿神社奥宮 表参道 『山姥の足跡』案内板

「足跡が岩に存在する」の説明が欲しかったな。

窪みの一部にはさらに、舟形の30cm近いサイズの足跡にあたる窪みが存在した。

砥鹿神社奥宮 表参道 山姥の足跡
砥鹿神社奥宮 表参道 山姥の足跡

参道は山姥の足跡のある岩の存在する岩山の東脇を抜けており、すぐに森の中に入った。
参道脇には檜の倒木なのか、伐採されたものか不明の巨木が倒れており、表皮が剝がれていたが、一部の幹が傷つき、表皮が不自然に剥がれ落ちており、熊が爪を研いだみたいで気になった。

砥鹿神社奥宮 表参道 倒れた檜

この前を通り過ぎ、さらに参道を進んだが、両脚は限界を迎えていた。
これまで、各地の奥宮に参拝するために山を登ってきたが、ここまで両脚が辛いのは初めての体験で、今回はギブアップすることも考えたのだが、もう一度麓から登り直すのが嫌で、それを原動力にして登り続けた。
後続の登坂者たちに追い抜かれるようになり、遂には女性にまで抜かれる始末になってきた。

やがて石造の三ノ鳥居の前に到達した。

砥鹿神社奥宮 表参道 三ノ鳥居

三ノ鳥居には石造の扁額が掛っていたが、記入された文字は風化して確認できなかった。
三ノ鳥居の前後には短い石段と踊り場が繰り返していたが、上に向かって、各石段は幅が狭くなっている。

さらに繰り返す石段を上がり、参道を辿ると銅の鳥居が現れた。

砥鹿神社奥宮 表参道 銅の鳥居

四ノ鳥居だった。
この銅の鳥居は人が触れる高さまでの柱の裾だけ防腐処理が施され、黒ずんでいた。
銅の鳥居が現れたことで奥宮がいよいよ近くなってきたことを感じた。
銅の鳥居をくぐった瞬間、不思議なことに体が軽くなったことを感じた。
体は軽く感じているのに両脚は辛いという、精神的に複雑なことになった。
そして、この前後でいったい何人の登坂者に追い抜かれたことか。
三ノ鳥居の先の石段は急な登りになっている。

〈この項続く〉

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noteの新エディターはSafariを使用すると、ヘッダー写真が読み込みできないバグがあったのですが、修正されたようで、この記事はSafariで書き込みしました。


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