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本刈谷貝塚 土偶 25:白龍と長田池

津島市の雨神社から愛西市(あいさいし)の田代白龍王大神(たしろはくりゅうおうおおかみ)に向かった。

本刈谷貝塚土偶ヘッダー

1レイライン田代白龍王大神

県道129号線を北上し、路地を西に入ると、個人住宅の敷地内の一画に遮蔽垣(しゃへいがき)でコの字型に囲われた大きなスペースを持った社地があった。

2田代白龍王大神

その社頭には濃色に染められた鹿島鳥居が建てられ、鳥居の正面奥には銅板葺神明造の社が祀られている。
個人宅の前庭に小祠が祀られていることは珍しくはないが、こんなに広い社地を持つ例は初めて遭遇した。
鳥居をくぐると、

3田代白龍王大神

石造の基壇上に線香台、花立、石造の狛犬、瓶子、水玉。社前には金幣、神鏡。限られたスペースに神具が要領よく配置されている。
社の左右に対になって立てられている白地の幟には朱で「田代白龍王大神」とあり、頭頂に3本の爪で握られた宝珠の神紋が入っている。

4田代白龍王大神幟神紋

今時な言葉で言うならドラゴンボールだ。
なぜ、白龍王大神がここに祀られているのか。
地図を見ると田代白龍王大神の西20mあまりの場所に「神社(長田池)」の表記がある。

5田代白龍王大神/神社/長田池

THE BANDじゃあるまいし、社名が「神社」とは。それに「神社」の後ろに付けられた「(長田池)」とは。
「神社」の祀られた場所は字名が「長田池(おさだいけ)」となっている。しかし、現在の長田池には池の影も形も無い。
ここからは推測になる。
「神社」は埋め立てた長田池の祟りを抑えるために祀られたものではないのか。
先祖代々の池や井戸は埋めたりするもんじゃないという話は、叔父の家が頭領なので、よく聞かされた。埋め立てた井戸や水路や池の上に家を建てると、住人は病気や不幸に見舞われやすい。
特に池の場合は家を建てたりすれば、家が傾き、引き戸は開かなくなる可能性がある。大地震があれば埋立地が液状化するのは今や常識だ。
上記MAPの長田池のあったと思われる場所に青い破線を入れてみたが、この範囲には今も家が1軒も建てられていない。おそらく、埋め立てた場所だと思われる。
そう思って現場を見ると、不思議な情景になっていた。長田池の大半はフワついた地面にパラパラと幼木が植えられていた。果樹園というわけではないので、樹木の根で時間を掛けて地面を抑えようということだろうか。
田代白龍王大神は長田池、もしくは長田池につながった水路に対して祀られた神である可能性が高いと思われる。
一方、「神社」は入り口に朱の鳥居があり、低木の社叢に覆われていた。

6神社(長田池)

その鳥居の奥10m以内に立派な土壇と基壇を持つ銅板葺素木造の社が祀られており、新しいものではなかった。
社叢の根元には美しい葉のスズタケが繁殖していた。
スズタケの繁殖は攪乱された場所に見られるものなので、ここが埋立地である可能性を示唆している。

田代白龍王大神と「神社」の間には南北に下記写真のように用水路が通っている。

7西川端町用水路

写真左手は田代白龍王大神前の道路をまたいだ土地で、石材店の敷地らしく、巨石がゴロゴロ置かれている。
右手の樹木の生えている土地が長田池。地面が平地ではなく土が盛り気味になっているのは埋め立てられた土地だからだろう。

このレイラインを辿るのはここで終了。

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この日は陽が傾いてから出かけたことから、熱中症の心配は無く、コンビニに寄って冷たいものを摂る必要もなかった。
それにしても、初めての土地では想定外のものに遭遇するものだ。THE 神社の存在には驚いた。

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