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卒展を終えて 【Room 800編】

はじめに

こんにちは!もしくは、こんばんは。
なんだかんだ時間が経ってしまいましたが、今年の2月にデジハリの卒展があって、卒業しないのに展示させてもらってきたから、それについて書いていこうかな~と思い。書きます。

&6は外部で展示を頑張るぞ!って感じで、学内と外部の2か所同時開催のなかなか攻めた卒展になったと思うので、記録的な意味も込めてね。

全部書くと、果てしなく長くなりそうなので、自分の部屋と全体のことを分けて書いてこうかな。今日は自分のブースってことで。(自分のブースの話だけでも、めっちゃ長くなりました... by. 少し未来のみやび)

卒制を終えて、こういうことしといて良かった!とかは別の記事にまとめるかもしれません。

ありがとう

まずは、卒展に来てくださった皆さん、お手伝いしてくれた方々、素敵な会場を提供してくださったLiLiOnの皆さん、本当にありがとうございました!
皆さんのおかげで最高の卒展にすることができました!

次!……に行く前に。

ここから先は作品の解説とか、裏設定みたいなこともつらつら書いていくので、ウチさ~、作品の解説とか見たくない派なんだよね~!って方は、スッとページを閉じて、別の方の素敵な記事を読みに行ってね!

言ってしまえば、自分の作り上げた世界観を自分でぶち壊すみたいな行為でもあるので。ね。割と愚行(笑)

ほいじゃあ、解説大丈夫!読むよ~!って方は次へ。

コンセプト

どんな囚われ

今回の全体のコンセプトは「囚われ」だったので、僕も囚われを表現したわけなんですが、僕の表現したかった囚われは2つ。ファンタジーと接客です。

囚われについて

「ファンタジー」は、もう、単純に大好きだからです。
昔からなんとなく妄想とか空想の世界が大好きで、FFという作品に出会ってからは、明確にファンタジーが好き!って思うようになりました。

で、まあ、お仕事とかしていく中で、自分の人生のコンセプトってなんなんだろうって、たくさん考えて、去年の春くらいに、僕はファンタジーをもっと身近なものにしたいんだな、って気づきました。
そっから、僕はファンタジーを広めるため、世界で一番の空想の案内人になるため、ファンタジーに真剣に向き合ってます。

ってなわけで、卒制でもそんな大好きなファンタジーをテーマにしたいな~と。

一方で、「接客」のほうはネガティブな意味での囚われで、めちゃくちゃ苦手なことです。

インタラクションゼミだし、インタラクションどうしよ~って思った時に、自分の囚われを改めてアレコレ考えてたんです。
と、そういえば、自分、めちゃくちゃ接客業が苦手だなぁ~って思い出しまして。コンビニバイトとラーメン屋バイトをしていたんですが、まあまあ、キツかった思い出がありまして……。

自分はすごく、マニュアル通りに完璧にやらなくちゃ!って気持ちが強くて、少しでもズレたり、抜けたりするとすぐテンパっちゃうんですよね。
あと、その場限りの続きのないコミュニケーションが苦手、というかどういう気持ちでやったらいいのか?って疑問が頭にまとわりついて、余計に混乱しちゃう的な。

まあ、とにかく接客が苦手なんですよ。

だから、正解なんてない感じの、自分が正解だ!みたいな、それで、来てくれたお客さんが楽しくなればそれでいいじゃん!みたいな、そんな感じで、自分の苦手な接客とも向き合いたいなって思ったわけです。

というわけで、対話型の作品にしました。

どんな体験にしたかったん?

で、あの部屋でどんな体験をさせたかったの?という部分に関してですが、僕はファンタジーを身近に感じてほしいと思っているので、お客さんが、あれ? いつの間にか夢みたいな世界にいるぞ?って、ドキドキ、わくわく感じるような体験を作りたかったです。

もうちょっと細かく体験を考えると、メインは「魔法を使ってほしい」って部分です。そこは、絶対に実現させようと思ってました。ファンタジーっぽいしね。
それで、お客さんに触ってもらいやすい形ってなんだろうとアレコレ考えたところ、魔法陣がいいのでは?という感じになり、魔法陣を作りました。(学園祭でも展示してたよ~)

学祭での様子

で、学園祭のときにも展示してたわけですが、終わったあとに、後輩からフィードバックをもらう機会があって、ありがたいことに褒めてもらいながらも、ズバッと「説明責任を果たしてください」と言われたんですよ。たしかになぁ~って、思いました。

魔法陣と杖が目の前にあっても、どうやって使っていいか分からないよな~って。だから、説明しないといけないよなぁと。
でも、正直に言うとあんまり説明はしたくないな…とも思っていたんですよ。だって、ファンタジーな体験をしてほしいのに、いきなり「説明感」のある作品説明とかされたら、冷めちゃうでしょ!って。

だから、その説明部分をいかに「説明っぽく」しないかって部分を追求して体験を考えました。で、考え出したのが、異世界に迷い込んだお客さんが、異世界人におもてなしされるっていうスタイルです。

最初はしゃべる絵画とか作ろうかな~って思ったけど、相互作用=お客さんのアクションに対する変化があったほうが面白いかな~って思って、生身の人間が会話するスタイルにしました。

どんな空間を作りたかったか

僕のリファレンスは基本的に中世ヨーロッパ風ファンタジーな感じで、みんなが「ファンタジーな雰囲気を思い浮かべて!」って言われたときに、8割くらいの人が思い浮かべるような感じの空間を目指しました。

で、一応、設定としては「魔女が住んでいる家」という感じで…

  • 薄暗い雰囲気、弱弱しい光 → 蝋燭、ランタン

  • 使い古された感じ、ボロボロ感 → ビンテージ加工

  • 自然のもので作られている感じ → 木

  • 薬を作っている感 → 大きい釜、煙、怪しい光

  • 魔法の研究をしている感 → 手帳、資料、本

みたいなのが、ベースにありました。
細かいことは、また下のほうに書くね。読んでね。

そうそう、FF14のハウジングとか、結構参考にしました。
https://housingsnap.com/?keyword=%E9%AD%94%E5%A5%B3 とか。

作ったぞ! 

というわけで、今回作った制作物について、書いていこうかなと。

ドア

&6といえば、ドア! ……ってことはないはずなんだけど、今回もドアを作りました。
しかも、今回は全7個も作りました。こんなことしているから「ドア作りゼミ」なんて言われちゃうのは分ってるけどね。作りたかった。楽しかった。

Room 800 のドア

なんで、7個も作ったのさ!? とかは、次の記事で書くとして。

僕の部屋のドアは、ビンテージ加工って言うんですかね? なんか、こう、使い古された感じのドアを目指しました。なので、よく見るとガリガリってやった傷がついてるんですよね。
ベニヤ板なので加工が少し大変だったんですが、釘とかトンカチとかステンレスのブラシとかで、ガリガリと傷をつけてます。

なんか、生活感?みたいなものが出ていいよね。

あとは、なるべく木っぽさを出したいな~って思って、ペンキではなく、ニスを塗りたくりました。ダークオークだったかな。そんな感じのニスです。ちなみにニスを塗ったせいで、僕のドアだけめちゃくちゃ臭いんですが、誰にも気づかれてないだろう!と信じてます。(さすがにバレてた?)

裏話的なことをすると、実は下塗りをし終わった後にニスを塗るって決めたので、めちゃくちゃ大変でした。って言うのも、ニスって下塗りせずに塗って木目を目立たせたりするのに使うのですが、ペンキを一回塗っちゃってたんで、剥がさないといけなかったんですよね。

はい。剥がしましたよ。
めっちゃ時間をかけて、やすりでやすって。剥がしましたよ。

ということで、塗るときは計画的に塗りましょうね。っていう教訓です(笑)

ドアノブもこだわりました!

ドアノブ

ファンタジー世界につながるドアのノブがアルミとかステンレスってのも、なんか味気ないので、っぽさを出すためになるべく真鍮っぽい、世界観になじみそうなものをセレクトしました。

正直なこと言うと、新品でちょっと綺麗すぎるかな? って思ってたけど、意外とドアの雰囲気に馴染んでて良かった!

テーブル

続いてはテーブルでございます。

皆さん、気づきましたか? 実は僕の部屋の小さい方のテーブルは、自分で作ったんですよ~。自分でイメージしていたよりもクオリティ高かったから、気づかなかった人も多いんじゃないかな~。

これは塗装前とげんた

レンタルのテーブルもありましたし、使ってましたが、部屋の中にも「木」の感じを出したくて、あと使い古した感じを出したかったので、作りました。流石にレンタルのテーブルを傷つけるわけにもいきませんからね。

木工初心者(こう見えてドアしか作ったことなかった)なので、ちゃんと作れるか心配でしたが、はじめて作ったわりには、想像以上に安定したし、なにより部屋の雰囲気になじんでたので、作ってよかったな~って思ってます。

魔法陣・杖

先ほども説明した通り、メインの魔法体験を生み出すうえで欠かせない魔法陣。こちらは学祭で作っていたんですが、フィードバックも踏まえて、ちょこっと改良してます。

魔法陣の体験の様子

魔法陣の描かれた紙の裏にリードスイッチという、磁石に反応するスイッチが仕込まれていて、先端に磁石を入れておいた杖でなぞると、スイッチが反応していくという仕組みです。さらに裏側ではArduinoというちっちゃいコンピュータがあって、そこでスイッチがなぞられた順番を取得して、順番に応じて別の映像を出力するという感じになっています。

映像出力は絶対に間違ってますがUnityでやってます。Unityしか使えないので(笑)

まあ、メインのシステムはほぼ変更ナシです。
めちゃくちゃ電気です。

学祭から変えた部分は、魔法陣の台を黒くしてなじませたとか、映像出力用の小さいモニターを用意したとか、そういった部分です。部屋の雰囲気によりなじませる改良を施したって感じでしょうか。

ヤバそうな鍋

魔女といえば、大きな釜でなんかヤバそうな液体をグツグツ煮ているやつ!と思って、鍋を用意しました。
本当はもっと西洋風の鍋があったのですが、現地から取り寄せる形になるので、本体価格より送料が高くなってしまうので、キャンプ用のダッチオーブンというもので代用しました。それっぽかったし。

ちなみに、鍋がアホみたいに重くて、持っていくのがしんどかったです。
ガチ鉄でできてたっぽい?(重量には注意しましょう)

怪しい感じの鍋

で、一番苦戦したのはモクモク出てる煙。
理想は本当に煮込むことだけど、危ないし無理なので、スモークとかドライアイスとかを検討してました。でも、それだと定期的に交換しなくてはいけないという問題があって、悩んでました。

そこで思い出したのがメディアアート展でもお世話になったアクアリウム!
アクアリウムの装飾用の、水をミスト状にして煙みたいにする機械を見つけまして、そちらを購入しました。

水の展示を制すなら、アクアリウムショップです。

あと、1日目は配達の関係で間に合わなかったのですが、2日目からはお風呂用のLEDライトを沈ませて、怪しい緑に光らせています。

妖精のイラスト

僕が作った!って主張するのは変なのでこの項目でいいのか微妙ですが、魔法陣の体験において、どうしても必要だった妖精のイラストは、実験的にAI生成画像を使ってみました。

僕はグラフィックでの表現力が乏しいので、プロンプトを書いて、手伝ってもらったんですが、すごいですね。まあ、様々な議論があるのは知っていますし、使い方には注意しなくちゃ…と思っていたので、メインというよりは体験を引き立たせるために活用させていただきました。

妖精のイラストたち

イラストを調整して、クラフト紙に印刷したら、物語により説得力?が生まれたので、大変助かりました。

ちなみに妖精は、火・水・大地・風・氷・雷・光・闇の全8体で、ちょこっと設定とか考えて、占い風にしてみました。

シナリオを書くなど

書いた!ってほどではないんですが、体験のメインとなる会話にもなんとなく設定とか流れは作っておいたので、それについて。

登場人物

まあ、まずは物語の登場人物。

グラス
異世界にて、妖精の研究・魔法の修行を行っている青年。修行のために魔女に弟子入りした。現在は魔女の助手をしながら、研究・修行に励んでいる。

客人
別の世界から迷い込んだ客人。つまり、展示の体験者。
バックグラウンドはそれぞれ全く違う。人それぞれ。

魔女
本編には登場しないが、異世界で名高い魔女。魔法・薬学に長けていて、世界各国から様々な依頼が届くので、世界中を飛び回っている。グラスの師匠。

が、主な登場人物です。僕はグラスをしていました。

シナリオについて

シナリオってほどでもないですが、説明を説明っぽくなくするために流れだけは考えました。まあ、実際にやってみていろいろ手を加えたので1日目と4日目だと若干の変化があります(笑)

意識していたことは 1)説明感を薄くする 2)体験時間をコントロールする ってところですかね。

パラドカプトにある扉を開いてしまった客人は、異世界に迷い込んでしまう。扉は異世界の魔女の家にある「異界の扉」につながっていて、客人は魔女の家へ足を踏み入れる。

客人は魔女の家で留守番をしていたグラスという青年と出会い...

みたいな設定で、話を進めていこうと。これは決まってました。

説明を説明っぽくなくするには、「魔法陣の使い方を僕は知っているけど、客人は知らない」という状況を自然に表現する必要があると考えまして、なら異世界人とこっちの世界の人が出会えば、自然になるんじゃないか?ってことで、こういう設定にしました。
なので、魔法陣の説明は普通に説明感が溢れていますが、個人的には気にならないくらいの流れにできたと思います。

我ながらうまいこと考えたんじゃないかな~って思ってます。

あとは、体験時間のコントロールという部分。
なるべく多くの人に体験してもらいたいので、ある程度1回の時間を読めるようにしたかったので、お客さんを自然に外に出す仕掛けが必要でした。
そこで考えたのが「街へ出ようと思っていた」という設定です。

出かける用事があったところに、客人が迷い込んできたから、もてなした。でも、時間になっちゃったから、この辺でお開き! みたいな。
嫌な思いをなるべくさせないように、体験時間コントロールを実現するにはこれかな~、と思ってそういう設計にしてみました。

なんとなく、整理すると

前提
・異世界の魔女の家に迷い込んだ
・そこにはグラスという人がいて、街へ出かけようとしていた

流れ
・客人:扉を開けて迷い込む。 グラス:気づく。
  ↓
・グラス:状況説明をして、雑談に持っていく。
  ↓
【それっぽい雑談タイム】
  ↓
・グラス:魔法の体験をしていきなよ!って言いだす。
  ↓
【魔法の体験タイム】
  ↓
・グラス:街へ出かける予定があったことを思い出す。
  ↓
【ばいばい! 気を付けて帰ってね】

です。

あとはなるべく一方的にグラスがしゃべり続けないように、問いかけをたくさん入れようと心掛けました。最後の服どっちがいいかな?とかね。

小物とか、衣装とか

自作できない・すると大変な小物に関しては買いました。

小物たち

本とか、黒布とか、ランタン風のLEDランプとか。
まあ、でも、特にこだわって買いそろえたのは、グラスの衣装ですね。

グラス

元々はFFの黒魔道士みたいな、全身真っ黒、ひらひら黒ローブみたいな雰囲気を想像して、そんな感じにしようと思ってました。
でも、なかなか売ってないんですよね。いや、厳密には売っているんですけど、THEハロウィンのコスプレ!みたいな、ちょっとチープな感じなんです。

もちろん、チープな感じが悪いとは思わないですけど、今回の展示空間には合わないな~と思って悩んでいました。

そんなある日、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』という映画を観まして。これを観た瞬間、あ!これだ!ってなったんですよ。
圧倒的なファンタジーなのに、どこか存在しそう。それでいて、すっごく楽しそうな雰囲気。僕が今、作りたいのはこんなファンタジーかもしれない!と思いました。

そこで、ウィリー・ウォンカになろう!と決めて、衣装を揃えました。(モチーフにした程度ですが)
ほぼ全身、新しく買い揃えましたよ。古着屋を回りまくってね。

結果的にめっちゃいい感じになったので、よかったです。ありがとう、ウォンカ。

さいごに

自分の部屋だけに絞ったのに、めっちゃ長くなっちゃいましたね。すんません。最後まで読んでくださった方はありがとうございます。

正直、設定に関しても、制作物に関しても、まだまだ書けそうですが、この辺にしておきます。書きたくなったら別の記事として、書こうかな。シナリオ編とかね。

まあ、そんなことはさておき、パラドカプト編は近いうちに書こうと思っているので、しばしお待ちください。

そろそろ7000文字らしいので、この辺で。

では。

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