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H29 リゾートホテルをエスキスしてみた

初めて設計製図試験を受験される方、エスキスが苦手な方に見てほしいです。

私はエスキスはもちろん、要点記述や作図も苦手だったので、同じ状況で悩んだり苦労している方の参考になればと思い書いています。

難しいことは何もしていないエスキスなので、是非最後まで見て何か感じてもらえればと思います。

※見出し画像は小浜島のリゾートホテル“はいむるぶし”さまより引用させていただきました。






周辺環境整理・外構計画


↓まずは周辺環境の整理からやっていきます。

↑課題文と同じようにエスキス用紙に書きます。(書き写すときに間違えないよう注意する。)

道路は幅員はもちろん横断歩道、歩道なども気にするようにしてください。


↓次に周辺環境と屋外施設を整理します。

今回の課題は。。。

  • 北側の道路境界線から5m以上後退

  • 西側の共用駐車場へアプローチ

  • 12m以上の円で車回しを計画

  • 南側は湖、遠くには山並みの眺望

  • 東側は遠くの名峰が見えそう

  • 敷地南側は斜面地で湖辺へアクセス

以上を絵にかいて整理していきます。



面積・高さ検討


次は面積関係をチェックします。

↑建築面積が課題文の条件の範囲内かどうか確認します。

  • 北側は車回し12mに通路3mを想定し15m

  • 南側は平坦な5mの範囲をリラクゼーションスペースと想定し5m

  • 東・西側は特に何もないので2m

以上をヘリアキで想定し面積計算していきます。

このまま進めると500㎡以上オーバーなので2階か地下1階を小さくするということが予想されます。

ここで建物の大きさを調整していても仕方がないので、ちょっと手を進めながら突破口を見つけたいと思います。


次は高さ関係の検討へ進みます。

今回も都市計画区域及び準都市計画区域以外と書いてあるので道路斜線は検討しなくて大丈夫です。

チビコマに入る前に地下1階から2階までの情報を整理していきます。

  • 宿泊部門はセキュリティーを考えて2階へまとめる

  • 地域住民と交流を図るので共用部門は1階へまとめる

  • 大浴場とトレーニングはつながり条件で地下1階(宿泊者専用EV?)

  • 設備関係も地下1階(搬出入に配慮とあるのでドライエリア?)

宿泊部門は2階に入りきらないとゾーニングが難しくなるということと、地下1階の宿泊者専用の大浴場とトレーニングルームの動線をどうしようか。。。と気にしつつも深追いせず進めていきます。

チビコマ・スパン割


それではチビコマに入っていきます。

宿泊施設なので、まずは客室のある2階から進めていきます。(基準階の攻略パターン)

  • 全ての客室に眺望

  • 間口4m以上

  • 客室A 35㎡要求 計10室

  • 客室B 35㎡要求 計2室

  • 客室C 70㎡要求 計2室

以上の条件を整理して部屋の数と面積から3パターンつくってみます。

  • 7×7で2mバルコニーを組み合わせた35㎡(上段)

  • 6×6で36㎡(中段)

  • 8×8を2分割する32㎡(下段)

南側だけでは客室が入りきらない為、東側にも客室を配置します。

x方向は8mで2分割しないと部屋が入りきりませんので下段の8×8で進めます。



2階がなんとなく見えてきたところでコアを仮置きし、1階と地下1階を入れてみます。ダブついていますが、なんだかいけそうなので次に進みます。

ここで東側と南側が客室になるので利用者コアを東側、管理コアを西側に入替えを検討しつつ、倍コマで面積調整していきます。



倍コマ・スパン調整


↓まずはチビコマで決めたように室数を確保していきます。

2階は客室A・Bを南側へ並べ、客室Cを東側へ配置します。
1階は南側の眺望がるほうへレストランやラウンジを配置し、主出入口のある北側には事務室やコンセプトルームを配置します。
地下1階はリラクゼーションスペース指定のつながり条件で南側にトレーニングルーム・大浴室を並べます。



面積指定のある室の柱スパンを決めていきます。X方向は客席に合わせて8mが6スパン、Y方向は客席のある南側から8・8・6mのスパンとなりました。
客席の面積を調整できれば、他の部屋はあまり気にしなくても大丈夫そうなので、このあたりで面積を再度計算します。地下1階と2階を3コマずつ削ることで何とか2800㎡以内に入ってきました。




1/400エスキス


↓次にエスキスにしてまとめていきます。

↑作図の配置と合わせるように書きましょう。これをミスすると作図時に混乱したり不整合になりやすくなるので注意です。(左上:1階、左下:地下1階、右上:2階、右下:断面)

1階は北側の敷地範囲を書き、地下1階は南側の敷地範囲を書き、各階柱芯を書いていきます。


↓まずは倍コマと同じように部屋を下書きします。

倍コマで詰めていた内容で書くので、すんなりまとまった感じです。ですが、外構を先に書いていないのでダメでした。。。


↓何がダメだったか外構を書きながら見ていきましょう。(本来外構は先に書くべきです。。。)

なぜ先に書かなければならなかったというと。。。
車回しから共用駐車場へのアクセスを考えると、利用者用駐車場は西側に配置するのが良さそうです。

室内のレイアウトだけでチビコマ時にコアを入れ替えてしまったので、またここで修正することになっていまいました。。。


また8×8で柱の負担する面積が60㎡を超える計画となっている為、柱スパンを再検討してみます。(要点記述で書きやすくなるため。)


X方向の8mは守らないと部屋の間口4mを確保できない為、Y方向のみを調整していきます。試しに6mピッチにすると全体で2m大きくなってしまいますが、今のプランを少し調整するくらいですみそうなので、柱を記入し柱ピッチに合うように修正しました。

廊下も2mから3mに広がりリゾートホテルのゆったりな感じがでてきました。ですが、建物を大きくしてしまっているので吹抜けや光庭、バルコニーやポーチを全て使って面積を調整していきます。



1階のコア周りを変更したスパンに合うように調整していきます。地下1階の電気室も管理コアのある東側へ移動していきます。

何度か調整を繰り返すと整ってきます。1・2階はトイレと利用者コアを調整することで余分な廊下が減りまとまってきました。
地下1階は東側へ設備系をまとめることができ、ドライエリアから搬出入できるプランになりそうです。




完成


↓最終的にこうなりました。

宿泊者専用の動線をどうするかがフワッとしてますが、廊下の通ったシンプルなプランにまとまりました。

これなら記述も書きやすいはず。。。

  • パッシブデザイン・・・2段階の吹抜けで自然通風

  • パッシブデザイン・・・ハイサイドライトからの自然採光

  • パッシブデザイン・・・勾配屋根の軒先で日射遮蔽

  • 客室Bバリアフリー・・・エレベーターから近い位置に配置

  • 柱スパン割・・・X方向8m、Y方向6mで負担面積低減


今回のようにチビコマや倍コマを早々に終わらせ、1/400エスキスでじっくり検討するという方法もありだと思います。

また1/400エスキスで柱を打つのを最後の工程にずらすことで、今回のように柱スパンを修正することもできます。
色々なやり方で自分に合うエスキス手順を構築していきましょう。

ちなみに今回こちらで作図した添削は宿泊者の管理型ゾーニングが甘いとの事でランクⅡでした。。。
ちょっと時間がとれたら改善プランを追記したいと思います。



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