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絵画展の話:「文晁と北斎ーこのふたり、ただものにあらず」

こんにちは。38specialです。
先日、「文晁(ぶんちょう)と北斎ーこのふたり、ただものにあらず」展を宇都宮の栃木県立美術館で観てきました。とても充実した内容の作品群をその図録から、道中のスナップとともに紹介したいと思います。ちなみに展示会場での画像はありませんので、先に記しておきます。


唯一の撮影可能ゾーン


12月13日、宇都宮、いや栃木が初の私は東京駅から東北新幹線で宇都宮へ。


はやぶさ



東京駅から1時間くらいだったかな?




11時過ぎに宇都宮駅着。今もしまったな、と思っているのは到着するやいなや駅を出て最も近い餃子屋さんに飛び込んでしまったこと。展示を見るためだけに宇都宮まで行くなんてバブリーすぎる、餃子も体験しなくては!と気が急いており、勢い余って駅最寄りのお店に入ってしまったのだ(しかも駅ビル内にも複数のお店があったことを帰りに知る)。



餃子はとても美味しく頂いたのだが、要はもっと少しずつ複数のお店を食べ歩く形式にしたかった。食べそびれてはいけない!という意識が強すぎたのだろう。この後美術館への道中にたくさんの餃子屋さんが現れ、ああこっちも行ってみたかったなあと思うことしきりであった。。




道中の二荒山(ふたあらやま)神社にお参りしていく





着!




ここからは展示作品を図録から数点貼ります。
まずは文晁作品から。












続いて北斎の作品。







冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」



冨嶽三十六景「登戸浦」「日本橋」



今回の展示は谷文晁と葛飾北斎という同時代に生きた別ジャンルの画家の作品比較から見えてくるもの、がメインテーマ。それぞれの作品を連続して並べ、モチーフや塗料の違い、クライアントの違い(幕府からの発注か一般商業誌向けか)によるスタイルの異なりが存分に見て取れる。なかなか大ボリュームの展示で、事前知識がほぼ皆無の自分でもとても満足感があり、見る人によりいろんな感想が生まれたのではないだろうか。個人的には「青と緑」色を使った作品が各々の作品群の中でも重要なポイントになっているように感じた。



色もタッチもハイセンスでおしゃれ




現物のブルーのグラデーションはより美しかった



文晁作品に多く見られる青緑山水図(中国発祥の型式らしい)の鮮やかな青緑の顔料、北斎の有名な作品「富嶽三十六景」のブルー(化学染料。北斎ブルーというそうだ)は現物ではとても鮮やか。特に文晁の青緑は濃いめの蛍光色に近く、今見てもとてもモダンでおしゃれな色であった。オフセット印刷の図録では再現できていないが、カメラによる複写の段階でも蛍光色は出にくいので仕方ないかもしれない。展示作品の中でも目を引くような「青と緑」は特に印象的で、日本の風景を描く際に使いどころが多かったせいだろうか、絵師としても気合いを入れた色なのかもしれない…などと想像してみる。これは現物を見る機会があれば(都内でも収蔵している美術館がある)ぜひ見てほしいと思う。


というわけで「文晁と北斎」展の紹介でした。展示は残念ながら本日12月24日で終わりなのですが😅この図録がとても充実した作りで、会場同様に全作品の解説も載っていておすすめです。この記事では全く触れられなかった絵画ジャンルの話(南画、文人画、浮世絵とは)など、まだまだ自分でも咀嚼できていない、勉強になる内容がたくさん。通販でも売り切れてなければ購入できます。


私にとってはまさに今秋に知った谷文晁の名。検索して作品を見たら度肝を抜かれ、ぜひ見たい!しかし、都内ではまとまった展示はしばらくない、宇都宮か、、と迷ったけど思い切って行って良かったと思う展示でした。他に直近で観たい展示に写真家の安井仲治展があり、現在兵庫でやっているのですが、こちらはその後東京にも巡回するのでバブリーなことはせずに😂、気長に待ちたいと思います。それではまた!

















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